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組織内の「異常行為」を認め、イノベーションへと昇華させていく組織文化の根底にあるものとは?

こんにちは。がーすーです。
春めいてきましたね!娘が先日7歳の誕生日を迎えて、桜を飾ったりケーキを作ったりしました。陽気も暖かくなってきて、なんだかウキウキして大好きな季節です。

前回「伊藤邦雄さんのウェビナーレポート」をかなり多くの方にお読みいただき、私の知人からも「あれ読んだよ!Uniposってあんな面白いウェビナーやってたんだね〜、今度聞いてみるよ!」と言ってもらえて、書いてよかったな、言語化は大事だなと改めて実感しています。ありがとうございます!

今後も自社開催ウェビナーがあった際は、勝手に更新していこうと思いますので、気になった方はフォローいただけると嬉しいです!(一応会社公認です笑)

※基本的に私が「いい!」と思った内容を抜粋して編集しているため、全体に興味がある&もっと突っ込んだ内容が聞きたい、という方は今後、ウェビナー内容がまとめられた記事がリリース予定なので、それまでちょっとだけお待ちくださいね。

さて、今回は、プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進氏をお招きしての対談形式のウェビナーでした。

経営・組織コンサルタントとして多くの事業構造改革などに従事されてきた秋山さんから、昨今話題になりがちな「企業不祥事がなぜ起こるのか、予防できるとしたらどうやって企業改革をすればよいのか?」を軸に、心理的安全性という面からの解釈を踏まえた実践形式でのお話をしていただきました。オンラインで参加された秋山さんは背景が桜の壁紙を使ってらっしゃって、声色含めとても柔和な方!という印象でした^^

不祥事には、2つの段階がある。それは「失敗」と「不正」

一体「不祥事」と呼ばれているものが起きるには、どのような過程を踏んで世の中に出てくるのか、という部分から説明してくださいました。

例えば
「元々うまくいかない失敗(利益大幅縮小)」があると
「粉飾決算。測定ミス」という不正で隠蔽する。

「年度末に使いきれない」という失敗があると
「研究開発費をプールする」という不正が生まれる。

「納期が守れない」という失敗があると
「突貫工事、安い部材などで間に合わせる」という不正が起きる。

このように、どんな不祥事でも、原因(失敗)があり、それをカバーするためのマイナスの行動(不正)へつながる、そして世の中に出た時に初めて「不祥事」と呼ばれるということでした。

さらに、不正を永続的に継続するという決断があった後なども、わかっていながらも色々な人を巻き込んで不正がおこなわれる文化ができてしまうのです(誰も意義を唱えられないなど)。ここまでくると会社全体の隠蔽体質が出来上がってしまい、心理的安全性以前の問題ですね。

なぜ不祥事予防に心理的安全性が大事なのか

そもそも、今回の議題である「不祥事を防ぐ心理的安全性」ですが、そもそも、心理的安全性が高いことで組織においてどんなメリットがあるのか?というと、

心理的安全性が高いと・・・・
・質問・異論・反論が奨励される
・おかしい、もっといいやり方があるという発言ができる
・外部からの視点での発言は新しい知恵をもたらすものとして歓迎される

心理的安全性が低いと・・・・
・率直な意見が述べられない
・証拠がないなら問題を定義できない(疑問を投げかけることすらNG)
・点数稼ぎでしか意見を言えない(忖度)

という行動の変化が現れます。

企業は利益を追求していますので、どちらの方が生産性が高く、より良いものを作り出す組織かと問われれば・・一目瞭然ですね。

かつての日本は、年功序列が当たり前で、「忖度」「ご機嫌伺い」が良しとされていました。ただ、今の時代は終身雇用時代はとうの昔に過ぎ去り、ジョブ採用やスキルベース、成果ベースで個人への評価が透明性を持ってくると、そうはいきません。価値観の変換が必要な時代になってきているということでもあります。

そんな時に必要になってくるのが、心理的安全性という「職場で誰に何を言っても、どのような指摘をしても、拒絶されることがなく、罰せられる心配もない状態」を作れる組織でなければ、今の時代は生き残っていけないということなのでしょうか。

ただ、心理的安全性が高い企業が良い!というのがわかったとして、心理的安全性の低い組織内で、果たして自分が自分が先陣切って意見を言えるのか?と自分に問うてみると、実際のところ、結構難しいかも?と思います。異端児、問題児扱いされて阻害されることもありますよね。コメントの中にも、そのような体験をされている方も見受けられました。

では、何を自分の信念として持って、「私はこう思う」と言えるのか。
組織の中で「軸」を何にして、従業員全員が同じ方向を向くことができるのか。その環境をどうやったら作り出せるのか。

そのあたりが大事になってきそうです。

キーワードは「何を守るか」

不祥事と心理的安全性の関係性がわかったところで、今度は、「何を守るか」というお話が続きました。

企業が経営をしていく中で、「ルールベース」「プリンシプルベース」というスタンスがあり、その中でも「心理的安全性が低い」「高い」で区分けすることで、現存する企業のカテゴライズをした図を見せていただきました。

1:ルールベースとは
決められたルールを守る/ルールを逸脱すると超罰がある
マニュアル文化/個人よりも利益

2:プリンシプル・ベースは
あるべき姿を共有して価値観とし、個人で意思決定する。自律した集団のこと。ここにしたがっていない場合は(ルールと真逆!)数字上の成果が出ても評価されない(!)

