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大きな台風が大切な問いを残していった話

Who am I ?(私は誰なのか?)

Why am I ?(なぜ私なのか?)

いきなりめちゃ哲学的な問いですが…。これ、答えるの難しくないですか?

先日日本に猛威を振るった台風19号。僕の実家は埼玉県なのですが、流石にこの間の台風は焦りました。幸いにして実家に大きなダメージは無かったのですが、近くの川や市町村で結構な被害があったみたいです。幼少を過ごした景色がこのような形でテレビやメディアに出てくるのは生まれて初めてでした。

この台風の数日後、僕は札幌でNoMapsというイベントに参加しました。その時のレポート記事がこちら。

今回書きたいことは、天災や災害対策のことではありません。

台風と、NoMapsのイベントと、最近の経済ニュースから僕は「アイデンティティーの未来教育」について考え、綴ってみることにします。


【HUAWEIの決算発表】

10月16日にHUAWEIが第3四半期の決算を発表しました。

僕は中国語は全くできませんが、僕の側にはグーグル先生(Google翻訳)がいらっしゃいます。便利な世の中です。記事からわかるHUAWEIの業績は以下の通り。(中国語に詳しい方・中国企業の最新動向に詳しい方、詳細説明などいただけると嬉しいです!)

◆売上:24.4%増の6108億元(日本円で約9兆1620億円

◆利益率は8.7%=約7970億円

◆5Gは大手通信業者と60以上の商業契約を締結

◆スマホ事業も堅調で第1四半期出荷台数は前年比26%増の1億8500万台(ちなみにiPhone 11は7500万台くらいの販売予測とか…)

◆HMS(HUAWEI Mobile Service)は世界170カ国をカバー

◆様々な業界(産官学民あらゆる分野)でデジタル化プロセスは進んでいく。その中で世界上位500社のうち228社が、上位100社のうち58社がデジタル変換パートナーにHUAWEIを選択

もはや数値を見ていても「すごいことだけは誰でもわかる」そんな状態です。アメリカの大手IT企業、特にAppleとスマホで比較されることが多いので、こちらのリンクを貼っておきます。

こうしてみると、AppleとHUAWEIはまだ倍以上の開きがあるのはわかります。が、かたやイケイケで毎年結構な伸びを記録する一方で、片方は苦戦が囁かれる。僕の専門領域ではありませんが、素人がみても感覚的にパワーバランスの変化は感じるわけです。そしてこの数値とバランスの変化をより強く考える根拠となるようなデータが、この記事が出た前日10月15日のNoMapsで登場したのです。


【台風とNoMapsで浮かんだ問い】

そのイベントの記事がこちら。この記事を書かれた登壇者の一人安田クリスチーナさん。セッションでもめっちゃ喋ってて、場を制圧していた(笑)

終わった後少しだけお話しさせてもらったのですが、フレンドリーで話しやすくて、いい人だったな。。。

記事中に登場する通り、中国のインターネット普及率は実はまだ50%程度。もはや飽和状態のアメリカや欧州と比べてまだまだ伸びしろを感じる中国。もちろんこのデータが正しいのかどうか?中国という国自体、数字的にはかなり分かりづらさも孕んでいます。ただ、勢いや熱量は数字で表さなくとも脅威に感じるのは確か。

中国を訪れたご年配の方に様子を伺うと「かつての日本のようだ」とか「オールウェイズ三丁目の夕日のような世界観を思い出した」とか仰る方が多いな、と。戦後の焼け野原から不死鳥のごとく蘇り経済大国になった日本の当時の熱量と重ねる方が多い気がします。

このセッションはブロックチェーンの可能性を議論する機会でした。急速にオンライン化が進む世界において、発展途上国の政府に頼らない身分証明をどう実現するのか?そんなことも議論のトピックで登場していました。日本だとイメージが湧きにくい議論・・・と思われそうですが、クリスチーナさんは問いかけます。

「東京で台風あったじゃないですか?ホームレスの人、避難所に入れませんでしたからね?あなたはホームレスだから場所がないって言われて入れない…という例があったりとか」

ホームレスは住所不定だから入れない、と。これには賛否両論あったそうです。

まあでも、人の命がかかっていますからね。NHKでも「命を守る行動を!」と言っていたわけで。周囲の方の不安は、ちょっとした工夫で回避できる気もします。そもそも記事によると「区民対象だから」「都民用だから」という理由で断っていますので、およそ当事者の意識からは遠い、お役所仕事感満載なわけです。

でも現実的に、災害によってこのような問題を目の当たりにして、僕は「自分という人間の証明」について少なからず今まで考えなかった視点で考えました。

日本人が抱えるアイデンティティーの課題ってなんだろう?


