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UIデザイナーは「分かりやすさ」を人質にしている。

(タイトルの物騒な感じをサムネイルで少しでも緩和しようとしたところ、思ったよりもナイスシュールになりました)
↓ 素材はこちらのサイトからお借りしました。 ↓


こんにちは。
大阪でwebデザイナーをしているものです。

最近仕事用のXアカウントを作成しました。よかったらフォローしてください。思ったことを発信していこうと思います。
https://x.com/XIN_gissy

webデザイナーになって5年ほど経ち、それなりにいろいろな規模や種類のUIデザインしてきました。今回は、その中で感じたことを書いてみます。

業務の中で、よく「分かりやすさ」を考えることがあります。
”このコピーは誰が見ても理解できるだろうか…”、”このコミュニケーションはユーザーに変な誤解を与えないだろうか…”など、多くの人が見ても一定の理解が得られるように画面を作っていく必要があります。

最近思うのが、自分は「UIの分かりやすさ」を人質にしていないか?ということ。



UIデザインとは?

そもそもUIデザインが一体何ぞや、という話なのですが、以下の説明を引用させてもらいます。

「UIデザインは、ユーザーが何をする必要があるかを予測し、その行動を容易にするために、アクセスしやすく、理解しやすく、使いやすいインターフェースを確保することに重点を置いています」

https://mynavi-creator.jp/blog/article/what-is-ui-design

要するに、「サービスを利用するユーザーが、その中で迷ったり道を間違えたりしないように整備する」のがUIデザインなのかなと思います。

確かに、何を押したらどこに行くのか、何の操作を求められているのかがはっきりしないサービスは使う気になれません。
フラストレーションを感じたり、変なところに誘導されているのでは?と不安になり離脱される可能性があります。

そうならないように、誤解を与えず簡潔明瞭なコミュニケーションを重視するのは当然です。


分かりやすさの罠

ただ、分かりやすさを重視すると、どこかで見たことがあるデザインに帰結しがちでもあると思います。
すごく整頓されているし、分かりやすいデザインにはなっているけど、どこか面白みがない…「無難」の一言に尽きるようなデザイン、よく見ませんか?

無難だったりユーザーに引っ掛かりを残さないデザインも一つのUIデザインの終着点でもあると思います。ストレスフリーでユーザーがやりたいことを最短ルートで行わせる、というのもかなり難易度が高いことです。

ただ、「分かりやすさ」というのは一般的なユーザーからすると「当たり前」なことのため、あまり価値を感じてもらえない側面もあると思います。

その当たり前を突き詰めても、悪い意味でユーザーへの引っ掛かりがない状態になってしまいます。同じようなサービスが無数にある現在、当たり前を享受できるUIのサービスを「また使ってみたい」と思ってもらえるでしょうか?
勿論、そのサービスに独自の機能があり、これじゃないとダメ!という状態であれば使い続けられますが、そういう状況も珍しいのではないかと思います。


「分かりやすさ」と「カッコよさ」の天秤

では、「当たり前を提供するだけでは価値を感じてもらえないならどうすればいいのか?」となります。

僕は「何かイケてる」「なんとなく好き」といったカッコよさを演出する必要があるのかなと思います。
繰り返して使いたい、このサービスを使っている時間は特別、と思ってもらえるような工夫があれば、それが価値になり得ると思います。

ただ、この両要素は天秤のような関係にあります。
分かりやすく、シンプルにしていくと、カッコよさを演出する装飾は優先的に外す対象になりがちです。逆にカッコよさを加えようとすると、シンプルにして担保されていた部分は分かりづらくなります。

極端にどちらかに振るのではなく、その塩梅を見極める必要があります。
その塩梅を見極めることこそがUIデザイナーにできることで求められるスキルだと思います。


デザイナーは「分かりやすさ」を人質にしている

前述のように「分かりやすさ」「カッコよさ」を天秤にかけ、適切に取捨選択していけるスキルはUIデザイナーにとってかなり大事なスキルなのかなと思います。

現状は「分かりやすい」ことを美学としてUIデザインが語られることが多い印象です。
確かに、UIの分かりやすさは情報設計において満たすべき必須の要素だと思います。そもそも分かりにくいUIを作ってしまうと、そのサービスが押し出そうとしている機能の使い勝手を悪くしてしまうので、クライアントに受け入れられません。

逆に言うと、ある程度の分かりやすさが担保されていれば、クライアントからのOKも出やすく、採用されやすいです。なので、UIデザイナーも「とにかく分かりやすくする」ことを念頭において案を作成します。

ただ、その先を考えると、ありきたりなデザインであまり使ってもらえなかったり、似た機能を持った後発サービスにユーザーを取られたりしてしまいます。

そうならないためにも、UIデザイナーは分かりやすさの先である「カッコよさとの塩梅」を見極め、形にしていく必要があると思います。(勿論、独りよがりなデザインではなく、クライアントの事情やターゲットユーザー、利用シーン等の要素も考慮に入れながらデザインをしていく必要があります。)


最後に

いろいろ書いてきましたが、ここで書いている内容は完全私見であり、間違っている自信も満々なふわっとした状態で書いています。
ただ、今のUIデザイン、ないしはデザイナーに違和感を抱いているのは間違いないので、その違和感を忘れないためにも記事にしてみました。

もし、同じ違和感を感じている人がいれば、一緒に考えてもらえると嬉しいです。

最後の最後に、こういうデザインできたらいいな~と思っている、カッコいいデザインを作っているデザイナーさんを紹介させてください。こういうのあったらいいなとは思うけど、なかなか現場的には提案も実装も難しそうです…。
(でも、こんなサイトやアプリをいつか作ってみたい…)
https://www.instagram.com/uxui_howard.le/


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