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ものすごく知らなくて、ありえないほど近い

「世界は広い。だからもっと色んな世界を見に行こう」

よくこんな台詞を耳にすることがあると思いますが、こういう話をすると次に出てくるのは、
「留学に行こう」
「旅に出よう」
といった、物理的に遠い世界を前提とした話であることが多い気がします。

もちろん、まだ足を運んだことのない遠い世界に行くことは、新しい価値観などに出会える素晴らしいチャンスです。
僕も何度も身を以て体験しています。

ただ、今日お話ししたいのは、知らない世界は実はびっくりするくらい近いところにも隠れてるよ、というお話しです。
そしてその世界とは、遠い世界と同様、新しい価値観に気づくチャンスをもたらしてくれます。

これは、最近になってとても感じるようになったお話しです。
もしかしたら、コロナだからこそ気づけたことなのかもしれません。


鶏に触ったこと、ありますか?

突然何の話?と思ったかもしれません。

先日、大学卒業後就職をせず祖母の農家を継ぐ道を選び、農業未経験のなか耕作放棄地で養鶏にチャレンジし始めた後輩のもとに遊びに行きました。

行動力が素晴らしく、勉強熱心でもあり、色んな人から愛される後輩で、めちゃくちゃ僕自身刺激をもらってるのでよかったブログを読んでみてください。

その農園で、実際に鶏に餌をあげたり、解体した鉄を切って売りに行ったりといった、日常生活ではできない体験をさせてもらいました。

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非日常体験だな〜と思ったんですが、考えてみれば後輩の彼にとっては日常

思えば、家の近くの畑を耕している人はどうやって肥料をあげて、何を収穫して、どこにその野菜を持って行っているのか、全然知りません。

農業に関わらず、工場や港、博物館、協会、などなど…
そんな知らない世界が身の回りにびっくりするほど溢れているんじゃないでしょうか。

それを「自分と関係ない場所」とするのは簡単だけど、もしかしたらそんな世界が自分の人生を変えてくれるかもしれない。
人生とまでは言わなくても、もしかしたら生活を豊かにしれくれたり、新しい気づきをもたらしてくれるかもしれない。

そんな日々を豊かにしてくれる可能性がある世界が実は近くにあるんじゃないでしょうか。

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(後輩のもとで鉄を切る作業に挑戦する別の後輩)

少なくとも、僕は後輩のもとで鶏と触れて、その鶏が産んだ卵を食べたら、卵のありがたみがまるで変わったし、食への考え方にも新しい気づきをもらえました。
少なくとも僕にはそんな世界がすぐ側にあったんです。

関係無いという先入観で蓋を閉ざしてしまうのは勿体無い気がしています。


素晴らしい気づきもあれば、受け入れがたい事実もすぐ側にある

話は変わりますが、僕は昨年、不登校の子のための教育事業を立ち上げました。

この事業をはじめて、こんなにもすぐ側にたまたま学校が合わなかったという理由だけで苦しむ子どもと保護者さんがいたのかと、衝撃を受けました。

もちろん「不登校」というワードは知っているし、それで大変な思いをしている人がたくさんいることも知識としては知っていた。

しかし、実際に当事者の人の声を聞くリアルな体験は、ネットで読む記事を何枚積み重ねるよりもはるかに心にのしかかり、受け入れがたい事実でもありました。

そしてそれは不登校に限らず、外国人技能実習生であったり、ホームレスの方であったり、精神障害を患っている方であったり、セクシャルマイノリティの方であったり、枚挙に遑がない様々な問題に苦しむ人がすぐ側にきっといるのです。

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もしかしたら今こうして記事を読んでいるあなたの隣の部屋に住んでいる人も周りから見えない生きづらさを抱えているかもしれない。
今日話した人も抱えているかもしれない。
あるいは、もしかしたらあなた自身が抱えているかもしれない。

「こんなにもすぐ側に見えていないだけで生きづらさを感じている人がいる」
このことは受け入れ難いかもしれないけれど、きっと紛れもない事実なのだと思います。


すぐ近くだからこそ、「気づく力」を

僕たちが生きているこの世界は、「人生を豊かにする出会いも、誰かを苦しめる何らかの社会問題も、気づいていないだけですぐ側にたくさん広がっている世界」です。

そんな「ものすごく知らなくて、ありえないほど近い世界」に、もしかしたら僕たちが生きる意味が埋まっているかもしれません。

「ギターを弾くことがこんなに楽しかったなんて」
「子ども食堂でご飯を作ってあげることが幸せだ」
「あの家のおばあさんは今日も元気かな」

そんな知らない世界との出会いを、関係ないこととして見過ごしてしまうか、気づいてその世界に足を踏み入れてみるか、全部は自分次第。

だからこそ、ありえないほど近くてまだ知らない世界の小さなシグナルに気づいてあげること
そんな力が人生を豊かにして、人生の目的をみつける上で大きな役割を果たすのかもしれません。


「行動」として、一歩踏み出そう

知らない世界に気づくためには、その小さなシグナルを見過ごさずに気づく力が大切です。

だからこそ、
好奇心をもち何事にもトライしてみること。
声なき声に耳を傾けること。
知らないことに蓋をせずに、自分なりに知ろうとしてみること。

そんなマインドで日々を生きていくことが大切なのかもしれません。

そして、個人の力は大したことないから、そういったことを見つけやすそうな人との関わりをもったり、環境に勇気を出して飛び出してみるのもいいかもしれません。

そんな行動によって得られるリアルな体験の先に、あなたの人生の大切な気づきが待っていると思うのです。

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この卵サンドは、冒頭で説明した後輩の養鶏場の卵で作られた卵サンド。
生産者と一緒にその卵を食べる経験は初めてで、うまく表現できないけど、「食べ物をいただく」という何かとても大切なことを教わった気がした。

そんな風に、ちょっとしたことでも、色んな気づきにこの世界はあふれています。

ものすごく知らなくて、ありえないほど近いこの世界にあなたが気づき、より良い人生が訪れますように。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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