見出し画像

クックパッドやカカクコムを育てた天才社長が生んだ、スーパーのチラシ「トクバイ」の儲かり力すごい! 【新連載☆『シバタナオキの決算実況』とコラボ】

会社が株を上場する――。それは、その会社が“がっちり成長”している証拠!

ということで、『がっちりマンデー!!』の番組では毎年1回、その年に上場した会社、儲かっている上場企業を取り上げる企画があります。前代未聞ともいえるwithコロナの今年も、そんななかでがんばっているカクヤスさん、コパ・コーポレーションさん、松屋R&Dを紹介したばかり。
(▼)7月12日の放送を見逃した方はコチラ!

一方で、30分という番組放送時間から、あの企業、この企業も取り上げたいけど断念……。そう制作チームが悔しい思いをすることはしばしば。今回は特に「取り上げ切れなかった1社がある!」とオーマツチーフディレククターが前のめりに注目する企業が。

チラシ・買い物情報サイト『トクバイ』を運営するロコガイドです。

「ロコガイドについて詳しく知りたい!」と相談した先は、noteで連載中の『決算が読めるようになるノート』や、YouTubeチャンネル『シバタナオキの決算実況』のシバタナオキさん。

シバタさんはスタートアップ(AppGrooves / SearchMan)を経営するかたわら、アメリカ・日本の上場企業を決算情報から分析。ネット系企業に強く、ロジカルでわかりやすい解説やその独自ノウハウが大人気の方です。

今回、『シバタナオキの決算実況』と『がっちりマンデー!!』のコラボ企画という新シリーズとしても実現しました! 

 新シリーズでは、注目の上場企業1社がテーマ。オーマツチーフDと『シバタナオキの決算実況』のMCである三浦茜さんの2人があれこれ質問していきます。

今回取り上げたロコガイドのビジネスモデルは、「マーケットプレイス型です」と、さらりとわかりやすく整理してくれるシバタさん。ライバル企業はあの大手グループというご指摘には膝を打つ人も多いはず……!


「この会社はすごく伸びるだろう!」とシバタさん

画像15

MC三浦茜さん(以下、敬称略)
今日は、チラシ買い物情報サービスを運営するロコガイドについて、シバタさんと一緒に読み解いていきたいと思います。今日は、TBSの経済情報番組『がっちりマンデー!!』とのコラボということで、番組チーフディレクターの大松さんに参加していただいています。今日は大松さんとMCの三浦で、シバタさんに質問をしていく形式で進めたいと思います。

シバタナオキさん(以下、敬称略)
はじめてのコラボレーションが何と「がっちりマンデー!!」さんということで、普段は緊張しませんが、今日は若干緊張していますが、多少のどもりなどあっても許してください(笑)。

MC三浦
今日のロコガイドは、大松さんのセレクションなのですが、なぜロコガイドを選ばれたのですか?

大松雅和(以下、オーマツ)
がっちりマンデー!!ので毎年1回、今年上場した会社、儲かっている上場会社を取り上げるという企画があるのですが、本当は取り上げたかったけれども取り上げ切れなかった会社が1社ありました。それがロコガイドです。

そのような背景もあり、ロコガイドについてぜひ詳しく知りたいと思い、シバタさんにお願いさせて頂きました。

シバタナオキ
いいですね。多分この会社はすごく伸びると思うので、もしかしたら本当に取り上げられなかったことをいろんな意味で後悔されるかもしれませんよ。

オーマツ
それは気になりますね。よろしくお願いします。

「成長可能性に関する説明資料」と決算報告書の違いって?

画像1

成長可能性に関する説明資料(▼)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4497/tdnet/1851799/00.pdf

MC三浦
6月24日に東証マザーズに上場した直後ということで、決算資料がまだ出ていないため、今回は「成長可能性に関する説明資料」というものを読んでいきます。この資料は、上場時に出すものなのですか?

シバタナオキ
そうですね、上場承認時に出すのが目論見書、上場する日に出すのがこの「成長可能性に関する説明資料」です。おそらくこの資料は、一般に公開する前に上場前に機関投資家を回ると思います。その時に使っている資料だと思います。

一般の投資家には、上場する日に初めて公開するんですけどね。

オーマツ
普通の決算報告書とは違うのですか?

