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葬列【小説】

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葬式のはなし
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#恋愛

葬列#4【小説】

葬列#4【小説】

その日の新大久保はストラトキャスターの似合うご機嫌な春でした。女の子たちはみんなミニスカート軽やかに街を行きます。どこもかしこも甘くおいしそうなピンクで埋め尽くされていて、そんな世界の片隅で私は道端の花壇に腰かけてつつじの蜜を吸っていました。
 私は先ほど友人に撒かれました。友人はきらきらの憧れを持って常に生きていました。私は友人のきらきらの憧れを否定することも肯定することもなく、ただただそのきら

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