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「相手は男なんだけどさ」に傷つく人と救われる人がいる事について

こんばんはTです。

僕はゲイなんですが、
セクシャルマイノリティ(LGBT…)が日に日に社会に馴染んできているとはいえ、どこか皆他人事なのが実態です。


例えば男性の同僚が、
「毎週金曜の夜に1時間くらい電話する友達がいるんだよね」
と言った後に
「まあ、相手は男なんだけどさ」
と付け加えると、どこかホッとしたり、小さな笑いが起きたり、、、
というような経験ありませんか?


先日僕もそのシーンに遭遇したのですが
「相手は男」を意訳すると
「その人は彼女じゃないし、なんなら男だから勿論好意があるわけでもないよ。」
だと思っていて
後から色々聞かれたり勘違いされないようにっていう保険で言ってるんだと思うけど

それって、
“ゲイ(色々多すぎるのでとりあえずゲイで例えるけど)っていう人種が存在してる事は理解してるんだけど、この場とか自分の周りにはいない”
という共通の認識があるから保険になるんじゃないかってその時ふと思ったんですね


しかし、
そうやって保険をかけた人の隣には、僕=ゲイ が座っていて上で書いたような事を思っているわけです。
そうなんです。意外と近くにいるんですよ当事者って。

僕としては「ゲイってまだまだ社会に受け入れられてないんだよ」って目の前で言われてるようなもんなので、苦しい現実を突きつけられてるわけです。その人は軽々しく口にするけどね。



一方で、そのような現実や言い回しを僕も利用したりします。



ゲイが受け入れられてない社会ではゲイ当事者の僕は自分がゲイだと誰でも彼でもに晒し回すわけにはいかないし、「相手は男だよ?恋愛なんてあるわけないじゃん」が通用しちゃう世界なんです。


たとえば、実際やったことあるのは、
僕は高校生の時、Kくんっていう男の子に片想いをしてて、仲も良かったからイチャイチャしてたし、物理的な距離感も近かったから周りから「付き合ってるの?」って聞かれる事も多々あったんだけど、
そういう時は「え?相手男だよ?」って言ったりすると、「そうだよな。有り得ないよな」となるので、疑いが晴れるわけではないと思うけど、それ以上突っ込まれることもなく逃げ果せられるんです。



Kくんとの詳細はここから



しかも、
「相手は男」で止めて「有り得ないよ」までは言わないのには理由があって、
「え?相手男だよ?」だけだと、相手はその言葉(実はまだ言ってない「有り得ないよ」まで)を受け入れやすいし、反論もしやすいんです。尚且つ、こちらとしてもその後のフォローがしやすいんです。

相手が「そりゃ、そうか。無いよなー」と来たら「そうそう。有り得ないよ!」って付け加えれば良いし、「男だから何?」「男同士の恋愛は無いってか?」みたいに反論というか若干キレてるくらいできても「いやいや、男同士だし、普通に仲良いだけじゃん」って言えば、苦し紛れではあるけどゲイという事を隠しながらその場を凌ぐことはできます。
そして、反論してくる人は極稀です。


そんな感じで、ゲイ(他もあるけど)当事者は未だ自分らが受け入れられていない社会で苦しい思いをするシーンは確かにあるけど、その社会のお陰で体裁を保てている部分も確かにあって、相当複雑な気持ちです。

当事者以外(セクシャルマジョリティ?)の方には今後も、当事者は隣にいるかもしれないという可能性を捨てずに当事者がこの場にいるわけないという行動を心掛けてほしいですね笑
半分冗談です笑



ゲイの生きにくい社会に生かされているゲイ達に乾杯。

おしまい
最後まで読んでくれてありがとう

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