シバタナオキ
決算報告書と似ているのですが、もう少しビジネスモデルなどがわかりやすく説明されており、いろんな方にとって読みやすいのはこの成長可能性に関する説明資料だと思います。

ビジネスモデルや市場規模など、決算報告書よりももう少し勉強になる話が多く入っているのがこちらの資料ですね。


ロコガイドのメインビジネス「トクバイ」の収益構造は?

オーマツ
そもそもなのですが、ロコガイドはどのようなビジネスで儲けている会社と言えるのでしょうか?

シバタナオキ
そうですね、まずはビジネスの前にサービスの話をした方が良いと思います。資料の7ぺージ目を見ると、メインでやっているサービスはこの「トクバイ」というサービスです。

画像2

いわゆるチラシをスキャンして集めたようなアプリです。これがサービスですね。次に「どういうビジネスか」と言うと8ぺージ目に解説されています。

画像3

ビジネスとしては非常にシンプルで、真ん中にトクバイというアプリがあり、右側に生活者というユーザー、左側にチラシを発行したい小売店やメーカーがおり、この左側の人たちからお金をもらうというビジネスですね。

オーマツ
ユーザーはタダで見られるということですか?

シバタナオキ
そうですね、ユーザーはタダで見られます。新聞に入ってくるチラシど同じことです。あれはお店の人はお金を払ったチラシを新聞に入れてもらっているわけですよね。チラシを受け取る人はチラシ1枚1枚に対してお金を払っているわけではないので、それと同じモデルですね。

小売店側が月に5000円を払って、チラシを載せてもらっているというわけですね。

オーマツ
月に5000円! 結構安いんですかね、これは。

シバタナオキ
最初この値段で始めて、そのままになっているのだと思います。後半でも出てきますが、これは全然もっと値上げしてもいいと思いますし、これから値上げしていくはずです。

オーマツ
このサービスにおいて、他のお金儲けのポイントってあるんですか?基本は小売店からのお金になるのでしょうか?

シバタナオキ
小売店からのお金だけではなくて、その下にありますが、メーカー等から広告費をもらい、広告を掲載する場合もありますね。

画像4

多くの場合、メーカーが直販はしておらず、メーカーが物を作ってそれが小売店に流れて小売店が売るというモデルになっていると思いますが、実際に売るところに関しては小売店からの広告を月5,000円でチラシに載せてもらっています。

それとはまた別に、例えばメーカーが新製品を出してそれをプロモーションしたいといった時に、直接広告費をもらうというビジネスもあるわけです。

オーマツ
すごくシンプルなビジネスモデル
ですよね。ほかにやっているところはなかったのでしょうか?

シバタナオキ
そうですね、このドメインではあまり大きいところはありませんが、カカクコムなどに似ているモデルかなと思いますね。


ロコガイドは「マーケットプレイス型」。ユーザーは月間で1100万人まで拡大

オーマツ
この会社の説明資料を見て気になる所、興味深い所はどのようなところですか?

シバタナオキ
この会社のビジネスモデルは「マーケットプレイス型」のビジネスモデル
です。生活者の視点で見れば、より多くのチラシが掲載されているアプリが魅力的ですし、小売店から見れば多くの生活者が利用している方が魅力的です。

小売店側では、例えば大松さんがお店をやっていらっしゃるとして、このアプリにユーザーが100人しかいなかったらチラシを出そうと思わないはずです。ただ、100万人いたらチラシを出したくなりますよね。



ここから先は、有料コンテンツになります。このnoteを500円、あるいは、月額950円の有料マガジン『がっちりスクール!!マガジン』をご購入いただくか、月額1500円のコミュニティ『がっちりマンデー!!クラブ』にご参加ください!
(▼)詳しくはコチラ!

(▼)ここからの有料コンテンツの内容
☑ 生活者と小売店の両方を増やしていくことが重要
☑マーケットプレイス型の強みは◎◎のしやすさ?
☑ 競合となりうるのはあの日本代表企業
☑ 扱えない&さらに詳しくウェブで
☑ 新聞チラシではなく「トクバイだけ」となれば……
☑大手メディアによる参入はリスクになる?
☑ロコガイド社長は「トラックレコード保持者」
など

編集協力/コルクラボギルド(平山ゆりの、デザイン・ペー)

===

ここから先は

5,869字 / 11画像

¥ 500