吹雪のように先が見えない年明け

田舎+雪国は車が埋まると1日終了なので、そうならないよう冬の間中(1年の約1/4)は毎日せっせと雪かきです。

この時間と労働力を何か別のことに向けられたら、人生全体の生産性はどれくらい上がるだろう。

何もしなくても庭が一年中普通に出歩ける状態で、毎年タイヤを取り替える必要も、水道が凍って出なくなる心配もないどころか、元旦に初日の出を拝めるような天候に恵まれている地域が同じ日本にすらあるということをnoteを見て知った。

私は日本中色々な所に住んできたけれど、元旦といえば大体帰省していたので、エブリイヤーエブリデイ雪かきの年明け正月以外をほぼ知らない。

赤道の反対側では花火を打ち上げていたり、そういう国に旅行して年明けを過ごしている人たちもいるのに、私はなぜこんな苦行の中にいるのだろう。

しかも今年は母宅にいるため、自ずと不仲両親の間をとりもつ役割も降ってきて、精神的にも削られた。

昨年末、
「元日はババも一緒に家に来ないか、おせちも頼んだので」と父から言われ、
「わかった、話しておく」と伝書鳩になった私。

早速その旨を母に伝えると「はぁ??絶対ヤダ。ずーっと連絡も寄越さないで何で今更?」と当然拒否られる。

「でも離婚してないんだし…正月くらい来いってことじゃないの?」と私。(というかそんな状態なのになんで離婚してないの?一体二人ともどうしたいの?と突っ込みたい)

問答の後、「とりあえず考えさせて」となる母。

父の方にはありのまま、「元日の件、母さんに伝えたら、考えさせてって言ってたけど、多分私が言っても来ないと思うから、なんだったら直接連絡してみて」と伝える。

その2日後、父から直接母にメールが来る。それでしぶしぶ母は行くことにしたものの、、

迎えた元旦は、吹雪がひどく(ホワイトアウト)、「なんでこんなときにわざわざ行かねばなんねーじや!やっぱり行かねえって連絡しろ!!」と朝から機嫌が超悪い母。

結局、雪かきした後に出発。2WDの私の車だと埋まる危険性が高いため、母の4WDで行くことに。吹雪の山の悪路を運転しながら、父の家に近付くほど母の顔は曇っていく。

やっと実家の敷地に到着するなり、なぜか突然どうでも良いことで母がキレ出す→「手土産裸で持ってったら格好悪いでしょ?!汚れないように普通紙袋とかに入れてくるべな!本当そういうとこ常識ねーなお前は!!」
私「(;゚Д゚)…(完全に気が立ってて八つ当たりだろうな…)」

そのとき、雪かきしていた父が私たちに気付き、手を振って車を誘導し出すものの、母は父の方を見ようともしないので、こちらを向いたまま「どこに停めればやーじや!」とキレ続けている。。

そんな感じで始まった正月。。。

家に入り、おせちを広げると、娘が生来のひょうきんさで場を盛り上げてくれ、父にも母にも次第に笑顔が出てきた。

けれど、これまでの長い経緯と母の裏の感情を知っている私だけがモヤモヤ。白々しい「家族ごっこ」にイラ立ちつつも我慢して、どんどん気分が落ちてくる。ただ黙々と目の前のものを食べるのに精一杯。

それだって父の作った蕎麦を、父が席を外した隙に母がつまみ食いして、「味薄ッ!醤油足した方いいよ」とヒソヒソ言ってくる。黙って食べてると、「そんな美味しいの?それw」と揶揄してくる。どこまでも父をdisって下にしたいらしい。

家庭内いじめ、いびりみたいなこういう雰囲気に加担させられているようなのも嫌だし、嫌なことばかり思い出す。自分のことまで嫌になるし、早くこの場から解放されたい、、、としか思えないのに、私自身が伝言係を請け負って、この場を作った(母を連れてきた)という矛盾。

私はただ、両親が決裂したまま別居していても幸せそうではないので、何でもいいから向き合ったり、少しでも話して前に進むためのきっかけや場があれば、、との思いだった。

でも結局、今日は当たらず障らずの表面的な(でもお互いに思いやりのない、乾き切った冷たい)会話を僅かにしただけで終わった。まぁ私たち(娘と孫)も同じ場にいるし当然とも言えるけど…

伝言係としての私の奔走も、労力の割に何の収穫もないどころか不快になるだけで、不毛な努力だった。


なぜ、離婚しないのだろう。なぜ、向き合うことから逃げて、現状維持したまま文句や不満だけ言い続けるんだろう。なぜ、自分の人生を幸せにしようとしないのだろう。
もう歳だから?面倒くさいから?…

同じようなことは私自身にも問える。
なぜ親の言いなりになるのだろう。なぜ断らないのだろう。なぜ、文句や不満を言いながらも田舎に住み続けるのだろう。なぜ、自分の好きなところで好きに生きられないのだろう。…
…どこか遠い所に行きたい

しかし、現実の厳しさだけが立ちはだかる。

きっとこの雪の空の下には、同じような田舎の幾万人が、寒く冷たい現実に耐えている。

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