拝啓、 沙月愛奈様

拝啓、沙月愛奈 様

お元気ですか。少し落ち着いてきた頃でしょうか。私はあなたのファンです。ファンでした、し、これから先もずっとあなたのファンです。ずっとあなたのファンでありたいと思っています。

あなたのことを好きになったきっかけは、本当にちょっとした事からでした。ただ、綺麗な人だなって思ったんです。それから雪組の舞台を観る度にあなたの事をずっと観てきました。あなたが出てる場面ではあなたの事しか観てませんでした。最初に、あ、いい目だなと思いました。目に力があり、目に意思があり、目の動きでも踊っている。踊りながら、目でお芝居をしている人なんだって思いました。もともと瞳が大きくて印象的な人なので、自分の活かし方を知っているんだなって思ったし、私が好きになった時にはもう上級生でしたので、さすがお姉様と言われるだけあるなって思いました。

その次に素敵だなって思ったのが、指先まで、というよりも指の先にある爪の先端まで気持ちを行き渡らせて踊るところでした。屈指のダンサーですので、身体の使い方の気持ち良さは言わずもがな、ですが、伸ばした手の指の先の先まで、これもまた目と同じように気持ちが乗ってる…！と驚いたんです。踊れる身体があるからこその、私はさらにその先へ行くんだっていう気持ちも感じました。身体を音に乗せて動かすだけじゃなくて、フリをかっこよく踊るだけじゃなくて、さらにその先に行っている。今風にいうとレベチってやつなんだと思いました。一瞬も変な瞬間がないから、オペラグラスで覗いてる間、ずーーーっと「綺麗だな」「かっこいいな」って思うんです。そこにさらに目のお芝居が入ってくるんです。そんなに印象的な目をお持ちなのに、ウインク飛ばしたりとかは滅多にしない。そこがまたかっこいいんです。滅多にしないからこそ、うわ！今ウインクした！？ってなるのもまた素敵で。私は熱心なファンなので、同じ公演を何回も何回も観るわけですが、毎日毎回同じクオリティで舞台に立ってて、ご本人比の調子の良し悪しはあるでしょうが観てる側にはわからないんです。毎日、今日も元気だった！よかった！と思いながら私は劇場を後にしていました。

最近では踊りまくる場面でも、胸元にピンマイクがあったりして、きっと歌のレッスンやお稽古を頑張っていて、それが報われているんだろうなと思うととても嬉しかったです。

ファンになって、お話する機会とかがあって、人柄を知れば知るほど好きになりました。まっすぐで、素直で、お姉様って思われてるけど私からするとそんなこともなくて、伝えたいことはちゃんと言葉で伝えてくださって嬉しかったです。コロナが流行する世の中になって、そういった機会が全く無くなったまま先日卒業されてしまい、もっと話してみたかったなとか、話を聞いていたかったなとか、もちろん思います。コロナ憎いぜ…って思います。でも卒業公演が宝塚も東京も私たち観客と共に無事に完走できたっていうのが一番嬉しいです。組長さんだったミトさんが専科へ異動になり、ニワさんが組長に繰り上がって、副組長がヒメさんきゃびさん、そしてあなたをすっ飛ばしてのんちゃんになった時点でこれはいつ卒業でも自分が悔いないように応援して行くだけだって覚悟を決めていたので、全国ツアーにあちこちたくさん行ってみたり、出来るだけ手紙もちゃんと書こうと思ったり、思い出もたくさん出来て私は幸せなファンでした。幸せなファンでいれたのも、あなたが毎日元気でいてくれたからです。舞台の上で決して妥協しない、出てきた瞬間から捌けて見えなくなるまでいつだって気を抜かず全力で演じていてくれたからです。ダンサーだからショーやダンスの印象が強いけど、芝居の中のあなたの感情いっぱいの演技に心動かされて涙が出ることもたくさんありました。かっこよく、美しく、綺麗で、とんでもない色気があって、それでいてとってもかわいいあなたのファンでいれて、無事に卒業を見送ることが出来て私は本当に幸せなファンでした。そしてあなたが卒業した日の夜、私と同じようなあなたのファンの方々と「またいつかどこかで会いましょうね。」と挨拶をして解散しました。他のファンの方の気持ちはわからないけれど、私はすごく前向きな感情で卒業の日を終えることが出来ました。それもあなたがくれた贈り物だと思っています。

なんだか長々と書いてしまいましたが、私はこれからも変わらずにあなたのファンです。またいつか会えるのか、もう会えないか、先のことはわからないけど、ずっとあなたのファンです。ずっと元気なファンで居れるように健康な自分でありたいなと思うし、怪我や病気で苦しむことがないよう、どうか健康でいてください。あなたがお財布無くしたり、スマホを壊してしまったり、雨に濡れたりという悲しい出来事にも見舞われないといいなと思っています。笑顔で過ごせる時間が少しでも長くあればいいなと願っています。

改めまして、ご卒業おめでとうございました。最後まで素敵な姿を見せてくださり、本当にありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　敬具