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四大卒20歳計画(仮)

今回提言する話は昨夏の旅行でお世話になったスーパーホテルの大浴場で降ってきた案。人間、リラックスした状態だとクリエイティブな発想が喚起されるのでしょうか。嗚呼、早く温泉に行きたい。。

前回のあらすじ

少子高齢化を食い止める上では女性の社会活躍が鍵になってくるが、阻害要因として以下の2点を挙げた。

社会活躍にウエイトが置かれる要因
(=女性自身の活躍により婚期や出産期が遅れる、または結婚・出産を諦める)

経済的に困窮する要因
(=女性が労働をセーブする、または諦めることで世帯年収が下がり、子どもを産み育てる余裕に限界ができる)

これを克服し、少子高齢化に歯止めをかけるにはどうすればいいか考察したのが今回のトピック。

出産できる年齢層は限られているため、少子高齢化を食い止める(=産む子供の数を増やす)ということだけを考えれば「できるだけ早い年齢で最初の出産をする」ことが重要になると思う。ただ、先に述べた通り、経済的自立(≒女性の社会活躍)がなければ現実的には厳しい。

とすれば、女性が早期に経済的自立を果たせる、社会活躍をできるだけ前倒しできる制度設計に変えていくべきではないか?

女性の社会活躍が進み、かつ子供を産み育てていける環境の実現。

それを実現するポイントはズバリ、教育制度を改革することにあると思う。

日本の学制

第2次大戦後、米国からの提言により小学校6年、中学校3年、高校3年、大学4年のいわゆる「6・3・3・4制」を導入している。

日本では飛び級の文化が浸透しておらず年齢で横並びというのが一般的なので、高校卒業が18歳、四年制大学卒業が22歳というケースが多いだろう。

これを高校卒業16歳、四大卒を20歳とするよう改革する(=現状の制度より2年早く社会進出を促す)、という提案。これがいわゆる「四大卒20歳計画(仮)」である。

これを踏まえ逆算して学制を考えることになる。個人的な案としては

【A】 「5・3・3・4制」(小学校5年、中学校3年、高校3年、大学4年)

【B】 「6・5・3制」(小学校6年、中高一貫5年、大学4年)

の2案を挙げたい。

概要

① 未就学期間
お気づきかもしれないが、この案を適用すると四大卒20歳に対し、学制期間は15年となる。

つまり、幼稚園・保育園を5歳で卒業することになる。このトンデモ政策を実現するということは幼保1年+義務教育1年=計2年短縮することに相当するのである。

初等教育を軽視しているとの批判があるかもしれないがむしろ逆で、思考が柔軟な幼齢期から高等な教育を経験させていくことは将来的にも大きな財産であり、重要な初等教育と考えている。

そしてこれを実現する上で重要となってくるのが「幼保一体型」のインフラ推進(いわゆる「こども園」)だ。

今や「共働き世帯」が当たり前になったこのご時世で、厚労省管轄の保育園、文科省管轄の幼稚園、という縦割りそのものが時代錯誤。それならば、「共働き世帯」をある程度前提として幼保一体化を進めることで、受入体制の強化、教育水準の向上を狙う。

② 小学校~高校
個人的には小学校6年は長いと思っている。小学校5年、大学3年くらいで丁度よく、その分早く社会進出すべきでは、と思う。

私立を中心に増えている中高一貫教育を念頭に置いているのが【B】案となる。【B】案のメリットは小学校卒業が11歳と現行比1年短縮で済んでいる。これに対し【A】案では幼保で1年、小学校で1年短縮しているので、小学校卒業が10歳と2年前倒しとなる。【B】案は低年齢での中学校入学への抵抗感をかわす狙いがある。

ただ、筆者は【A】案を推したい。中高一貫教育は幼保一体型と近似した考え方になるが、集中的な教育体制の確保により教育向上及び早期の社会進出を促すことが期待される。

一方で多感な思春期の真っ只中を、固定化された環境下で過ごさせることには懐疑的である。(欧米は知らんが)日本のスクールカーストは大物議員の地盤並みに盤石で(そういうのは田舎だけ?)、価値観や思考の停滞を招く恐れが強いと思っている。「いじめ」などにより今の環境から抜け出したいと思っている生徒も多い時期だと思う。

多感な年ごろにおいては成長も早く、むしろ子どもの成熟に応じて多様な環境や進路決定の選択機会を用意することが大人の責任ではないかと考えている(中高一貫出身の人ごめんなさい)。

③ 大学4年
個人的には「大学4年も長い、3年で十分」だと思っている(ちなみに筆者の出身校では成績優秀者は3年で早期卒業できる制度があった気がする)。そういう意味で短大の制度って悪くないな、とも思う。

ただこれに関しては、学生時代あまり勤勉でなかった文系出身の筆者の偏見も強いと思っていて、研究機関という位置づけや勉学に励む学生のことを考えれば、最低限4年くらいは必要なのかな、とも思う。

④ 就職
こうして20歳で四大卒を迎える。進学する人もいると思うが、多くの人々がこのタイミングで就職し社会人となる。

つまり、現行の学制より「2年早く働き始める」ことになり、「2年長く働き続ける」ことにつながる。

これが生み出す効果とは何ぞや、という話になるのだが、ここで冒頭に述べた「少子高齢化抑制に必要な女性の社会活躍についての阻害要因」と照らし合わせて見ていきたい。

具体的効果の考察

①  社会活躍にウエイトが置かれる要因
(=女性自身の活躍により婚期や出産期が遅れる、または結婚・出産を諦める)

⇒ 「2年早く働き始める」
現行より2年早い社会進出を促すことで、社会人として脂の乗る中堅社員にまで成長した状態でキャリアの選択が可能になる。

※四大卒20歳になれば、例えば28歳で結婚、30歳で出産とし考えても、10年のキャリア持続は可能。十分なキャリアが裏付けられれば結婚や出産にも踏み切りやすいのではないか。技能の習熟度も高まるので、育休後の職場復帰へのハードルも下がることもポイント。

経済的に困窮する要因(=女性が労働をセーブする、または諦めることで世帯年収が下がり、子どもを産み育てる余裕に限界ができる)

 ⇒ 「2年長く働き続ける」
ザックリ言うと生涯年収が上がる。まあ初任給レベルでは知れてるだろうが、2年早く社会に出ればその分貯蓄することもできる

若いうちにそこまでライフプランの意識を高められるかは別だが、これにより若者の貧困問題に一石を投じられれば経済的な阻害要因はクリアできうる

…と、ここまで述べたのが「少子高齢化問題」「女性活躍推進問題」にスポットを当てた具体的効果になるが、

実はこのトンデモ政策…昨今の人手不足問題、貧困問題、待機児童問題、ブラック教師問題、年金問題をも網羅する画期的な政策だと(勝手に)思っている。

そこまで一気通貫で書こうと思ったのだが、ことのほか長くなりそうなので次回にしたい。—

このトンデモ政策、長らく温めてきたネタで関係各所に声高に吹聴してきた割に、政策色が濃くハードな話になっているのでだいぶ手持ちしました。対峙すべきハードルもあるのでしょうが、そこは無視する方向なので何かあればご意見ください。

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