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すぅぱぁ・ほろう

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バイト先で出会ったスーパーの女性は首無しだった。異形の者とそれを取り巻く人々との交流の中で、少年は己の使命を見つける。
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記事一覧

すぅぱぁ・ほろう(1)

ぎょっとした。 部屋に入ってきたその人には首から上が無かったのだ。 【スーパー・サンライト…

すぅぱぁ・ほろう(2)

スーパーに勤めて一週間が過ぎた。 他の従業員は、しおり・クヒナと毎日楽しくおしゃべりをし…

すぅぱぁ・ほろう(3)

普通の人が初めて頭部の無い人間を見たら、叫んだりその場から逃げ出したりするのだろうか。 …

すぅぱぁ・ほろう(4)

夢を見た。 男は諸国を歩きながら修行していた。 たくさんの飢えや疫病に苦しむ人々を見てきた…

すぅぱぁ・ほろう(5)

昨晩父親が言った「首無しの鬼」とは、しおり・クヒナの事を言っているのだろうか。 たしかに…

すぅぱぁ・ほろう(6)

放課後、まっすぐにスーパー・サンライトへ向かった。 いつものように従業員出入り口から入る…

すぅぱぁ・ほろう(7)

日曜日はバイトが休みだった。 何も用事が無かったので、浄山上人が書き残した和紙とにらめっこをしていた。 達筆すぎて自分ではほとんど読めないが、文面から何か感じ取ろうと試みてみる。 しかし小一時間経っても何も得るものが無かったので、呪符の書き方くらいはマスターしておいた方が良いと思ってノートに書き始めた。 それから暫くして、ちょうど書き写すのに飽きてきた頃だった。 神川とおるが自宅にやってきた。 「みのる~、とおるちゃんが来たわよぉ」 母が1階から呼ぶ。 とんとん、と降りて行

すぅぱぁ・ほろう(8)

自宅から嶺前塚までは自転車でだいたい20分程の距離だ。 バイクでは10分もかからず着いて…

すぅぱぁ・ほろう(9)

次の日、学校で神川とおるとは何度か会話をしたが嶺前塚の話はしなかった。 彼が気を使ってい…

すぅぱぁ・ほろう(10)

学校へ行くと、クラスの数人が集まって話をしていた。 「昨日の交通事故、凄かったらしいね」 …

すぅぱぁ・ほろう(終)

「う…」 身体のあちこちが痛む。 どの様に飛ばされたかは憶えていないが、とにかく頭を打たな…