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芙蓉歌句集

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わたくしが詠みました短歌・俳句をこちらでご紹介させて頂きます。
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#芙蓉セツ子

梅の実の色よりなほ爽やぐ香よ

梅の実の色よりなほ爽やぐ香よ

ごきげんよう。季節が進むのは早いもので気がつけば七十二候「梅子黄(うめのみきばむ)」になっておりました。
梅雨のことを文字通り「梅の雨」と申しますように梅が黄色く熟す季節。これから漬けたり干したりする方もいらっしゃるのではないかしら。わたくしは砂糖漬けが好きですわ。

早速話が脱線する上にもう少し先の季節の話なのですけれども、わたくし同じ砂糖漬けでも「摘果桃」が大好きなのです。

おせち料理で「青

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麦星や鹿鳴館の煌々と

麦星や鹿鳴館の煌々と

ごきげんよう。
本日6月12日は日比谷にあります鹿鳴館にて「バザー」と言うものが本邦で初めて開催された日だそうでしてよ。

明治17年、大山巌大将の奥さま捨松公爵夫人の呼びかけで開かれましたチャリティーバザーはその目新しさに大変話題を呼びまして、この収益金によって後に看護婦のための學校が建てられましたわ。

そもそもなぜ鹿鳴館でバザーが開かれたのか申しますと「鹿鳴館の花」と呼ばれました捨松公爵夫人

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硝子戸の蛍火淡く散りにけり

硝子戸の蛍火淡く散りにけり

皆さまごきげんよう。
本日6月11日は七十二候の「腐草為蛍(かれたるくさほたるとなる)」だそうでして、いよいよ蛍の見れる季節も近づいてきたようですわ。

この言葉は中国の故事から来ておりまして、昔は腐った草が蛍になるのだと信じられていたのだとか。昔の方は想像力が豊かですわね。

蛍の別名には「腐草(くちくさ)」と言うものがありまして、これも同じく中国の故事が由来なのですけれども、昔の方はこのような

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夏川の帽子抑ふる潮気かな

夏川の帽子抑ふる潮気かな

6月10日は英国テムズ川にて大学同士のボートレースが初めて開かれた日だそうで、1829年(文政十二年)に一回目の記録が残っているそうですわ。
第一回の勝者はオックスフォード大学だそうで、その後は春の風物詩になっているそうでしてよ。日本は鎖国で異国船打払令を出していた頃ですわね。

なぜ急にこんな異国の話を取り上げたのかと申しますと、実はこの「ボートレース」というもの。英国の方が春の風物詩として捉え

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雲誘ふ白き菖蒲のなほ白く

雲誘ふ白き菖蒲のなほ白く

ごきげんよう。本日は近くの公園を散策しながら吟行してまいりましたわ。肌寒い一日でしたけれども雨が降ることもなく、花菖蒲や紫陽花を観察することが出来ました。

まことに混乱するのですけれども、5月5日にお風呂に入れるのは「菖蒲」という名の草で、庭園によく咲いているのは「花菖蒲」というアヤメ科のお花。「アヤメ」は花菖蒲の一月ほど前に咲く似たようなお花なのですわね。

ですから梅雨の今咲いているのは「花

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掛け声や千貫神輿の弾みたる

掛け声や千貫神輿の弾みたる

ごきげんよう。今週末は東京の蔵前にあります鳥越神社さまにて鳥越祭が行われておりますわ。
神社の由緒が651年ということで「大化の改新」が行なわれていた頃から歴史が伝わっているそうでしてよ。ここまで来ますと教科書の世界ですわね。

お祭りは明日も行なわれおりますのでお近くの方は如何かしら。

鳥越祭の魅力はそのお神輿の大きさと夜景ではないかしら。「千貫神輿」というお神輿は東京では最も重く感じるとも言

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