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人は褒められたくて生きている-伊藤レポートの著者が語る、経営の明暗とは-

こんにちは、がーすーです。
本日朝10時から、Unipos株式会社の主催するマーケティングウェビナー、「経営の明暗2022」に参加してきたのですが、かなり良い、というか感動してしまったので、冷めやらぬうちに書き残しておこうと思って筆を取っています。
基本的に私が「いい!」と思った内容を抜粋して編集しているため、全体に興味がある&もっと突っ込んだ内容が聞きたい、という方は今後、ウェビナー内容がまとめられた記事がリリース予定なので、それまでちょっとだけお待ちくださいね。

伊藤レポートとは?

今回の登壇者である伊藤邦雄先生は、一橋大学のCFOかつ教育研究センター
長を務められているお方で、かの有名な「伊藤レポート」の著者です。
正直な話、聞いたことはあるものの、内容までは詳しく把握していなかったのですが(お恥ずかしい)これからの働き方&企業のあり方に大きくインパクトを残す内容です。現在もバージョンアップがされており、定期的に新しい資料も提示されているので要チェックです。

伊藤レポート(Ito Review)とは、2014年8月に公表された、伊藤邦雄一橋大学教授(当時)を座長とした、経済産業省の「『持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~』プロジェクト」の最終報告書の通称である。

©️ 2018 Mizuho Securities Co., Ltd.

今回のウェビナーにおいては、今までの日本の経営体系を振り返りつつ、今の時代(2022年)に於いて企業はどうあるべきか、どこに向かっていくべきなのかをお話いただきました。

日本企業の従業員エンゲージメントの割合は世界で139カ国中132位。

ギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを調査し、導き出したエンゲージメントを測定するたった12の質問が「Q12(キュー・トゥエルブ)」です。

この調査によると、日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%で、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。

▼「Q12(キュー・トゥエルブ)」の内容
Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

https://president.jp/articles/-/23978

自分が会社に於いてどのような貢献をしているかを自覚し、一人ひとりの人生設計に合った仕事内容をあてがい、成長の機会をマネジメント層が的確に把握し対話ができているか…上記のQuestionに対して、どのくらい日本人が「Yes」と答えられているのでしょうか。

Q.5などは一見「そんなこと?」と思うような質問内容ですが、実はとても大事な指標の1つなんですね。会社に従属している以上職場内での人との関係性は切っても切れないもの。数字などの定量的な評価だけではなく「この人がいるから」「この言葉のおかげで」エンゲージメントを高めていることもあるということです。

日本企業は本当に「人に優しかった」のか?

高度成長期を経て令和になった今、果たして過去のような「ひたすら滅私奉公し、会社へ利益貢献をする」「24時間働けますか」を掲げる働き方が善しとされているのでしょうか。SDGsなどの出現にとって世界においての会社の存在意義すら変わってきている昨今、日本企業のあり方も変わってきています。

ジョブ型、メンバーシップマネジメント型を欧米から導入したことでそれぞれのプロジェクト単位でのマネジメントは容易になりましたがその反面、実は「エンゲージメント面」では弊害が生まれました。

Z世代と呼ばれる今の時代の若い世代による「会社への忠誠心」が薄れたのです。それも当然、「スキルがあれば働ける」「好きなことだけやってお金を稼ぐ」ことがあたりまえの世の中で、今までのような「叱って育てる」「仕事が人を育てる」のようなど根性システムが適応せず、「今の会社が合わなければやめて他に行く」という選択肢が当たり前のように存在するのです。

Z世代の求める働き方とは?人事が知っておくべきZ世代の仕事への価値観
「他の仕事について知る機会」が格段に増えたZ世代では、簡単に他社と比較されます。
・もっと融通が利いて仕事と生活を両立できる会社もある。
・もっとキャリア形成が早く、給料もいい会社もある。
・副業やパラレルキャリアを認可してくれて自由な働き方を推奨してくれる会社もある。
Z世代を含め、視野が広くて技術や知恵の豊富な人材は、転職も視野に入れて仕事をしていることでしょう。
もっと自分を評価してくれる職場や、もっと生活が豊かになる職場を日々探しています。

https://motifyhr.jp/blog/onboarding/generation-z_human-resources/

選択肢があるからこそ「企業も選ばれている」という視点を持つことが大事で、「〇〇だからここで働いている」という目的を持たない限り、「どこで働いているのか」は若い世代にとってはあまり重要な意味を持っていないようです。

