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株を始める前にまずは「有価証券報告書」を克服しよう(其の2)


其の1で有価証券報告書とはなんぞんやを学んだと思います。読んでない方は是非(https://note.com/g1raffe1ephant/n/n39a1647c52b2)

其の2では有価証券報告書にて「特に読んだ方がいいお勧めするページ」を絞って、そのポイントをご紹介します。


有価証券報告書の「第1 企業の概況」「1 主要な経営指標等の推移」の項目を読みましょう。
ここには複数年に渡る経営指標がずらっと書かれていますが、とりいそぎ、【売上高】【経常利益】の数値を押さえます。

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<確認point>

・企業の状況(企業の沿革、事業の内容など)→会社がどのような思考を持っているのかがわかる

・事業の状況(業績、課題、経営上の重要な契約、研究開発活動など)→ここに会社としての公式見解と対処方法が書かれている。

・設備の状況(設備投資など)→どこにちからを入れて、どこから撤退したいのかがわかる→減価償却(長期使用による価額減少)

・提出会社の状況(株式の総数等、新株予約権の状況、配当政策、株価の推移など)

・経理の状況(連結財務諸表と財務諸表(賃貸対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など)

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<詳細>
・経常利益→結果なので見た方がいい
◆堅調な売上高に見えても、経常利益でみると赤字(数字の横に△マークがついている)、もしくは減少傾向にあるケースであれば、それは何かしらのコストや金融の費用がかさんでいるということになります。

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・売上高→利益と見比べることで質をみれる

・キャッシュフロー:利益を出そうとする努力がわかる

・業績等の概要→例:(営業外収益:本業以外での問題が発生している事を意味する)

◆「業績等の概要」は、その企業にどういった種類の事業や部門・セグメントがあるのか?を知る上で、とても参考になります。
また個社ごとの特徴もセグメント単位で比較すると、特徴(他社との違い)が顕在化してきます。

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・生産、受注および販売の状況→為替相場に影響や円の相場に左右されにくいなどがわかる

・対処すべき課題→~に影響される/~の変更に影響されやすいなどのリスクがわかる

・事業等のリスク→他社との競争激化などがわかる

◆「対処すべき課題」や「事業等のリスク」の項目に関しては、競合他社と比較することで情報の価値が一気に高まると言いますか、そうしないと理解が難しい側面がありますので、できるだけ比較評価をしましょう。企業ごとに掲げる課題やリスクの捉え方には違いがあるので、複数の競合企業の課題やリスクを並べることで個々の企業の立ち位置が見えてきます。

・経営上の重要な契約等→資本・業務締結している会社も頑張らないと沈没するのがわかる

・研究開発活動→どの分野を開拓する気か、その勢いはどのぐらいかがわかる

・財政状態および経営成績の分析→例:(定年退職の退職金で財務状態に影響が出そう)

・従業情報→会社の勢がわかる→(例:どの部門に力を入れているのか)(給料は?平均年齢が高いと勢いがない

◆ここには、【従業員数】【平均年齢】【平均勤続年数】【平均年収】が掲載されています。また労働組合・従業員組合の有無も書いてあります。その会社に勤務する上での重要な情報ですので、必ずチェックしましょう。
また、これらの数値は文字通り「平均」が使われていますので、「最頻値」はどうなのか?という視点を持つのがベターと言えます。


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・関連会社→議論権に対する所有割合/関係内容を確認(例:親会社が持つ売れ残りを子会社に買わせたなど)

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<豆知識>

経常利益
=売上高-【売上原価】-【販売費及び一般管理費】-【営業外費用+営業外収益】

【売上原価】というのは売上高と連動する変動費の意味があり、その内容は業種によって異なります。製造業の場合は、製造に必要な材料費や機器、製造ラインの人員の賃金、工場運営に要した経費などが原価。サービス業ではサービスを行う人員の人件費が原価。


売上高から、この【売上原価】を引いたものが【売上総利益】、または【粗利】と呼ばれます。

経常利益
=売上高-【売上原価】-【販売費及び一般管理費】-【営業外費用+営業外収益】
=【粗利】-【販売費及び一般管理費】-【営業外費用+営業外収益】

ですね。

【販売費及び一般管理費】は販売手数料や広告費、間接部門の人件費や会社全体の福利厚生費、オフィスの家賃や機器の減価償却費、経費等が該当します。【粗利】から、この【販売費及び一般管理費】を差し引いたものが【営業利益】で、これは本業で稼いだ利益と呼ばれたりします。

経常利益
=【粗利】-【販売費及び一般管理費】-【営業外費用+営業外収益】
=【営業利益】-【営業外費用+営業外収益】

で、この本業で稼いだ利益(営業利益)に金融の稼ぎ(配当金や受取利息)や費用(支払利息)を加えたものが【経常利益】になります。


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