【複雑化した「自分であることの難しさ」】

僕は21世紀のアイデンティティーは3種あるな、と思います。

①フィジカルアイデンティティー

②デジタルアイデンティティー

③メンタルアイデンティティー

発展途上国はまさにフィジカルアイデンティティーに長らく課題を抱えています。そして日本も今回の台風で脆弱さが露わになった。政治や社会と密接に関わっていますよね。

このカンファレンスで語られていた、テクノロジーにより発展途上国を救う希望となるのがデジタルアイデンティティーなのでしょう。それをブロックチェーンで作ることで信用や信頼とも繋がっていける新たな可能性が生まれる。

ちなみに日本も、ブロックチェーンでないだけでデジタルアイデンティティーは今や当たり前にあるものです。SNS(Twitter・Facebookなど)やVRなどを思い浮かべていただくとしっくりくるのでは?フィジカルとは時間的空間的に無関係な個性や人格が存在するのは、もはや常識になりつつあります。

そしてメンタル面のアイデンティティーが今、なかなか厄介なものになりつつあり、僕たちが真剣に向き合っていくものになりつつあるのかな…と思うのです。「普通であること」「年収・学歴というスペック」に侵され続けた結果、「自分とはだれか?」「なぜ自分でいるのか?」を考えたこともない、もしくは考えられないメンタルアイデンティティー・クライシスとでもいうようなものが前に立ちはだかっている人がとても多いような気がしてなりません。

20歳を越えたから、働いてお給料をもらっているから、稼いでいるから精神的に自立しているのか?これもちょっと違う、複雑な課題に見えます。解決方法はシンプルなのか?簡単なのか?


【メンタルアイデンティティーを取り戻したその先に】

僕はフィジカルとメンタルのアイデンティティーについて考え育むテクノロジーはブロックチェーンやトークンであり、偏愛を受容する教育環境なのだろうと考えました。日本て冷静に考えるととても豊かな国です。でも中国に抜かれた!次はインドに抜かれる!このままじゃヤバい!と煽られます。

で、昔ながらの教育スタイルで・昔から変わらないことを・おっさんかおっさんに洗脳された若者が、未来あるちびっ子達に教えていく・・・

日本は失われた過去を取り戻したいのか?まだ見ぬ未来に進みたいのか?

この受け取り方によって見えてくる未来は全く変わってくると思います。確かに中国は素晴らしい成長をしています。かつての日本を思わせるのかもしれません。でも、だとすればいずれ中国も物理的・経済的には衰退します。色々無理がみえてきてもいるようで。実際あと7〜8年もすると、一気にしわ寄せが来そうな気配…。

多分中国の人々は後10年もしないうちに、今はメディアにあまり取り上げられない悩みや疑問と向き合うのでは?今の日本がそうであるように。

「豊かさってなんだろう?」

「なんのために頑張ってきたんだろう?」

「勉強して、いい大学入って、自分は何したいんだっけ?」

学ぶことは豊かさにつながと言われますが、豊かさってなんでしょう?

資本主義的世界は続きます。ですから「勉強しなさい」「そんなんじゃいい大学は入れないよ!」というセリフが途絶えることは多分ありません。そしてそれらは別に否定されることではないと思います。部分的には必要。でも「なぜ必要か?」をちびっ子達と語り合えない大人は本当の害悪になります。

そう考えると、大人も子供もロジカルであることは必要になります。「なぜ?」を明確にした上で議論、それでしっくりこないものはやめても良い。この感覚がわかる人とそうでない人とで世界はすでに分断されつつありまし、今後この世界の分断は加速していく気がします。

学ぶことは「私とは何者か?」「なぜ私であるのか?」の問いへの答えを探す旅だとも思うのです最近。そう思うと老若男女学び続けること・学び直すことはごく自然なんですよね。そして仕組みの上でも、政治や法律上も、個人の思想としても「自分は何者なのか?」という定義は必要で、そこに豊かさの芽があるのでしょう。

ちびっ子はこれを言語化して、論理的に理解することが難しい。だからそれを体感させてあげる支援者としての大人がいることが大切なんだと思います。大人はメンタルアイデンティティーを思い出すことが、そしてちびっ子はメンタルアイデンティティーを伸びやかに育むことこそが21世紀の価値だろうし、それは未来、日本が世界を今とは違った文脈でリードすることにも繋がるはずです。

ブロックチェーンとかトークンというのはかなり専門性が高いので今回は割愛。このカンファレンスのモデレーターをされていた坪井大輔さんの本は確かに分かりやすかった。回し者ではありませんが(笑)、一読しても良いかも。

そういえば昔から「愛なのか?お金なのか?」という議論好きですよね。どっかのアーティストの歌詞に出てきそうな「お金で買えるのは愛に似た何かでしかない」的な考え。多分ブロックチェーンとか、偏愛を受容する世界観が加速してメンタルアイデンティティーが確立していくと、

「愛に似た何かをお金で買う」という世界観とは別に

「お金に似た何かで愛を分け合う」という世界観も加わるんですよね。多分。

戦時中は軍事力で世界の制圧を試み、戦争後は経済力で世界の注目を集めました。この複数のアイデンティティー問題に取り組み、課題克服して、21世紀は精神力で世界の尊敬を集めることができたら素敵ですね!

あなたの「お金では表現しにくい大好きな価値」は何ですか?

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