非財務情報の開示ルールが日本でも本格的に開始

2022年1月17日に、施策方針演説において岸田総理が「今年中に日本においても非財務情報の開示ルールを策定します」という事を公言しました。

非財務情報とは、いわゆる財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書等)以外の情報であり、近年では日本においても極めて高い関心を集めているテーマです。

単なる財務数値だけではなく、経営理念やビジネスモデル、事業環境リスクといった非財務情報の分析、整理を通じた付加価値向上への取り組みが求められていると考えられます。いうなれば、間接金融が前提となる中小企業においても決して無視できるテーマではないとともに、非財務情報のステークホルダー(すなわち金融機関)への開示充実といった視点で自社を振り返ることは、企業価値向上の一助になり得るのではないでしょうか。

https://www.takanosogo.com/news/2018/02/post-184.php

今まで以上に「企業としてのスタンスや価値観」「持続可能性」「戦略」を投資家目線でも理解できるように表明していくことが求められている今、同じように会社内の従業員にも企業理念やパーパスを浸透させ、目線を合わせることが必要不可欠になっており、より強固な結びつきを必要とされています。

会社が選ばれるようになるためには、見える化が必要不可欠です。

社員が今何をしているのか、社員間の関係性を可視化することで、心理的安全性やエンゲージメント、採用時のパフォーマンスと入社後のパフォーマンスの相関関係を把握することが可能になるのです。

「会話」ではなく「対話」が苦手な日本人

会話はいわゆる「今日は天気がいいですね」のように、当たり障りのない、事象のキャッチボールでその場の雰囲気が和むような会話のことで、「対話」とは、「意味」の共有をする会話のことです。
(参考資料:https://www.nipponmanpower.co.jp/ps/choose/textbook_pdf/dialogue/sample.pdf

会社に於いてマネージャーとの1on1においてこの「対話」ができていないと、お互いが1つの事象に対して(例えば1つのミスにおいて)部下は世界の終わりと捉え、上司は単なる1つのミスと思ったことでその後のキャリア形成に大きな溝ができてしまうことにもなりかねません。

「認識」のズレとも言いますが、お互いの「前提」を認識し、今起きていることが果たして致命的なミスなのか、経験としての1つの出来事としてポジティブに捉える出来事なのかを上司部下間で共有することが可能でなければ、今後の人材戦略に置いて多様な個人に焦点を置いたマネジメントは不可能になるのです。
価値観の違う2人がそれぞれ歩み寄り、お互いを理解しようとする姿勢により対話となり、立場の違うもの同士が素直な意見や素朴な疑問を投げることのできる関係値を作ることこそが、心理的安全性を作っていくのです。

伊藤先生が後悔した事

講義の中で「先生は叱ることがあるのでしょうか?」という質問が挙がりました。その折、先生はある1人のゼミ生との話をしてくださいました。

ある日。ゼミは遅刻厳禁なのにもかかわらず、彼は2回連続でゼミに遅れて到着したことがあったそうです。その時先生はたまらずゼミ生全員の前で声を荒げてしまったそうな。

その後、講義終了後に他のゼミ生がやってきて
「彼、今ご家族が重い病気にかかっていて、毎日病院に行ってからゼミにくるから遅刻しているみたいですよ」と教えてくれたそうです。

その時、後頭部を強く殴られたようにショックを受けたのだとか。

得てして人が怒ったり叱ったりするときには、相手ではなくその本人に原因があることが多い(感情的になるネガティブなもの)のであり、その事象の裏側にある相手の「事情」に目を向けず、その場の感情で叱ってしまった事を強く後悔している。というお話でした。

「あれよかったよ」その一言で頑張れることもある

他にも、先生の若かりし頃の体験も話されていました。院生の時、先生の前でプレゼンをしている最中、担当の教授はとてもつまらなそうな態度(違う方向を見たり)していたそうで、とても不安だったそうです。

