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酒が飲めない奴vs飲み会

読者の皆さん、お酒は好きですか。

お酒と聞いただけで胸が躍る人がたくさんいる。居酒屋に入れば、平日だろうが休日だろうが関係なくどんちゃんしている団体が必ずいるよね。大学に入っていざお酒が飲める年齢になると、改めて世間はお酒が大好きなのだなあと実感した。日本人は体質的に欧米人に比べて平均してお酒に弱い傾向があるらしいが、嘘なんじゃね?って思い始めた。

僕はお酒が飲めない。アレルギーではないので一応体には入るが、アルコールを分解する酵素が足りていないらしいのですぐ頭が痛くなって吐き気を催すし、「うひょおおお楽しいなー気持ちいいなー」となったことは一度もない。そもそも飲む機会が少ないからたまたまメリットを感じたことがないのかもしれないけれども、それにしても毎回同じ罰を受けている。身分上食事会=飲み会となることが多いので、結構な頻度で罰を食らっているイメージだ。


突然だが、飲み会に僕がいる姿を想像してみて欲しい。回想スタート。

みんなワイワイ楽しそうだなー、それでは僕はこのオレンジジュースを、おっと、A君がベロベロになって僕に酒を注いでくるぞ!飲むのは嫌だからコップを置いて、え?つまんないやつだなって?面倒くさいなあ。まあ一杯くらいなら。あー、美味しくねえ。A君勝手にどっか行っちゃったよ。あ、B君が床を汚してしまった。本人は気づいてなさそう(完全にスイッチ切れてうなだれちゃってたりすることもある)。意識がしっかりしている奴らで先に片付けとこう。C君何言ってるのかわからんし、同じこと何回もリピートしてくるよ。あー、さっきのお酒と掃除で気持ち悪くなってきた。そろそろお会計?飲み放題で3000円ですか?ソフトドリンクじゃあ元とれねえよな、ハハハ……

地獄である。どうだ、なかなかタチの悪い地獄だろ。

全国津々浦々のお酒飲めない男子全員がこうなのかは知らないけれども、一定数こういう思いを毎回している人がいることはリサーチ済みである。たかが液体を飲める飲めないで、人間は簡単に地獄を作り出すことができるのである。嗚呼、忌まわしき地獄の鬼どもめ。

僕はこれから一生涯こんな地獄に定期的に足を踏み入れなくてはならないのだろうか。なら行くなと申すか。できるだけ行ってないよ。言われなくてもそうしてるわ。しかし、飲み会は人間関係の形成に役に立つと思っている輩がいるから、依然としてある種のツールとして根強い人気を未だに博している。

酔っぱらって正常な判断ができない人間同士が「本音で話せる、無礼講」?それ以前に酒の力を借りないと意見すら言えない関係性を見つめなおすべきだ。「親睦が深められる」?近づいてくる男は女がベロベロになるのを狙ってるんだぜ。彼らは、「いきやすい」という好きとか嫌いとかではない判断基準であなたに近づいてくる。気が合う人となら、別にカフェでおしゃべりしてても楽しいはずです。みんなでワイワイやるの「楽しいじゃん」?楽しくないじゃん。僕頭痛いし。俺たちは楽しいから、お前たちも楽しいよな?某剛田かよ。

お酒じゃないものを常にコップに入れておく、常に何かしら働いてお酒を飲むタイミングをなくすなど、飲み会が嫌な人のための対応策がある、と主張する人もいるだろう。でもそれって、飲み会が嫌な人がいると理解した上で参加させようとしてるってことだよね?わざわざ行きたくない場所に行って自分でやりたくないことに対する対策を講じなければならないとか、人間の所業ではないこれまた狂気を感じる。


「お酒=悪」ではないし、別に「飲み会にしょっちゅう行く人=悪」ではない。「飲み会はあんま有益じゃないし楽しくないよっていう人もいるのよ」を、勝手に気持ちよくなって後片付けができなくなっている酒飲みに分かってほしいのだ。

気持ちいい領域の下に気持ち悪くなる領域がある人を慮ってほしいのだ。「とりあえずみんなビールでいいかな?」と言うのをやめてほしいのだ。サークルならサークル、部活なら部活、社員なら社員で、違う「会」の在り方を模索して欲しいのだ。これ以上の犠牲者を出さないために。


飲み物や自分の素を出す場所くらい、好きに選ばせてほしい。上司は焼酎、僕はコーヒー、それでも自分の言いたいことがスパッと言える。そんな会があってもいいじゃない。


ワガママじゃないと思うけどな。


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