音楽の力は信じられた。

先日、定期演奏会が行われた。
部活を辞めたかったわたしにとっては、これが最後のステージになると思っていた。

でもわたしは、今も部活を続けている。

それは、音楽に与えられた力が見えたからだ。

良いステージにしようと頑張っている部員、それを支えてくれている、顧問やコーチ、OGの方々、そしてホールの方々。素晴らしい人たちに恵まれたと思う。
本番直前のステージでは部員同士声を掛け合って、わたしたちのもつ明るい雰囲気のまま、本番を迎えられた。一音目が鳴ったとき、わたしは「いける」と確信した。それからはあまりにも忙しくて、楽しくて、もう夢ではないかと思うくらいだ。

本気で楽しんでいる部員の力は伝染し、会場はもう、この吹奏楽部の世界になっていた。

音楽の力って、そういうことなんだと思う。奏者の気持ちが、聴いてくださる方に伝わって、少しでも心を揺さぶれる、動かせる。それが見えてしまったら、もう音楽をするしかないのだ。

わたしは吹奏楽部に居続けるし、音楽の力を信じて、上質な音楽を求めて、ずっと走り続ける。
もし、また、つらくなったとしても、この定演を思い出して、なんとか続けようと思う。

もしかしたら、それほどの力はなかったのかもしれないけど、この吹奏楽部定期演奏会に関わった全ての人の中で、いちばん力を貰ったのはわたしだと思う。

少し前のわたしへ。
本当に苦しいけど、しんどいけど、つらいけど、顧問の言うとおり、定演に出たら、幸せでした。貴方はなんだかんだ、吹奏楽が大好きだから、辞めないよ。耐えられないくらい悩むけど、絶対に大丈夫。信じられないって言った言葉も、どうか信じてください。

今もまた、考えるのは吹奏楽部のことばかりでした。

#エッセイ #もどき #吹奏楽 #音楽 #部活 #女子高生

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