ワールドカップ、日本代表敗退を受けて。

 日本がクロアチアに負けて、決勝トーナメントの敗退が決まった。まだワールドカップは終わってないが、自分の気持ちを書こうと思う。

 今回のワールドカップは、日本が劇的なグループリーグの突破を見せたにも関わらず、自分は気持ちが乗り切れなかった。最初のドイツ戦は家の中で叫び声を上げるほど興奮していた。優勝候補と言われるドイツに逆転勝利するなんて、試合が終わってもしばらく実感が沸かなかった。その二日後くらいに、ドイツ戦のチームの裏側を撮影した動画がSNS上で大変な評判を得ていたが、自分はあえて見なかった。まだ戦いは続いているのだから、過去を振り返るのは早いと思った。
 しかし二戦目のコスタリカ戦、日本はこの試合に勝てば決勝リーグの突破がほぼ決まるにも関わらず、ターンオーバーをとって主力選手を休ませ、点を取ることに非常に消極的な戦いを見せた。前評判から言えば、最も勝ちやすい相手であったことは間違いない。実際試合を見ても、選手の技術は圧倒的に日本が上回っていた。しかし日本の攻めは非常に単調で、中盤はバックパスを繰り返し、後半もそれは続いた。選手の能力を活かすのではなくて、あえて殺しているように見えた。そして終盤、コスタリカに一点を先制されそのまま負けたのだ。選手たちは監督の指示に従わざるを得ないのかもしれないし、監督も格下相手に不用意な失点を抑えて手堅く戦うという戦術を描いていた可能性もあるとは思ったが、それでも自分は怒り心頭だった。コスタリカに負ければ、次はあのスペインと戦わなくてはならない。ドイツ戦の奇跡のような勝利をふいにして、グループリーグ突破の一番の可能性を、選手と監督はみすみす手放したのだと思った。SNSでは選手や監督への激しい批判が行われると同時に、逆に彼らを擁護して信じ続けようとする声も少なくなかった。自分は後者の人々が愚かで、ワールドカップやサッカーへの情熱が乏しいのだと決めつけていた。
 そして三戦目、日本はスペインに逆転勝利してグループリーグ突破を決めた。とても嬉しかったが、試合中は違和感をずっと感じていた。試合にあまり入り込めない、気持ちが乗らない。どこか自分を客観視する感じが抜けなかった。スペイン相手に見事に戦う日本代表を見て、三度目の手のひら返しをする自分に気づいていたのだ。自分は選手たちと監督の、想いも力も信じていなかった。単に彼らを利用して、精神的に気持ちよくなろうとしていただけではないのか。今の自分に、彼らと想いを乗せて、共に戦い、喜ぶ資格があるのかわからなかった。

 今になると、あのときSNS上で日本代表を信じ続けていた人たちが本当のサポーターだったのだと思う。何かを書き込んでいなくても、かなりきつい批判に自分も同調していたのは間違いない。しかし選手たちは最後まで自分たちを信じて戦っていたのだ。控えの選手ですら世界トップレベルが連ねるあのスペイン相手にも全力で戦っていた。
 クロアチアにPKで負けたが、誰も責める気にはなれない。南野も、よく今まで日本代表を引っ張ってくれたという気持ちだし、むしろ彼が自分を責めたり、誹謗中傷を受けることで悪影響を受けないか心配だ。

 こんなところだろうか。選手や監督は批判を受けるが、自分はどんな恥ずかしい応援をしても、誰にも責められることはない。だからあえて恥を晒すことにした。ずいぶんと自分勝手だが、四年後の自分は誇り高い日本代表のサポーターでいたいと思う。

 頑張れ!ニッポン!!

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