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私と「うつ」

昨日、「うつ」についてのお話を聴く機会があった。最近は耳慣れた言葉となったが…、お話の中の一部にこんな下りが印象にのこり、頭の中を駆け巡った。

「うつ」はよくこころの病気と言われますが、こころって何処にあるか知っていますか?ここ(胸に手をあてながら)ですか?実は「うつ」は脳の病気なのです。(頭を指差しながら)…(中略)…人は肝臓とか臓器の病気を頑張って自分の力で直す事はできますか?もちろん薬を飲んだらりして直す事はできますが、自分だけどどうすることも出来ないですよね。同じ様に「うつ」も脳という臓器の病気なので、自分ではどうしようもできません。

これを聴いた時、つい2週間くらい前の私を思い出していた。この時私はまさに「うつ」状態に陥っていたのだ。原因と思われるこころへの負荷があった訳でもなく、やってきた。
「うつ」自体は、初めての経験ではなく、溯れば20才の頃から、意識の中に入ってきたのが、7年前カウンセラーにそう言われた時。

この「うつ」と私の付き合いが始まってから今日までの変化について考え始めた。一度目の「うつ」の時は、当時まだ言葉はなかったが、ひきこもりと不登校を引き起こした。7年前の「うつ」では、何もしたくなくなった。それこそ死にたいとも思わない。蒸発する自分が頭の中に何度も映り出されたが、体も心も全てストップだった。
もう一生このままだと思った。余生は自ら死ねないまま、只その時を待つだけの人生だと思っていたのだ。

このような過去の「うつ」状態と2週間前の「うつ」は違っていたのだ。何の原因もなく突然朝起きれなくて体も心も動かなくなって、生きていたくない、死が頭を過るし心の中専領しようとしているのも感じた。だけどもう一人の自分がいるかのように、「でも本当のおまえさんは生きたいって思ってるくせに」と呟いた。そこで私は、これは私の持病なのだと悟った。二三日逆らわずに寝ていれば過ぎていく。大丈夫私はゆっくりにしか生きれないって知っているのだし…と思ったのだ。そしてそのまま2日間布団の中で過ごした。「うつ」はちゃんと通り過ぎていった。

私の家系は、「うつ」家系であることも分っている。父、弟、息子と…よくもそろって、私にもその遺伝子は潜んでいるに違いないのだ。「うつ」を持った私が私らしい私でもあると言ってしまおうか…笑

以前の私は「うつ」という病気に乗っ取られていたのだろう。今の私はただ「うつ」という持病を持っているだけで、いつもの私であった。未だに希望というものの存在は薄い私だけれど、未来に歩く道の様なものが見えているし、その先にほんのりと光も見えている。こころが澄み渡っている時間も長くなってきたし、愉しめている。

私の「うつ」との付き合いは、数十年になるが、その間に私にどんなことがおこったのか、振り返ってみようと思う。そして語ってみたい。そうする事がきっと私の「うつ」発病の予防になるような気がしている。
予防というより、うまく付き合って行くって言う方が適当なのかな…。
どっちにしても、排除することはできないようだ。できるとしたら、いつのまにか消えていくのだろうと思う。


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