ヒトが足んねえからって言っても、正社員はコストなんだよ!

というのがカイシャの本音なんでしょ。

人手不足が叫ばれている昨今ではありますが、非正規から正規雇用に転換できているのが7%しかしないそうです。
つまり、人手が足りなかろうがなんとしてでも正社員にカイシャはさせたくたくないんです。
理由はカンタン。
コストになっちまうから。

日本における正社員は長期雇用が大前提で、学校を卒業してそのカイシャで定年まで勤め上げる、いうなれば「奉職」するのも前提にあります。
ですので、福利厚生を含めて手厚い待遇を授けますし、余程のことがない限り辞めさせることもありません。
その代わり異動すごろくを受け入れろや!とはなります。

そんな正社員でも20世紀の頃は総合職と事務職と分かれていて、特に後者はほぼ女性だけでした。
要は事務職は総合職のサポートに徹していろということでもあり、さらに出産や結婚なんかで辞めちまうんだから、それで十分だろとカイシャが決めつけていた節もあります。
特に昭和脳の慣行が蔓延っていたカイシャでは。
最近はそういう括りは減りましたが、今度はその事務職にあたるところに契約社員や派遣社員を入れるようになったのです。
要は事務って言うのはカイシャからすればカネを産まないからそれで十分だろという新たなバイアスが生まれたのでもあります。

そして工場などの現場も正社員から派遣社員への切り替えが爆増しました。
要は需要のボリュームの増減に対応して、正社員を多く囲っておくより派遣社員ばかりにして需要が増えたら受け入れて、需要が減ったらクビを斬りゃいいんだ的な感じで。
これによって現場レベルのものづくりのノウハウが伝承されることがほぼ無くなり、日本のものづくりの力が衰えていったといっても差し支えは無いでしょう。

要はデフレスパイラルが続いてしまったことで、カイシャは絞り切れている雑巾をより絞ろうとして、ヒトというのをコストと見なして正社員からジャンジャン身分と落としていったのも大きいでしょう。
そして契約社員や派遣社員を調整弁のようにしてコントロールをしているとも言えるのでしょう。
あとは子会社を作って賃金を下げて転籍させるのもそれにあたるでしょう。
一方で内部留保という名のぜい肉を異様なまでに蓄えているんですし。

私も非正規雇用で働いている経験はあります。
派遣社員を数年してから契約社員に転換はしたけど、オトナの事情で契約終了になってしまった例もありますし。
(ただ事前通告も有った上に退職金を積んでいただけたので恨んではいません)
他にはプロゴルフ大会を開催できるくらいの某大手電気機メーカー系の請負子会社にいたときなど正社員への道がエベレストの登頂くらいに感じましたし。
そもそも頑張れば正社員に・・・という一点張りで、そのプロセスが可視化されていませんでしたし。
要はハードルを絶壁にして正社員にしたくねえんだなとは思いました。

世間の一般的な流れとして、最前線は非正規雇用のニンゲンを需要に応じて配置して、正社員はその管理に徹しておけば良いとなるのです。
そして役員は自分たちの保身のために責任を取らず、三菱電機の不正問題のように縄張りを作ったり、東芝のように会社の存亡に関わる不正に手を染めるんですよね。
その東芝は「チャレンジ」という名の巧妙な手口でかつ大規模な不正経理を全社規模で展開したあげく、大赤字になり稼ぎ頭を続々と切り離したうえに経営陣も迷走して、結果として海外のハゲタカから身を守るために国を挙げて上場を廃止しましたよね。
ま、「チャレンジ」は無茶なPDCAのモデルケースとしても非常に有名な事例ですけど。


思うのは正社員っていうのはいろいろな面でカネがかかるから、いろんな理由を並べて作りたくないんだろうなと思うのです。
できれば一流大学を出たヒト達に入社してもらってそいつらを幹部候補生として正社員雇用にしてオレ色に染めていくんでしょうし。
それでも、できすぎる(ないしは結構な自信がある)ヒトほど早く辞めていくんですよね。
一方で他社から三顧の礼で迎え入れた方にはより高い待遇なのですよね。
これもカイシャ内での妬みの原因にもされてしまいますが。

そして正社員雇用で入れたとしても、出産などを理由に実質クビにされてしまう例がまだあるのですし、例え復職できたとしても出産前のポジションに戻らせてくれない例も多いと聞きます。
それこそ出産後復帰するにもカイシャ側も派遣社員や契約社員などで働いている例も多いそうですし、中には子供の体調不良等の休みを理由にクビ(ないしは契約終了)にしているカイシャも多いらしいです。
結局のところは多くのカイシャの慣行が男尊女卑があたりまえの昭和時代のままアップデートされてないんですよね。
そいつらのオツムは代えなんかいくらでもいるんだよ!というこれまた男尊女卑な昭和脳なんですよね。
ダイバーシティなんて日本の「伝統的な」会社では絶対に実現しやしませんし。
だいぶ考えを改めているカイシャも増えてきたとはいえ。

一方で女性社員だけのベンチャー企業でも妊娠をしている方は採用しないのだそうです。
代えが採用しづらいというのが理由なのだそうですが。

正直非正規の正規転換をしないという流れは変わらないでしょ。
そして正社員と非正規の差は開き、ひいては貧富の差は拡大していくのです。
ま、noteでリア充ぶりをご披露なさっている方々は高給取りの正規雇用か、サラ金かローンかはたまた太客か何かでカネを調達して無茶に自分をショーアップさせているんでしょうし、ね。
私の場合は無い袖をなんと振って、あちこちからカネを寄せ集めてやっていますし、必要以上にカネをかけることなんかしてませんし。
正直言って60位で人生を強制的に終わらせるつもりでいますので、NISAとか考えていませんし、今のカイシャに希望なんか持てませんので。

一番良いのは仕事中にポックリ逝くことでしょうね。
運が良ければ公的なおカネが出ますから。


で、正規雇用と非正規雇用の問題を政治がカバーできていません。
やることはセレブな勝ち組企業の集まりである経団連に賃上げしてよ!とゴマをするだけですし。
一方で正社員クラブでもある連合が賃上げせいや!と気勢を上げてるみたいですが、弊社のような中小の下請け派遣カイシャには残念ながらそれは届きません。
(しかも弊社は実力主義の名の下にベアを一律にやっていない節がありますし)

日本全体を見ても物価は上がろうが、賃金の上昇がそれに間に合っていません。
賃金がずっと上がっています!と言ったところで、実質賃金がずっとマイナスなのがその証左でしょ。
そして経団連に直接加盟している勝ち組企業の連中どもはサラリーが爆増して、より豊かな生活をしてるんでしょうし、それを狙ってオンナが群がるんでしょうからね。
特に港区女子と言われている連中が。

#日経COMEMO #NIKKEI

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