怨念解消英文法! その1→倒置と本来の目的や機能を表す無冠詞

こんにちは、井上です。

今日は「自分だけなぜ勉強しても上達しないんだ」という怨念を抱えている人に向けて、英文法の解説をしていきます。なぜかというと、そういう人が教えてる人に多いからです。

ところで、倒置と本来の目的や機能を表す無冠詞と言うと難しく聞こえますが、別にそんなことはありません。ビートルズのYellow Submarineの出だしの下記の歌詞を解説しようという話です。

In the town where I was born 
Lived a man who sailed to sea

歌そのものはこちら。


なんでそんなのを解説しようかと思ったかというと、理由は二つあります。一つは、教えててよく思うのですが、上記のような10年、20年ものの怨念を抱えている人ほど基本的な文法が欠けてるし、さらに言えば、そうした知識がネイティブの話してる英語を理解するために必要だという理解がありません。なので、勉強しないから、基礎知識が身に付かず上達しないと…。なので、こういうふうにリアルで使われてる状況を解説することで、その大切に気づいてもらうのが一つ。

もう一つは、根本的な話なんですけど、英語教えてる人でそもそも文法とか真面目に最初から勉強して上達した人いないでしょと思うからです。というか、僕はもともと理系で全然英語興味なかったし、高校生の時は空手バカ一代読んだり、当時流行ってたK-1やグレイシー見たり、山にクワガタ取りに行ってたけど、とにかく洋楽はよく聞いてたんですよね。そして、いざ勉強してみたら、受験英語の中にそれまで勉強した洋楽の歌詞で使われてる文法がたくさん出てきて、全然苦労せずに上達したんですよね。なので、途中から文学部に行きたくなって、最終的には早稲田の一文だけ文系学部に出願して、あとは理系学部に出願したら一文しか受からなかったので、「イエイ! 引き寄せ!」と思って一文来たから、英語の文法とか単語だけ覚えるっていまいちよくわからないんですよね。なので、まあ、じゃあ自分はこんなふうに勉強したとか書いてみるのもいいかなと思って。怨念抱えてる人にそうやって教えると喜ばれることも多いですし。

で、今日のテーマの倒置と本来の目的や機能を表す無冠詞ですが、まずは機能を表す無冠詞から行きましょう。さっきの歌詞で言うと、sailed to seaの部分ですよね。これは有名な話で、to seaと無冠詞だと「船乗りになる」ということです。ロイヤル英文法にもこんな感じで例文が載ってます。to seaではないですが。seaは慣用句として、be at seaで「乗船している、水夫である」と同じページに載っています。

・本来の目的・機能を表す場合
You have to go to college for four years.(勉強する場所としての大学)
We walked as far as the college.(場所としての大学)
*カッコの中の説明は井上付け足しです。

ロイヤル英文法 p. 165

コリンズgo to sea(in British English)to become a sailorの意味だと書いてます。ビートルズの出身地のリバプールが港町だから、それとひっかけてのことですね。

もう一つの倒置ですが、In the town where I was born lived a man who sailed to seaという歌詞は本来は、A man who sailed to sea(主語)lived(動詞)in the town where I was born.という語順だと言うことです。なぜかというと、英語に限らず言語は文頭で旧情報を表し、文末で新情報を表すので、新情報を表すことの多いaは文頭に来にくいからです。フランス語の話になってしまいますが、主語位置に入るのは9割ぐらい代名詞や定冠詞だと聞いたことがあります。

ここもロイヤル英文法の説明がいい感じです。文の形もYellow Submarineに似てるし、次の文章がAnd he told us of his life in the land of submarinesと下記の解説と親和性高いですね。なぜなら、heのような代名詞もtheのような定冠詞も両方とも旧情報を表すので。

・不定詞の一般用法
(2)初めて話題に登る名詞を導入する
Long, long ago, there lived a fisherman in a small village. 
*二度目から後に登場する時はtheがつくことになる。

ロイヤル英文法 p. 144

まあ、当然こんなこと考えて歌聞いてたわけじゃないし、別に勉強しててすぐわかったわけじゃないけど、やってると「なるほど」と思うことが多くて、それで勉強してたらできるようになったので、そんな話をしてもいいかなと思って。

では!

井上大輔

追伸
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高度な外国語力を身につけたい人、テストで結果を出したい人に向けて役立つ情報をつぶやき中。TOEIC980点。早稲田英文→早稲田仏文修士→上智外国語学部修士→上智大学博士課程在学中。英語・仏語・西語・伊語の参考書&翻訳書も出版。著書一覧→http://amzn.to/jzUDtr