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大西一郎『ある視点』

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横浜市鶴見区・ファンタジーサウナ&スパおふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」店長を務める大西一郎がカウンターの中から繰り広げる視座の世界。 大西一郎 Twitter … もっと読む
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#ケアケア

みかん【大西一郎『ある視点』第36回】

いつもみかんさんを、前からではなく後ろから見ていた。ケアケアの前で、OFR48の一員として、歌って踊る姿も、Villyバルコニーの一人として、ピアノを弾きながら歌う姿も、だいたい私はケアケアの中から見たり、声だけ聴いたりしていた。 「あなたに笑顔のビタミンC〜」というキャッチフレーズ通り、元気で、愛想がよく、変に気取ったり、格好つけたりしない、飾らない人柄が、後ろ姿や声からも伝わってきた。 「永遠の26(ふろ)歳」という設定なのに、「〇回目の26歳の誕生日を迎えました〜!

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エーワン東京【大西一郎『ある視点』第32回】

私の自宅からおふろの国まで徒歩5分。その道のりの上にさえも、一軒ある。例えば、うちのセラピスト、竹内が大田区から通う道のり、小林が埼玉から通う道のり、私の地元、兵庫県から新幹線に乗ってここまでやって来る道のりの間に、一体何軒あるだろうか。 今やっていることと同じこと、望めば働かせくれるところ。リラクゼーションの店。それなのにここで働く理由。それはもう、「縁」としか言いようがない。 個人的な話をすれば、私が今勤めている「おふろの国」のリラクゼーション「ケアケア」にたどり着く

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ワナバス【大西一郎『ある視点』第31回】

「もしも明日世界が終わるとしても、私は今日もおふろに入るの。」という歌詞の曲を書いた。 書いたのは二年ぐらい前だ。コロナ禍の真っ只中だったか、少し落ち着いた頃だったか、私は夜な夜な暇を持て余して、この歌の、作りかけのメロディーと伴奏をいちいち携帯に落として自分で聴きながら、鶴見川の土手を散歩していた覚えがあるので、時間短縮営業期間中か何かだったのだろう。ある日おふろの国の林店長から、「OFR48の曲作ってくれないかなあ、こんな時代だけどがんばろう的な。」と言われ、とても張り

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知らない言葉 【大西一郎『ある視点』第28回】

私は毎月、第一日曜日の午後9時から、おふろの国のリラクゼーションコーナー「ケアケア」の前で、30分程の歌謡ショーを行っている。自分の持ち歌を歌うことも、他人の歌を歌うこともある。喋ってばかりであまり歌わない時もある。それはその日の気分次第だ。 この日はこの歌を歌う、ということに対して、いつもなにか理由を作る。それはこじつけだったり、つまらないダジャレだったりする。何か抽選会が行われている時には、「皆さんに良い景品が当たるように、わたし祈ってます。」とか言って、「わたし祈って

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【大西一郎 ある視点】第24回「くりりん」

「手に職を付けたい。」と言って、OFR48くりりんこと栗原がケアケアにやって来たのは4年前。おふろの国からの紹介だった。 そのもっと前、私がおふろの国に来るよりも、おふろの国にケアケアができるよりも前に、おふろの国の清掃スタッフとして働いていたくりりんは、おふろの国の中の多くの人達と顔なじみで、「くりちゃん」と親しまれていた。 私がくりりんに初めて会ったときの印象は、今、OFR48として歌って踊るはつらつとした印象とはちょっと違っていた。「こういう子が居るんだけど。」と呼

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【大西一郎 ある視点】第23回「開く人閉じる人 サウナ体癖論3」

ある日、熱波甲子園に出場する代表者を決める予選会に、おふろの国お抱えの熱波師が集まった。ずらりと並んだ熱波師達は大変個性豊かだった。大きい人、小さい人、四角い人、丸い人、細長い人……。私はその人達を、「体癖」という考え方に照らし合わせて、「あの人は何種、あの人は何種。」と考えながら眺めていた。 (体癖とは、人が持って生まれた体つきや運動の傾向、身体の諸器官の反応、性格や行動パターンに一貫した法則性があるという考え方で、過去の連載も併せてお読み頂ければ嬉しいです。いつも同じこ

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