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バターチキンと向き合い己の小ささを知る。

俗に言うバターチキンカレーというやつです。

バターチキンカレー、、なぜかとても人気がありますよね。
名前がキャッチーだから頼みやすい、芸能人も美味しいって言ってる、辛くないから子供も食べれる、などなど、ちょっと思いつくだけでもいろんな理由があると思います。

一方、インド大好きな人の中には、ちょっと複雑な感情があるのもまた確か。。
いや、ぼくのことですが。。

「バターチキンが大好きです!」と素直に言うのを聞くにつれ、ああ、他にもたくさん美味しい、おもしろいインド料理があるのに!と思い
南インド料理の店なのにメニューにバターチキンを見つけると「ああ、商売のために仕方ないんだな…」っていちいち思うのです。

そして、たまに食べる機会があって食べてみると「なんじゃこりゃー!甘い!甘すぎる!ジャムパンのジャムかと思った!」ってまた後悔する…

そんなこんなで、バターチキンのことを目の敵にしていたのですが、ちょっと考えれば、これほど世界中に広まり老若男女に愛されているインターナショナルなインド料理もなかなかない。そしてどこでも「本格志向」な人たちからは軽蔑といっていいような目を向けられている…

そもそも「本格」とは「本格じゃない」とは、そんなものは存在するのか!?
なんだか自分が勝手にバターチキンを意識していたのか!?と、自分がとても小さい人間のように感じ始めました。

なんならちょっとバターチキンとちゃんと向き合ってやろうじゃないの!
そういえば、いままでに食べた中で、うまいバターチキンもあったんじゃないか?
いや、そんなに食べてないけど!

ちなみにバターチキンはインド・パキスタンの分離独立時にパキスタン側から逃れてきたパンジャーブ人のクンダン・ラール氏がオールドデリーのモーティーマハルというレストランで発明した!と、言われています。
モーティーマハルはタンドーリーチキン発祥の店としても有名で、このバターチキンの売れ残りがバッサバサになっちゃったのをトマトとバターのグレーヴィーで煮たら美味しかった!というのがバターチキンだ!ということらしいです。

だけど、実は元々肉をタンドールで焼く人々がパンジャーブの一部にいた。それをクンダン・ラール氏が美味しく作って大ヒットした。そして、売れ残ったタンドーリーチキンを英国発祥のトマトクリームスープで煮込み、英語名の折衷料理「バターチキン」が生まれたという筋があるらしいです。
*「食から描くインド」春秋社 より


ということでタンドーリーチキンを使う料理ですが、タンドール窯がないので、マリネした鶏肉を焼いてからトマトのソースで煮ます。
なので、もしテイクアウトしてきたタンドーリーチキンを食べ忘れてしまったときは、硬くなってしまったときなんかは、それで作ることもできます!

ちゃんと作ると変に甘くない、おいしいのができるんですよね!
ちょっとぼやきながら作っていますが、めっちゃくちゃうまくできました。

バターチキンマサーラー(4人分くらい)

・材料
鶏もも肉400g(皮をとって一口大に切る)
タマネギ一個(1/4に切ってスライス)
トマト缶 150gくらい
カシューナッツ 半カップ
塩 適量
油 大さじ4
バター 30g

・マリネ用
ターメリックパウダー こさじ1/2
チリパウダー こさじ1/4
ガラムマサーラー(カルダモン、シナモン(カシア)、ベイリーブ(カシアリーフ、テージパッター)、メティを粉にしたもの)こさじ1
塩 こさじ2
ヨーグルト おおさじ2
ジンジャーガーリックペースト(にんにく、しょうがをすり下ろして同量の水を加えたもの。)おおさじ1
レモン汁 おおさじ1

作り方
1:鶏肉をマリネ用の材料と混ぜて30分以上寝かせておく
2:フライパンに油おおさじ1を引いて中火にかけ、1を焼く。
3:鶏肉に火が通ったら火を止めておく。
4:別の鍋に油おおさじ2とバター30gを入れて強火にし、タマネギを炒める。
5:タマネギが茶色くなったらカシューナッツを加えて1分くらい炒める。
6:火を止めて、冷ましたらトマトといっしょにミキサーにかけて滑らかなペーストにする。
7:6のペーストを鍋に戻し、焼いた鶏肉とよく混ぜながら一煮立ちさせ、味を見て塩を調整して出来上がり。

*ごはんもいいですが、ローティーやナーンなどにとても良く合います。マリネした鶏肉をオーブンで焼くのもいいです。


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