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本気になる前に読んで欲しい 移住・新規就農

まず簡単にまとめます。

普段の私たちは物事を選ぶ側にいることが多い。選ぶ側にいるとき、私たちは相手に対して強い立場にいるので、相手に妥協することはほとんどない。

しかし、私たちは時として選ばれる立場になることがある。受験、就職、転職などがそうだ。
選ばれる側に立った時、私たちの相手より弱い立場になる。選ばれない不安な状態から解放されたいから妥協する。視野が狭くなる。
そう、本気になるまでに準備する必要がある。

では、解説に入ります。



だいたいの新規就農は転職に似ている

新規で就農するほとんどの人は、行政が提供する給付制度を利用することになる。
もちろん年齢制限があるため、こういった制度を利用しない就農方法もあるが、利用しないにしても最近では行政主導の新規就農研修施設も多くあるので、何かしらの形で行政に関わって就農するケースが多いはずだ。

農家はあくまで自営業だが、こういった制度や施設を利用して新規就農する場合はちょっとした就職活動になってくる。予算や定員に枠があるので、そこに選ばれる必要が出てくるわけだ。

自身の就職活動を思い出してもらってもわかるように、採用が決まるまでこちらの立場は弱い。気を悪くされるようなことは聞きづらくなるし、面倒な人間と思われたくはない。
どうしても相手に媚びてしまう。


これは人生を賭けた選択です

移住や新規就農ではなく、何か別の人生の転機でも同じことが言える。
選ばれる必要のある弱い立場だとかいう前に、これは人生を賭けた選択なのである。
致命的な失敗は避けなければならない。

ほとんどの就農は経営が独立した自営業になることを指している。
農業は情報産業ではないので、独立には土地、機械、施設など様々な資材が必要で多額の初期投資を行う。

行政の支援(補助)を受けて初期投資を減らすことはもちろんできる。
新規就農時の収入を給付制度で補うこともできる。
しかし、このような制度は基本的に将来の行動に条件を付けてくる。
農業を一定期間続けること、補助を受ける作物を一定期間作り続けること、市町村に一定期間住み続けることなどである。

むろん、望んではいる世界の話だから、悪い条件でもない。
何事もなければ条件を満たすのに苦労はない。そう、想定外のことが起こらなければ、特に問題はないのである。

想定外を減らすには、事前の想定を増やして許容できるか判断したり、対策を検討したりする必要がある。後悔しないためにはこういった事前準備が必要不可欠になる。
十分な準備など不可能かもしれない。
でも、よりよくすることはできる。


本気になる前だから自分のペースで進められる

妥協しないためには、選ぶ側の立場のうちに調べごとを済ませたほうがよい。いつまでに就農するとか、先に仕事を辞めるとか、自分を追い込むことは後回しにすべきだ。
追い込まれると不安が先立って、安心したくなるのが人間というもの。必然的に妥協してしまう。

気楽に自分の強い立場を維持して、でもじっくりと移住や新規就農について考えてみた方がいい。本気になるとおおよそ生計のことが気になって、栽培や労働内容、売上予測、生活費などを気にするようになる。
実際には、もっと幅広い知識があったほうがいいはずだ。
まずは自分の生計のことよりも、相手のことを知るべきだ。業界をもっと広くとらえることができれば、自分との相性も見えてくる。

まずは思い違いを無くそう。
ほとんどの離脱者は、自分の思い描く農業と、行った先で研修から見える農業の現実のギャップが原因になっている。

あなたの思い描く農業がこの世界にないわけではない。
あなたが選んだ先になかっただけだ。
まずは広く世界を見て、ある場所を確認しよう。本気になるのはその後でいい。

というわけで、私の他の記事も読んでもらえると嬉しい。
きっと参考になる。

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