ただ、その後に皆でご飯に行った時、教授が「あのプレゼン、よかったよ」と一言、先生に言ってくれたそうです。

その一言がなければ、今私はここにいて皆さんの前で話すこともなかったでしょう。それほど「褒められた」たった1つの出来事で、「これからも続けていこう」と思えたのだ。
とおっしゃっていました。

褒められて、存在を認められることほど、やりがいを感じ、嬉しくなることはありません。働いている時も同じで、前出のように「誰かに期待されている」「褒めてもらえる」という感情面での嬉しさを伴った時、人は勇気をもらい、自分の可能性を信じ、心理的安全性を高め、会社へのエンゲージメントを上げることができるのではないでしょうか。

つまりは、「普段からの行動や貢献を見て把握し」「何が見えているのかの目線を合わせ」「どうありたいかを共有できている」ことで、(ミニマムで言えば)上司と部下の関係性の質を向上し、同時に会社へのエンゲージメントを高め、「だからここで働いている」と自信を持って積極的に会社に貢献する働きを醸成することができると言えます。

では、事業所や、部署の従業員の関係性の質をどうやったら向上できるのか?

私は主催側の会社に在籍しているので、身を持って体感しているのですが、
上司と部下の関係性の質を向上するためには、やはり「お互いをよく知ること」「知ろうとする努力をすること」であり、それを容易にしてくれるのが「Unipos」という社内ツールです。

今回のウェビナーはビッグマーケウェビナーということで、Uniposの代表、田中弦さんがUniposの説明をしてくださいました。

関係性の質を向上する「Unipos」というツールの紹介

Unipos(ユニポス)とは、全公開で、社員のちからをかりて、会社で起こっている良い行動をシェアし、関係性の質を向上させるツールです。
Uniposの月間アクティブユーザー数は80%以上を誇り、ピアボーナスの仕組みであれば非常に多くの働く仲間を巻き込むことが可能です。

©️Uipos inc. All Rights Resarved

前出した「お互いが何をやっているのか理解しようと歩み寄る姿勢」が心理的安全性やエンゲージメントに必要とするならば、Uniposの導入により、オフラインでは越えられなかった「地域」「年代」の壁を易々と越え、全社員の見ている場で称賛、共有される環境づくりができるのです。

「人は褒められるために生きている」を十分に満たしてくれるツール

褒められて嬉しくない人はいません。導入企業さまの中で1ユーザーである保育士の先生の言葉で「家族にも褒められないので、とても嬉しい」というUniposの導入感想がありました。つまりそうゆうこと。

人財を人財たらしめるものは本人の心にちゃんと火がついているかどうか。周りの人間関係をUniposの力で円滑にし、お互いが刺激を受けつつ会社理念に則った行動をする従業員に賞賛が集まる仕組み&環境を作ることで、これからの企業の生存戦略の1つとして、効果的に使えることは言うまでもありません。

より知りたい人はここからUniposを3分で知れる資料があるのでぜひ見てみてね。↓

これからの企業はどうあるべきか、とても考えられるよいウェビナーでした。

Uniposは他にも月に3回ほどのウェビナーを開催しています。資料請求をした段階でメールにも無料ウェビナーのご案内を差し上げています。講演資料のDLや、他にも最近ではビックマーケウェビナーやサミットなども開催しているので、社内のマネジメント、経営、心理的安全性の向上に課題を感じている方がいらしたら、ぜひお問い合わせください。

追伸:伊藤先生のお人柄がとても柔和で素敵な方で、ウェビナーの最後に「こんなにたくさんの参加者の方に質問いただいて、僕は今とても幸せです。これからの未来が明るくなりそうで、ありがとうございます。とっても嬉しかったです」とおっしゃっていて、ニコニコしていてこちらまで幸せな気分になっちゃいました^^




株式会社Beeworks→Fringe81(広告代理店)に在籍中。女性ファッション誌やDM、webデザインをやっています。小さい頃の口癖は「私強い子だから泣かないもん」