3月(春)の季語「卒業」(季節を味わう#0049)
世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。
【卒業】
3月(春)の季語です。
日本では小学校から大学まで、卒業式の多くは年度末の3月に行われます。
卒業は別れでもありますが、次のステップに踏み出すことでもあります。別れの寂しさや新たな世界へ一歩踏み出す不安がある一方で、新たなステージへの希望や夢が混じり合った、さまざまな感慨をもたらす季語です。
ゆく雲の遠きはひかり卒業す 古賀まり子
空をゆく雲は留まることがありません。風に吹かれて飛び去っていく。
それはそれぞれの未来に向かっていく卒業生と同じかもしれません。
ですが、流れゆく雲の向こう、遠くに陽の光が見えるように、卒業生たちの未来も明るくあれ、といった作者の優しさを感じる句です。
(2024年3月13日)
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