水の香り
《オフィーリア》ジョン・エヴァレット・ミレイ
美術の教科書で初めてこの絵をみたときは衝撃を受けた。
絵にしてはあまりにリアル過ぎて、でも絶対に写真ではないという不思議な感覚。当時中学生だった私は何を題材にしているかはわからなかったのだが「この人はなぜ歌いながら死んでいくのだろう」と思ったのを覚えている。
美しさの中にある死の匂いと冷たさ。
彼女が流されていく川のせせらぎ、土と草がまざりあった湿った空気の香りと温度さえも伝わってくるのだ。
この作品で画家ミレイが描いているのは『ハムレット』の一場面。恋人に父親を殺されたオフィーリアが精神を病み川に身を投げて溺れるという悲劇のシーン。オフィーリアが持つ花にはそれぞれ象徴的な意味があり、ミレイは植物学的な正確さでそれぞれの花を描いているという。
この《オフィーリア》は私にとって「リアルに体感できた」初めての絵画かもしれない。流されていく水の匂い、口ずさむ小さなメロディ、そして背中の冷たさまでを感じさせてくれる絵画には、その後出会えていない。
「オフィーリア」精油ブレンド
ユーカリラディアタ:2 drops
ペパーミント:1 drop
ローズ:1 drop
フランキンセンス:1 drops
マジョラム:2 drops
サイプレス:1 drop
パチュリ:1 drop
ヤロウ:1 drop
※精油を使う前にこちらをご確認ください。
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