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テストの答え方は国語授業の毎時間の積み重ねで身につけさせる

テストの答え方にはいくつかのパターンがある。パターンの1つに、「文に関する問題」がある。「文に関する問題」には、例えば、次のようなものが考えられる。

1.主語・述語・修飾語を指摘する問題
2.単文・重文・複文といった文の形を指摘する問題
3.文の種類を問う問題。
4.文を完成させる問題。

1.主語・述語・修飾語を指摘する問題
2.単文・重文・複文といった文の形を指摘する問題

などは、教科書の学習内容にも含まれている。

3.文の種類を問う問題。
4.文を完成させる問題。

などは、教師が授業の中で持ち、子どもたちに意図的に指導しなければならない。

 上記4つの指導について共通して言えることは、一度行えばよいというものではない。身につくには繰り返し指導して定着するのに1年以上かかる。子どもたちの中には、1年かけてもなかなか定着しない子もいる。国語の学習やテストのやり直しの時などに短い時間で指導を行わなければならない。

1度指導して、これでどの子もテストの答え方が身についていると教師が考えるのは間違いである。


国語の学習で指導する

「文に関する問題」を国語の学習の中で指導するにはどうするか。小学校4年「ごんぎつね」を例に紹介しよう。

 音読練習を行い、全員がスラスラ読めるようになった後の指導になる。
次のように行う。
指示 「ノートを開きましょう」
全員がノートを開いたら次の指示を出す。
指示 「新しいページ、一行目、一番上に①と書きなさい」
発問 「この話の題名は何ですか。①の下に答えを書きなさい」
全員が書き終えるのを待たない。クラスの数人が書いた時点で、指名し、答えさせる。

指示 「①の下に、「ごんぎつね」と書いた人。赤鉛筆で○をつけなさい」
このようにして、問題を出し、答えを書かせる。この問題に国語テストの基本パターンに関する問題を取り入れていく。そうすることで、児童の文章読み取りの力が高まる。

 このようにして次々とテンポよく問題を出していく。

指示 「一行開けて、一番上に②と書きなさい。(全員書いたことを確認して)一文目。『これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんから聞いたお話です。』から問題を出します」
発問 「この文にある主語は何ですか。②の下に答えを書きなさい」

子どもたちの多くは、「わたしが」だけを答える。教師は、「違います」と端的に答える。正解は、「これは」と「わたしが」である。このように授業の中で文に関する問題を扱っていく。短時間でよい。一年間の積み重ねが、児童の力になる。

 さらに、③とノートに書かせて、次の問題を出す。再び同じ文からである。
発問 「『わたしが』 に対する述語は何ですか。③の下に書きなさい」
まずは、簡単な方から聞く。答えは、「聞いた」である。すぐに次の問題を出す。
発問 「『これは』に対する述語は何ですか。④の下に書きなさい」
答えは「お話です」になる。4年生ならば、次の補足をする。
説明 「文の中には、主語は1つ、述語は1つというわけではありません。主語が2つあって、述語が2つあることもあるのです」

高学年であるならば、「単文」「複文」「重文」について教える。中学年ならばこの程度でよい。さらに同文から次の問題。
発問 「「これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさん
から聞いたお話です。」を「これは」「わたしが」ではじまる2つの文に分けなさい。」
例えば、
「これは、お話です。」
「わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんから聞きました。」
となる。日本語としておかしくなければ正解になる。ここで難しいのは、主語と述語を正対させることである。そうしないと、
「村の茂平というおじいさんが話しました」
という別の述語が入ってくることになる。
 ここでも全員を待たない。はやくできた子を指名し発表させる。わからなかった子にも友達の正解した文を聞かせて、必ずノートに書かせる。毎時間の積み重ねが、子どもにテストのとき方を身につけさせていくことになる。

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