「バカの壁」から考える、アウトプットを最大化するために大事な姿勢とは
おはようございます。関東気持ちの良い朝です。
今朝の聴く読書は、養老孟先生の「バカの壁」。
出版されたのはかなり前なので今更感ありますが(汗)
この年になって初めて目を通しています。
今はまだ本の最初の方なんですが、聞きながら考えたことをアウトプットしたいと思います。
印象に残ったのは薬学部で 起きたエピソードについてでした。
薬学部は、女子学生が6割、男子学生が4割位の比率で女子が多い分野と言う特徴があるそうです。
授業の一環で出産のシーンについての動画を見て学習するという場面があったようで、視聴後に 学生さん達に感想を聞いたそうです。
「どのような感想を持ったか」と言う質問に対して、女子学生と男子学生の それの回答に違った特徴が現れると言うことでした。
どんな回答か?と言うと、女子学生の感想は「勉強になった」という感想、それに対して男子学生は「既に知っている」といった感想が出てくるとのこと。
これは一体どういうことなのか?ということを養老先生は本の中で掘り下げているんですが、「目の前で同じものを見ているのに、それぞれの背景によって見え方や考えや行動が変わる」と言うことを説明するためのエピソードでした。つまり、同じインプットに対して、人によってアウトプットが全く変わってしまうと言う事。
女子学生に関しては、いずれ出産のシーンは自分に訪れることかもしれないこととしてその動画を受け止めるので、様々なディティールまで 目に映り、出産のリアリティーだったり、教科書的な知識の周辺にある、もしくはそれ以上の細かなものをそこから学びとっているのに対して、
男子学生は、ただ単に自分が持っている知識と同じことが動画になっていと言うだけ。見たものが、ただの「単なる知識」として 受け取っている。
養老先生は、 このエピソードからその違いを観察していました。
つまりインプットとアウトプットの関係性です。
インプットとは、何かものを見るなり聞くなり体験するなどして、自分の体に入ってくるもの。そして、アウトプットとは運動です。運動というのは、単にスポーツをするというものではなくて、手を動かすこと、音楽を聞くこと、話すこと、考えることを言います。
例えば道路にアリが歩いていたら、養老先生は気にするけれども全く気にとめない人もいる。といったように、「同じものが見えていても、それぞれが受け取るものが違う」と。
つまり、同じインプットを受けていても、人によってアウトプットが違うと言う話をされていて、目の前に起きる現象は誰にとっても同じなんだけれども、その受け止め方によって人それぞれの考えや行動の結果があると言う話でした。
おもしろいのはこのことを数学的な観点から説明してくれていて、
という関係性で説明ができると。例えば、
Xというインプットにaという変数で何かがかかってきて、Yという自分のアウトプットになる。係数のaは、インプットXに対して人それぞれで違っていて、マイナスにも0にもプラスにも無限大にもなってしまうという話だったんですね。
薬学部の生徒さん達の話で言うと、女子学生は出産ということがある意味自分事であることによって、この係数aが何かしらプラスの作用として働き、出てくる感想(アウトプット)がより細かいディティールや様々な深い学びを得ることにつながっているのに対し、
男子学生は、aが0であると。
出産というものは自分に関係することではないし、教科書で学んだ知識が単に動画になっているだけという意識で受け止めるから、「教科書で習ったことと同じ」と言う感想になってしまう。そういった話で説明をしてくれていました。
つまり、「aをどう捉えるか」「aの幅を自分の中にどう作っていくか」ってことで、自分のアウトプットの深みや質が変わってしまうってことなんですよね。
これ、人生の真理を説明してくれてる話だと思ったんです。
自分の狭い認知の範囲だけで物事を捉えていると、aがマイナスになってしまったり、ゼロになってしまったりして、アウトプットを最大化することができないってことになるわけです。
そういった意味で、 人生においては視点を多く持つことや自分以外の様々なものや現象を知る必要があるんだなとひしひしと感じたエピソードでした。
自分の人生の中で、この「変数部分」の幅をどのくらい広げていけるかっていうのが人として成熟していく過程では絶対的に必要で、自分をより高い位置に引き上げてくれるものになるんだなと改めて思った今朝の耳読書でした。
また別のエピソードで、外国の知人と話をしているとに、「日本にはコモンセンス(常識)を雑学だと思っている人が多すぎる」と言う指摘を受けて、まさにその通りだと思ったと言うことが書かれていました。
このコモンセンス(常識)というものに対しては、最近私も色々と思いをめぐらし考えていたところだったので、 外国の方のセリフは私自身にも強く印象に残りました。
知識を知っていることは世の中を知っていることではないことを肝に銘じて謙虚に生きていきたいですね。
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