ここに心理的安全性が加わると

1:ルールベースX低→手続的労働短期雇用
2:ルールベースX高→古き良き時代の日本の製造業(職人)効率化の探求?
3:プリンシプルベースX低→コンサル、投資銀行(外資系?)
4:プリンシプルベースX高→ネットフリックスのような超自律組織

とカテゴライズされます。
それぞれの立場の企業が、ルールを大事にするのか、原理原則を大事にするのかによって、守るものが変わり、心理的安全性の高低によってさらに理想とする組織へと変容していく、ということが見てとれる図でした。

今の世相的に良しとされているのは「4:プリンシプルベースX高 ネットフリックスのような超自律組織」ですよね。

多くの企業が4を目指している理由としては、今の世の中がイノベーションに傾いてきているからという時代背景があり、今のままではいけない、変化をしていかなくてはならない、DXが推進されている世の中になっているため、必要急務であるという理由からです。ルールベースを大事にしている企業もダメというわけではなく、決められたマニュアルに沿って行う業務が多い現場においては、重要な考え方です。ルールベースで心理的安全性が高いとどうなるかというと「ルールが減っていく」そうで、工数圧縮や手数改善によって、より良い作業環境をしようと率先して動く社員が多く出てくるそうです。

プリンシプルベースで心理的安全性の高い組織を作るには何から取り組んでいけばいいか?

4つのカテゴリを比べて見て、今の時流として4の「プリンシプルベースX心理的安全性の高い組織」へ向かっていく姿勢が必要だということがわかりました。
では現場ベースでどうやっていったらいいのか?という話に移ります。

プリンシプルベースX心理的安全性の高い組織を目指すために・・・

1:マネージャーがディスカッションスキルを高める
(マネジメントレイヤーの教育)
・ファシリテーション力を高める
・異説異論反論を議論に持っていく能力が必要
・ロジカルに組み立てる全体を俯瞰できる力をつける

2:ルールを減らす努力をする
・前提条件を作った上で、あるべき姿を通して考えてもらう
(なぜ良い仕事だったのかという意味づけをし共有する)

という方法が提示されていました。

組織全体を変えていくには、まず影響度の大きいマネジメントレイヤーの教育から始めていくことは必須で、積極的に心理的安全性の高い状態、環境を作って見せていくことが、1番の処方として大事だとおっしゃっていました。そもそもうまくいっていない組織は、ハブであるマネジメントレイヤーの教育が行き届いていないことが多いらしく、プロジェクトマネジメント、システムシンキング、傾聴力を伸ばすことで、自然と職場の雰囲気も改善されていくということでした。

ルールベースorプリンシプルベースの一択ではなく、両方を織り交ぜつつ組織にいる従業員が心理的安全性を高く保てることこそ、生産性の高い、イノベーティブな環境づくりができるということを今回の講義で学びました。

イノベーションとは結局「異常行為」である

終わりの質疑応答の中で、「結局ですね・・・」と秋山さんがお話になったことが今回の講義の全体を総括しているのかなと思ったので、以下に記しておきます。

イノベーションといえば耳触りがいいですが、結局は通常のオペレーションから逸脱した行為や発想なので、組織の中ではイノベーションが異常行為という位置づけになるんですね。
なにが待ち受けているかわからないし、失敗の方が多い。

会社としての逸脱行為(イノベーション)が何に向かっているのか(理念に合っているのか)という部分でお互いがプリンシプルベースで合意が取れていれば、会社として認めることができるんです。
その根底には心理的安全性がないと、不正になる可能性がある。
だからこそ、失敗を許容し、隠す前に認め、お互いがより高い目標に向かうために一丸となること。そのために必要なんです。(若干意訳)

ここ、めちゃくちゃ大事で確信をついた言葉だと思います。

イノベーションが起きる背景には、理念の浸透があり、そのさらに土台には「失敗しても大丈夫」「皆見ている方向は同じ」という心理的安全性の醸成があってこそ、なのだと強く納得したお言葉でした。

ルールベースであっても、理念が最上位にあって、その理念に基づけばルールを変えていく余地があるという気持ちをもって会社が動いていければ枠を超えたイノベーションが起こりうるということでもあるんですね。

ファシリテーターの斉藤さんは、秋山さんの講義を聞いて

ルールを減らすことで余白を増やすと、自発的な行動が生まれてプリンシプルベースになっていく。ただ、前提としてコンプラ研修はしないとだめなんだなと感じた。

とおっしゃっていました。

昨今もてはやされている心理的安全性のポジティブな面だけを取り上げるよりも、ちゃんとネガティブ(会社の変わらなくても良い部分)をどうブラッシュアップすれば良いのかを図を持って説明してくれて、一社員の私にもとてもわかりやすかったです。

秋山さんも、質問などのコメントがたくさん来るのを見て、自分も勉強になる、あと3時間くらいできる!とおっしゃっていて、ウェビナーの一体感が素晴らしい回でした^^

次回は3/15日!
九州大学の池田准教授をお招きして、
「心理学の知見から紐解く、組織の自律性を高める感謝の機能」
開催されます^^

見どころ
・「感謝」感情が組織の自律性にどのよう作用するのかが理論から分かる
・「感謝される」ことだけでなく「感謝する」ことの効果・重要性を学べる
・感謝体質の組織への変革のヒントが得られる

心理学の話は大好きなので、とても楽しみです!
受講希望の方はこちらから登録できますので是非に〜〜〜^^
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今回も読んでいただきありがとうございます!まだまだ稚拙な文章ではありますが、人事課題、組織課題に立ち向かわれている方の力に少しでもなっていれば幸いです!

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それでは今日はこの辺で。

株式会社Beeworks→Fringe81(広告代理店)に在籍中。女性ファッション誌やDM、webデザインをやっています。小さい頃の口癖は「私強い子だから泣かないもん」