1両編成の電車に揺られて（北海道/北見）

東京生まれ、東京育ちの私にとって、電車といえば中央線や山手線、はたまた丸ノ内線などの地下鉄である。そんな自分にとって、1両編成の電車に乗る機会はこれまでなかった。

2023年2月、北海道湧別町を目指す旅路にて、航空券代を節約するために最寄りのオホーツク紋別空港行きのANA便を取らず、LCCが運行している女満別空港を利用した。女満別空港から北見へバス、北見から遠軽へ電車、そして遠軽からは親戚の迎えの車で湧別町へ、という行程だった。

女満別空港から北見行きのバスに乗り、40分程度。北見に着いて遠軽行きの電車待ちが3時間以上あったので、昼食を取ったり、雪に覆われた街をブラついたりして過ごした。

北見駅に着いた1両編成の電車に乗ると、そのレトロな雰囲気、ゆったりと流れる時間、車窓からの雪景色に感動した。その一方で、日常的に通勤や通学で利用している人々が途中駅で乗降車していた。

誰かにとって見慣れた景色や日常は、他の誰かにとってはすごく新鮮なものになり得る。そんなことを考えていたら、いつのまにか眠りに落ちており、1時間半の電車旅は、すっかり日の落ちた遠軽駅で終着点を迎えた。