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横綱と小結が戦っている感じでした

2023年1月8日、国立競技場で行われた第59回全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝、帝京大学対早稲田大学。

同じ関東対抗戦Aグループに属し、そちらの対戦でも帝京が勝利していました。
1月2日の準決勝では帝京が筑波を大差で下し、早稲田は京都産業に僅差で下しての勝ち上がりでした。

まず帝京が先制するも早稲田が追いつきさらに逆転するという展開でこの時ばかりは早稲田ファンの応援は凄まじかったです。
(そういう時の早稲田の圧って凄いわと実感しました)
ただ帝京もそこで焦ることもなく逆転して28対12で折り返しました。

しかしながら後半は帝京がとんでもなく優位にゲームを進めていき、ターンオーバーからトライも何本かあり、後半だけで7トライをあげてファイナルは73対20で帝京が2年連続11回目の全国制覇となりました。

ま、帝京が早稲田との接点にことごとく競りがち、早稲田のボールキャリアーに潜り込んでくるモノですから早稲田も前へ中々進められていないようでした。
しまいには早稲田の選手がボールを持ったところで誰にパスするか考えてしまっているシーンも多々見受けられましたし。
私が一番疑問に感じたのは後半3分(この時点では28対12)で帝京のペナルティーの後に早稲田がペナルティゴールを選択した場面でしょうか。
僅差ならともなくこの差だとタッチへキックしてラインアウトでは・・・とは思ったものです。
場内もざわついていましたし。
これで帝京のプレイヤー達は優位に立てたと思ったのではないかと思うのです。
私が視ても早稲田は「逃げた」のかなと思いましたもの。

こうなれば帝京が早稲田にぶち当ってきりきり舞いに走らせてバテさせて自分たちの流れに持ちこんで・・・という流れにもっていけたでしょうし。

早稲田も持てる力は出したと思います。
セットプレーからトライを取ったり、時にはトリッキーなラインアウトをしてペナルティを取られてもいましたけど。
ただそもそものフィジカルの差は感じました。
当たり負けしない帝京に対してほぼほぼ当たり負けていたような感じに見えましたし。
ゆえにボールを持っても中々帝京陣内に入れていないようにも思いましたし、帝京陣内に入れたところでペナルティでチャンスを失ってもいましたし。
正直なところ盤石の横綱に向かって必死に戦う小結の姿にしか見えませんでした。

一方の帝京は普段大学ラグビーを視ていない私でも凄いチームだと思いました。
本当に横綱と感じさせるくらいの。
ボールを持っている早稲田の選手を追ってつかまえて逃がさず、複数人でケアしてボールを奪ったら即前へ・・・というのが徹底されていました。
実際に早稲田のボールをターンオーバーしてのトライが何本もありましたし。
スクラムでも前半の内に優位に立っていました。
数本組んだ後に早稲田がコラプシング(スクラムを崩す反則)をしてしまってからは特に。
岩出監督が前年に勇退されて教え子でもある相馬監督が就任しましたが、帝京のコアの部分はきちんと承継出来ていることがよく分かりました。
しかも先発メンバーでも3年生以下も多く3連覇はおろかさらにもっと先も・・・現実的にあるのでは無いかとも思いました。
特に後半は帝京がほぼほぼペースを握っていて、トライを取られる気配も感じませんでした。
後半にパスミスみたいなのを早稲田に拾われてトライされたのが後半ありましたが、それだけでしたし。

片や早稲田関係者、ファンの各位からすれば屈辱的なゲームでしょう。
決勝という檜舞台で53点差の負けは受け入れがたいでしょうし。
早稲田ファンもイライラが爆発していたのか時折私の席の後ろから大声が出ていましたし。
早稲田からすれば前半のリードしていた場面までは良かったけど・・・という感じでしょうか。
下手すると大田尾監督の進退問題まで行ってしまうのではないかとは感じました。 
結果は結果で厳粛に受け止めて、まずは来シーズンの関東対抗戦Aグループでの対戦でまず勝つことを目標にした方が良いとは思います。
一番良い終わり方は国立競技場で決勝で帝京を下して「荒ぶる」を3年ぶりに全員で唄うことなのでしょうが、その道は相当険しいのではないか、あの決勝を観て感じました。

帰りの中央線各駅停車で早稲田のフラッグを持った女性が気持ち落ち込んでいる姿が何かを物語っている感じでした。

前半はNHKR1の中継を聴いていましたが、場内のアナウンスで秩父宮FMがこの日もやっていると言うことで後半からはそちらにスイッチしました。
ゆるーい感じが逆に良かったですね。
良い意味で内輪感を感じさせるところが。
無論違う意味でゲームを観る目線も興味深かったですが。

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