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神の中に我を見る「か・我(が)・み」→鏡

(画像は堺市博物館蔵の鏡)

現代の鏡といえばもちろん、ガラス製ですよね!

鏡は、私たちの普段の生活にしっかりと根付いています。

でも、もともとの鏡ってどういう物だったのでしょうか?

・・・・鏡は弥生時代に中国大陸から日本列島に持ち込まれたものでした。

三角縁三神三獣鏡(奈良県新山古墳)ウィキペディア「銅鏡」より


方格規矩四神鏡 ウィキペディア「方格規矩鏡」

形は円形で青銅製。

模様が施された面の裏が磨かれていて、その面が弥生人や古墳時代の人の顔を映したのですね。
この青銅製の鏡が形を変えながら江戸時代まで使用されました。


今のようなガラス製の鏡は明治時代以降の製品になり、それまでは青銅製の円形の鏡が主流でした。

卑弥呼の鏡

弥生時代、有名な「卑弥呼」(日巫女)。

魏という国より銅鏡100枚を贈られた、という記事が『三国志』に載っています。
鏡はこの時代、これ以上ない宝物だったのです。

それはそれは精巧な装飾(神様や仏様や獣が描かれています)が施されて、異国情緒たっぷりです。そして、裏返してみると丁寧に磨かれた凸面があり、そこに自分の顔を映すことが出来ます。

もちろん鏡として使用された可能性はありますが、主に「持っていると格があがる」威信材としての効果がありました。

さて、古代の中国「魏」より、邪馬台国の卑弥呼のもとに届けられた青銅の鏡。
一体どのようなものだったのでしょう?

実は・・・・よくわかっていません。

☆方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)?

☆三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)?

ウィキペディア「神獣鏡」より

☆画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)?


実は鏡にはいろんな模様が存在し、いろんな種類があるのです。


・・・・さて、弥生時代の鏡は中国からの輸入品がメインです。
(朝鮮半島からの輸入品もあり)

近くの博物館で、もし弥生時代や古墳時代の鏡が展示されていたら、どのような模様の鏡が置いてあるのかチェックするのも楽しいかもしれませんね。

謎を解く楽しさ


鏡は弥生時代や古墳時代、これ以上ないくらいの宝物でした。精巧な模様は神仙鏡のイメージを表したものだったり、世界観(言い過ぎかな?)の表れだったり、強いて言うなら「ゆたかさ」「高級さ」そのものでした。

そして、弥生時代や古墳時代の鏡は、現代の鏡とは全くの別物です。
このような発見と違いを楽しむのは、考古学の楽しさですね。

卑弥呼が贈られた鏡は実は、未だ、どのようなものだったか解明されていません。
謎を解くのはあなたかもしれません!

最後に


古代の鏡の模様によく「神」が登場します。

神が描かれている「かがみ」

神の中に自分を映す・・・・つまり神の中に我を入れて 
か・我(が)・み。
というように解釈もできますね!

考古資料は決して考古学者だけのものではありません。多くの人が古代の遺跡や遺物に親しみ、楽しめば考古資料もきっと喜びます。


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