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第二言語習得に向けて

こんにちは、gacchiです。
今日は、「第二言語を習得するには、どのように勉強していけばいいのか」ということについて、ドイツで2か月過ごして感じたことをまとめてみたいと思います。

ここでいう「習得」というのは4技能(読む、聞く、話す、書く)のどれかに偏った状態ではなく、どのレベルも高水準であり、CEFRでいうC1程度のレベルを意味しています。
そして、第二言語はドイツ語に限らず、英語やほかの言語など母語ではない言語のことを意味しています。(ただ、今回はドイツ語を例に話を進めていきます。)

僕はドイツに来る前、そしてドイツに来てからも、
「第二言語ってどうしたら効率的に習得できるんだろうか?」
という疑問を抱いていました。
(これは多くの人も同じようなことを思っていると思います。)

僕は大学に入って、1回生の頃はほとんどドイツ語の文法や発音に関する授業を受けていました。ネイティブの先生の授業もありましたが、完全初学者だったのでその授業は英語で説明され、発表はドイツ語という形でした。
その後、2回生、3回生と進むにつれて授業の中でドイツ語を聞いたり、話したりする機会は多くなりましたが、やはりテクストを読んで訳をするという形態の授業が多く、従来の英語学習とあまり変わらないような状態でした。
その結果、文法や読むことに関して自信があるものの、日常生活の中で「コミュニケーションツール」としては使えない、という状態になりました。

一方ドイツに来ているヨーロッパの学生は、来た当初からドイツ語を流ちょうに話し、先生の速いドイツ語もしっかりと聞き取れていました。話を聞くと、留学に来る前に授業でよくディスカッションをしたり、友達同士の会話でドイツ語を使っていたそうです。
ただ、その分授業形態がアウトプット重視になっているので文法に関しては日本人の方がよくできていて、なぜそれだけ話せるのにそんな簡単な文法を間違えるんだというような学生も多くいました。

日常生活の中でコミュニケーションをするという観点のみで話すと、
ヨーロッパのようなどんどん話して練習する、というやり方が
最も効果的だと思いますが、「第二言語習得」という観点でみると、
もう少し違ったアプローチをとっていく必要があるのかなと考えています。

そこで、ドイツに来てからKindleで「外国語学習の科学:第二言語習得論とは何か」という本を買って読んでみることにしました。(Kindleのタブレットを日本から持ってきてました)
そこで発見したことを少し共有します。

・人は母語を基盤として、第二言語習得を試みている。
・外国語能力が不十分な人は、母語に頼って、その母語の文法に適当に第二言語の語彙をくっつけて変な言葉になることがある。適切な表現が出てこないときは、どうしても母語の直訳に頼ってしまう。
・インプット仮説:言語習得は、母語も外国語も言語内容を理解することによってのみ起こる。

これを読んで、言語習得において大切なことは、
「母語に頼らずに第二言語を習得できるようになること」だと思いました。
つまり、日本語とドイツ語を対応付けて勉強を進めるのではなく、
ドイツ語だけで物事を考え、理解し、発話できる状態にまで持ってくる必要があるということです。

ここから、4技能をどのように伸ばしていけばいいか自分なりの考えを説明したいと思います。
「母語に頼らない」ための第一ステップとして、上で書いた「インプット仮説」が大切ではないかと考えています。
読み聞きの練習をしていく中で、まずは単語の使われ方や熟語、文法を理解します。この時に重要なのが、母語に頼らないために、日本語と1対1対応させるのではなく、コンテクストや熟語の使い方の中で意味を理解することだと思っています。

例えば、ドイツ語には「驚く」という単語は
überraschen, erstaunen, erschrecken, wundern, verwundern
などで翻訳されますが、すべてが全く同じというわけではありません。
つまり、日本語に頼るとどう使い分けていいかわからなくなるので、コンテクストの中で意味を理解していくことが大切だと思います。

しかしただインプットすればいいというわけではなく、アウトプットも大切だと思っています。学んだことを実際に使っていかないと、定着につながらないし、アウトプットの中で新しい発見がたくさんあるからです。
そこで並行しながら、インプットで身に着けたものを中心に話したり、文章を書いたりしていきます。
アウトプットの中で大切だと思うことは、「分からなかったらすぐに説明してもらい、正しい知識を身に着けること」「ネイティブの真似をすること」だと思っています。アウトプットの中にもインプットできることはたくさんあるので、それをまたアウトプットにつなげることが一番上達する近道ではないかなと今のところ考えています。

まとめると、
・インプット(読み聞き)では、母語に頼らないために、熟語や単語をコンテクストの中で理解していく。そしてそれらを例文暗記する。
・インプットと並行してアウトプットも行う。インプットで身に着けたことを中心に使っていき、その中でわからないことはすぐに聞き、ネイティブの真似を積極的にする。そうすることで正しい知識を獲得していく。

このように、日本式・ヨーロッパ式の言語学習のどちらかに偏るのではなく、バランスよく4技能を進めていくことが一番の近道になるのではないかなと考えています。
これからこのように勉強を進めてみようとおもっていますが、もし違うなと思ったり、他により良いやり方があればどんどん修正していこうと思っています。

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