見出し画像

参加者を ConsumerからCustomerにする3つの方法

昨日のお題は、「リアルに集まらないと成立しないイベント、とは何か②」

日本イベント産業振興協会(JACE)の調査等をふまえ、イベントの構成要素として、次の3つが挙げられると考えました。

①人の集まり、②臨場感(プレゼンス)、②同時性(ライブ)

そのうちイベントの「①人の集まり」を作るのは、

1)主催者(=幹事)・2)出演者・主役(例:講師、プレーヤー)
3)参加者(例:観客など)

の3つ、と整理しました。
このようにイベントの因数分解を進める中で、改めて、イベントの定義、イベントの構成要素、関係者、規模と意図による種別などについて、考える必要がある…と思いました。

今日はそのうちの「3)参加者」に関するコミュニティでのあり方について、考えてみます。

この問いを立てる背景

コミュニティのご相談事で多いことの一つに「参加者のお客様状態問題」があるからです。

「お客様問題」とは、自分は会費を払っている、時間を費やしているのだから、運営(幹事)が自分に何かやってくれて当然、といった状態になること。
また、参加者の中でも、参加した際の目標の違いや、意欲の高低などで臨み方が違ってくることです。

コミュニティの日常は、上記の「①人の集まり」のうち1)主催者と、「3)参加者」で構成されることが多いです。

先日書いた表現で言うと、実は語源が同じだった「ホスト」(主催者・幹事)と「ゲスト」(参加者)で構成される、とも言えます。

この境界をいかに無くすか、すなわち参加者にコミュニティ運営を自分ごととして捉えて自主的に参加してもらうか、が幹事の腕の見せ所であり、参加者の楽しみ所、とも言えます。

しかし、その設計は難しい、ですよね。
特に参加者の方は、その参加の仕方でよく「Giver」か「Taker」か、という言い方で表されます。アダム・グラントの「GIVE &TAKE」には、次の通り書かれています。

「Giver」は自分が受け取る以上に他人に与える人。
「Taker」は常に自分の利益を優先する人。
「Matcher」はギバーでもテイカーでもなく、与えることと受け取ることのバランスを取る人。多くの人はこれ。

そんな中、あなたが幹事であれば、できればコミュニティへの参加者が、語源が同じであるHostとGuestの立場を、その時の状況に応じて行き来することを期待しますよね。

そんな中で、Guestの言い換えを考えたときに浮かんだ言葉として「Consumer」と「Customer」という表現が思い浮かびました。

Consumerは消費者、Customerは顧客、と略されることが多いです。
できれば関係を構築するのであれば、消費されずに文字通りcustom=習慣、になる関係になりたいですよね。

そこで、いつも通りその語源を紐解きながら、ConsumerからCustomerにするヒントを、探ってみましょう。

そもそも、Consumerとは

語源は「〜の下から」「取る」が転じて「完全に取る」を意味するconsumo。Takerはまさしくこの姿勢です。

画像1

そもそも、Customerとは

Con(一緒に)とSuesco(慣れる)を組み合わせたCosuesco(慣れる)から転じて、Customとなりました。ゆえに元々の意味は「慣習」です。自分自身がその場に身を置き、その集まりと時間を共にすることが「慣習」となっている人≒Giverのこととも言えるでしょう。

画像2

ConsumerからCustomerにする3つの方法

さあ、参加者にCosumer=Takerでなく、Customer=Goverになってもらうには、どうすれば良いでしょうか。
答えの一つは、コミュニティ 構成員に期待する3つの「キ」=「デキ」(能力)「ヤルキ」(意欲)「ムキ」(方向性)を、募集の段階から次の通りに設計することです。

①後で修正が難しい「ムキ」(方向性)を同じくする人にお越し頂くべく、最初の入り口を狭くすること
②「ヤルキ」(意欲)を高く臨むことが「正しい」という規範にすること
③「デキ」(能力)が発揮できる場所(活動×役割)を幹事と参加者が一緒に考えて、作ること

具体的な設計方法や事例などの詳細は、おいおい整理していきます。

まとめ

コミュニティを共にする人は、できれば消費する人ではなく、習慣にする人であって欲しい、と語源からも改めて思いました。

そのためにはコミュニティ 構成員に期待する3つの「キ」=「デキ」(能力)「ヤルキ」(意欲)「ムキ」(方向性)を、募集の段階から設計することが大事です(その方法は、改めて整理します)。

余談ながら、いわゆるオールドメディアと読者・聴取者・視聴者の関係は、メディア企業とConsu merの関係になっているな、という気がします。メディア側が読者などを信じ、一緒に作る姿勢と行動があれば読者をcustomerにすることができると思います。

今日のコロちゃん

(新型コロナウイルスというと、その仰々しさに圧倒されるので、これからはあえて「#コロちゃん」と呼んでみます)

政府から改めて「これから1-2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となります。」「対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされるような環境に行くことをできる限り、回避」するように示されました。

こうした状況を踏まえ、スポーツをはじめ、様々なイベントが中止や延期を余儀なくされています。早期収束と再始動を願いつつ、今は残念ですが「回避」しましょう。

(写真は、そんなコロちゃん騒動で2月の大会が延期になった、最近コミュニティ業界で話題の6curryで開催される「6currybattle」の1月の作品です。日常はCustomerとして来店している人などの中から、腕に覚えのある3人により作られたカレーのうちどれが美味しいかを投票するイベントです。こうした「活動×役割」の設計が大事です)

ありがとうございます!頂いたサポートで、コミュニティ活動&幹事で知見を得て、また、共有します!