見出し画像

わたしを振り返る。


今日はわたしの「過去」を振り返ってみたいと思う。


わたしの人生の中で今でも輝かしい思い出が残っているのは、高校時代だ。夏が来ると「甲子園」が始まるが、その様子を見るだけで心は高校時代に戻る。というのも、わたしは高校生の頃 野球部のマネージャーをしていた。


マネージャーになりたいと思ったのは、中学3年生の時。その年はわたしが住む県の代表校が、初めて甲子園で優勝をした。「熱闘甲子園」のDVDを買って擦れるまで何回も見た。その中には選手のために懸命に尽くすマネージャーの姿も映っていて、その姿に強く惹かれ憧れるようになった。「わたしも誰かのために尽くしたい!アツくなりたい!」って本気で思った。

これがわたしがマネージャーになりたいと思った瞬間。


高校に入学して、いざマネージャーになってみると思ってたより力仕事も多く、覚えることも多く大変だった。キーパーやボトルを洗うことから始まり、飲み物を準備し、アイシングを準備し、監督さんの飲み物や弁当を用意し、試合中はスコアを書いて、ときにはアナウンスもして、大会前には部員にお守りを作ったりなど…確かに大変なこともあったが誰かのために頑張れるのが楽しかった。

誰よりも早く行き、誰もいないグラウンドで準備しながら皆を待つ時間が好きだった。夏の少し蒸し暑い朝も、冬のまだ暗い朝もよく覚えている。



その中でも一番記憶に残っているのは、3年生の時の最後の夏大会前に同級生の部員全員にあげる「鶴文字」。これはこの学校の伝統で、毎年部員一人一人に合った文字を折り鶴でつくり必勝祈願を込めて渡すものだ。

この鶴文字を作るために、実はマネージャーは1年の頃から毎日のように鶴を折っている。しかも部員にバレないように。(おそらくバレていたと思うが。笑)


3年生に上がり、夏の大会が近づくといよいよ一人ひとりに合った文字を決める。図書館に行ったり本屋さんに行って、名前の由来の本をヒントに考えたりもした。わたしは同級生の部員が22名いて、それを2人で考えるのは結構大変だったが3年間を振り返りながら考えるだけで目頭が熱くなることもあった。3年間ほぼ毎日、休みの日は朝から遅くまで練習の日々を共にしてきた仲間だ。色んな思い出や気持ちを込めて作成した。

大会前の約1か月間は、ほぼ毎日睡眠時間は2~3時間というハードな日々だった。鶴を折りながら、お守りを作りながら、座ったまま寝てたことも何度もある。キツかったけど今となってはいい思い出。

無事に大会前日までには全員分が完成し、大会に間に合わせて渡すことができた。何とも言えない達成感があった。部員の喜ぶ姿が忘れられない。




夏の大会は、2回戦で優勝候補の学校と対戦することに。ベンチもスタンドも、見に来てくれた人達とも一体となりすごく盛り上がったのを覚えている。試合は延長14回まで進む展開となったが惜しくも敗退してしまった。ただあの球場で感じた熱気は忘れられないし、この先もなかなか感じることはできないだろう。中学3年生の頃に憧れたあの感動を味わえた気がした。試合のあとに部員に言われた「お前がマネージャーで良かったよ。」って言葉は今思い出しても嬉しい。


3年間、誰かのために尽くしアツくなることで色んな感情を味わうことができた。試合に勝てば誰よりも嬉しかったし、負ければ悔しくて涙することもあった。今までは自分主体で生きていたから、自分じゃない誰かのことにもこんなにアツくなれるんだな、って感じることができた。たった3年間だけど、わたしにとってはすごく貴重な3年間で成長できた3年間だった気がする。忘れられない、忘れたくない時間。


卒業式の答辞でも言ったが、3年間一緒に頑張った部員とマネージャーの相方へ。「”ありがとう”をいっぱいありがとう。」





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?