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☆10年苦しんだうつからの大逆転☆

人生倍返しなんてもんじゃない、5倍、10倍返しをおみまいしてやる! うつは心の中に咲く花 7

さて、P先生のレッスン、ピロートレーニング(略してピロトレと言います)は、かまぼこ型の30㎝程の大きさの首枕を使ってそれを首にあてがい、寝たまま行うという一風変わったものです。寝ながら楽にできるので、この枕の正式名称は「楽ちん枕」といいます。この楽ちん枕を使いながら、レッスンはごく簡単だけれども、毎日自分で復習することがかなり重要です。

私は小・中くらいまでは予習復習を欠かしたことのない「いい子(後々思うといい子過ぎたのですが)」だったので、そのうちきっと体がよくなるんだろうくらいに思いながら、地道に家で毎日教わったことは復習していました。夫からすると、妻が何やら小さい枕を首にあてがって「あへあへ」だの「もじもじ」だの言いながら体をあちこちに動かし、たまに「にかーっ」と笑っているので、こいついよいよおかしくなったのかと思っていたそうです。

変化はある日突然やってきました、というか、変化にある日突然気づきました。あれ?肩軽くなってないかな?試しに首を回してみると見事に左右180度回りました。360度回るとエクソシストになって恐怖ですが、幸い180度でした。それも楽々と、どこも痛くなく左右に回るので、ほーっと感心しました。あれほど痛かった肩が軽くなっていて、痛みもない!これが、毎日コロコロと枕の上で首を動かした効果なのかと。

次に気づいたのは、足が軽くなっているということでした。いつものように歩いていて、突然、あれ、足が軽い、というか下半身が軽い!飛ぶように歩いている!それまでは足を引きずって歩いていたのに。これには歓喜しました。こんなに、こんなに自分の足が軽いなんて!それまでずるずる引きずっていやいや歩いていたような足でしたが、軽くなるとともに速く歩けるようになって、いつも道を歩けば人に抜かされてばかりいたのに、自分が遅い人を抜くようになりました。すごい変化!

この2つの出来事で、自分のやっているトレーニングは本物なんだ、本当に自分の体が楽になるんだ、と確信しました。

さて、もとはと言えば、バイオリンがきっかけです。体ががちがちで、肩甲骨を伸ばすどころではなく、腕さえも伸びず、1年たっても満足に弓の引けない私をP先生に紹介してくださったT先生なくして今の私はありません。T先生、P先生ともに私の大恩人ということになります。

では、体がゆるめば(ピロトレではゆるむ、という表現を使います)どうなるのか?きっと私も体がのびのびとゆるむに従って、バイオリンも上手になる筈!なんて素晴らしい、健康と芸術とが一気に手に入るなんて、一石二鳥だわ!きひひ(笑)、とほくそ笑んでいました。

ところがどっこい、バイオリンはそんな生易しいものではありませんでした。最近でこそ、弓のかなり端から端まで引けるようになりましたが、肩甲骨から動いていることを感じることはなかなかできません。体中で演奏するということは、なんと難しいことなのだろうと思います。しかも小さい頃から高校生までやっていたピアノの指運びがバイオリンの指運びとは相当違っていて、戸惑うこともしばしばでした。先生には何度も何度も直されるし、弓の軌道はぐにゃぐにゃかすかす曲がるし、ろくな音は出ないし、楽譜を見ればこんなのピアノなら小学2年生でも弾ける、という曲がまったく手に負えないし、何度もくじけそうになりました。そのたびに、「1年は必ず続けるから!」と宣言した手前辞めるわけにはいかないと、自分を叱咤激励しては練習に励む毎日でした。

言霊の威力は凄まじく、1年を過ぎたころ、がっくりとやる気がなくなりかけました。うーむ、練習したくないけど、辞めたくもない。で、「もう5年は頑張るから!」と目標を少し遠いところにおいて、またまたやる気を復活させました。そして、まだへぼいバイオリンをきーこきーこと弾いています。

しかし、バイオリンを始めて少したったころ、私は言ってしまっていました。「先生、私80歳になったら音大に入りますから。その時には新聞記事にしてもらって、先生と一緒にピースしている写真を撮ってもらいましょう!」まあ、目標地点は遠く難しいほうがこの先飽きないだろうと、その場で思いついたジョークに過ぎませんでしたが、T先生はなんとも言えない表情を浮かべながら、「そ、そうね、それもいいわね。」と同意してくれました。その時にどんなことを考えられておられたのやら、いやいや、今にして思えば冷や汗ものです。それに、それから先生のレッスンが厳しくなっていったような。。。

そんな私にT先生は最近、「天然ボケの変人」というすごいあだ名をつけてくださいました。変人ということには同意しますが、はて、私は天然ボケであっただろうか?まあでも大変ありがたい称号として、せっせと使わせていただいております。

そうこうして日々は飛ぶように過ぎていきました。バイオリンは相変わらず下手だし、P先生のレッスンも一向に終了の気配がないし、でももう気楽に生きると決めたので、大した心配もしていませんでした、とはいえバイオリンの腕が上達しないのにはかなりへこたれていましたが。

そして、コロナがやってきました。

では続きはまた後日。

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