ニューエラキャップの誤用

ニューエラというキャップの大手がある。私は大学生のころに一度坊主にしたことがあるのだが、初の坊主頭を晒すのが恥ずかしすぎてその頃は帽子をかぶっていた。その時に友人に借りていたのがニューエラのキャップだった。

それまではキャップに対して、蒸れるしなんとなくファッションに興味のある人が被るものだと認識していた。だが、一度かぶってみると案外悪くないなと思い、それ以来外出時には結構な頻度で被るようになった。

なんといっても髪型のセットをしなくてもそれなりに決まるし、頭の形を整えてくれる効果がある。キャップはとにかく楽に決められるアイテムなのでひとつふたつは持っておくといい。

さて、そんなニューエラキャップではいろいろな型が展開されているが、その中でもツバがまっすぐの「平ツバ」を想像する人は多いと思う。

私もニューエラといえば平ツバだと思っていた。そして、平ツバをツバもシールもそのままに被っているのがおしゃれだという雰囲気がなんとなくあることを感じる人も多いと思う。

だが、ニューエラのお店側の公式の見解としては、シールははがすものだし、ツバも曲げるものという認識らしい。シールは洋服で言う「LLLLLLL」みたいなサイズが表記されたシールと同じ意味だし、ツバも平ツバになっているのは自分好みに調節するためだそうだ。シールをはがすと価値がなくなるだとか、ツバは曲げないもの、というのが広まってはいるが一応あれは本来の使い方ではないようだ。

ではなぜ日本でそのような使われ方が多いのかというと、海外のMVなどに出てくる有名人がこぞってああいう被り方をしていたことが原因みたいだ。ニューエラというのは案外日本に上陸して間もない企業らしく、上陸当初は誰もキャップの文化を知らなかった。当然そんな時には海外のかぶり方をまねるのが手っ取り早いから海外に目を向けてみると、ヒップホップのMVには平ツバでシールやタグもそのままに被る人がいる。

なるほど、こうやって被るのか、と最初にリーチした人々が被っていき、その後マス層にまで広がった結果、日本独特の雰囲気が生まれてしまった。

実は海外では一部しかやっていない着こなしなのに、自国では誤用されている物事、というのは目がいかないだけで案外身の回りに潜んでいるものなのかもしれない。何か知っていたらぜひ教えてほしい。


20191118追記
キャップはもとから曲げられているものもあるが、型が少し違うとのこと。平ツバはニューエラキャップ特有の「ゴツいヘッド」を残したまま、曲げることができる。元から曲げてあるものはヘッドがより滑らかな形をしていて軽く被りやすい。手持ちのキャップを見比べてみても、違いはかなり明らかだった。自分の好みに合わせて購入することをオススメする。

キャップに関しては、キレイ目のコートなんかに合わせて着用するのが好きだ(春秋はライダースに合わせるとほど良くカジュアルと混合できてよい。)。だが、最近モッズコートを購入したので合わせる形でハットにも挑戦してみたいと思っている。もしくは革靴で全体的にまとめるか。

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