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梅の実の色よりなほ爽やぐ香よ

ごきげんよう。季節が進むのは早いもので気がつけば七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」になっておりました。
梅雨のことを文字通り「梅の雨」と申しますように梅が黄色く熟す季節。これから漬けたり干したりする方もいらっしゃるのではないかしら。わたくしは砂糖漬けが好きですわ。

早速話が脱線する上にもう少し先の季節の話なのですけれども、わたくし同じ砂糖漬けでも「摘果桃」が大好きなのです。

おせち料理で「青くて甘い実」を見たことある方もいらっしゃるのではないかしら――。あれが「摘果桃」と申しまして、間引いてしまった桃なので「摘果」と申すのですけれども、青梅に似たもっと小さく可愛らしい実が、上品な甘さでまことに美味しゅうございますわ。

わたくし、もしかすると大きな桃よりも摘果桃のほうが好きかもしれませんわ。あの締まった食感がまことに心地よいのですもの。

ということで全く「梅子黄(うめのみきばむ)」とは関係ない話になってしまったのですけれども、青々とした青梅を見ておりましたら好物の「摘果桃」のことを思い出してしまいました。

ごめんあそばせ。

改めて考えてみますと、梅そのものって食べたことありますかしら――。
梅干し、梅ジャム、砂糖漬け――あるいはお酒を飲める方は梅酒ですわね。

色々な梅の食べ方はありますけれども「梅そのもの」の味というのは案外表現できないような気がしてまいりました。

酸っぱいのかしら。


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