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愛されない人を救いたい読書感想文~『人は話し方が9割』~

「彼女ができなすぎて辛すぎる」という相談をしてくれた人を、何とかして救わなければ!!

という強い願いを込めて、撮影された動画がこちらです。

これは、漫画家の山田玲司さんがやっている『山田玲司のヤングサンデー』というYouTubeチャンネルで公開された『「モテる」と「愛される」の違い~愛されないイケメンを作ったもの~』という動画です。

私もこの動画に感化されて、
「彼女ができなすぎて辛すぎる」
という人を何とかして救いたい!!という気持ちが芽生えました。

そのためにこの記事ではまず、愛されるための心の持ち方として、『「モテる」と「愛される」の違い~愛されないイケメンを作ったもの~』の動画で語られる「モテる」と「愛される」の違いを解説します。
その後、実践編として、愛されるためにすると良いことを、『人は話し方が9割』という本から3点ほど抜粋して、感想文としてお伝えします。

「愛」というとちょっと大げさかもしれないので、シンプルに「好かれる」と考えても大丈夫です。
あなたが「愛される人」になれるように、一生懸命書きました。ぜひ最後まで読んでくださいね。

「愛される」ための"心の針路"

最初にお伝えしておきましょう。
「彼氏や彼女が欲しい」ということを本気で願っている人は多いです。
ですが、彼氏や彼女ができたからといって「幸せ」になれるかというと、そうとは限りません。

それでもあなたは「彼氏・彼女が欲しい」と思うかもしれません。
では質問しましょう。
あなたが「彼氏・彼女が欲しい」と思うのは、何のためですか?

心をゆるせる深い関係の人がほしい。
人生をもっと華やかなものにしたい。
率直に、性的に満たされたい。
など、さまざまな理由があると思います。

ですがどの理由も、一番深いところまで掘り下げていくと
「幸せになりたいから」
という答えに辿りつくことでしょう。

そうなのであれば、「彼氏・彼女をつくる」ということが、あなたの「幸せ」につながっていかなければ、意味がないということになってしまいます。

彼氏・彼女ができて、幸せになれないことなんてあるの?
と思うかもしれませんが、これが大アリなのです。
ファミレスなどで耳をすませてみれば、「彼氏が大切にしてくれない」だの、「彼女が連絡取れなくなった」だの、いろいろな悩み事が耳に入ってきます。
盗み聞きをしているんではなく、隣のテーブルから聞こえてきちゃうから、しょうがないんです。

なので、できればあなたには、
「彼氏・彼女ができて、しかも幸せ」
という方向に行ってほしいと思っています。

ですから、いきなりテクニック的なことを知ろうとするのではなく、まずはその方向に向かうために「心の針路」を定める必要があります。
この針路取りを間違えると、目的地である「幸せ」から遠ざかってしまうだけでなく、ますます彼氏・彼女ができにくくなってしまうからです。

では、針路を正しい方向に向けるために、どんなことを考えたらよいでしょうか。
そこで私が見つけたのが、
『「モテる」と「愛される」の違い~愛されないイケメンを作ったもの~』
の動画です。
この動画から、私たちが向かうべき方向を探ってみたいと思います。

モテ信仰

山田玲司さん(以降レイジさん)曰く、
「私たちは"モテるのが最高"という洗脳を受けている」
とのことです。
それをレイジさんは、「モテ宗教」と呼んでいます。
(一応言っておきますが、宗教を否定しているわけではありませんよ)
「モテ宗教」の教義を伝えるモテるためのマニュアル本や動画も、世の中にはあふれています。
音楽やドラマ、映画なんかもそうですね。モテている人が幸せになる、という価値観で、日々人々を洗脳しているわけです。

では、「モテる」ってどういう状態なのでしょうか?
モテ宗教では、モテるとは「量」の問題であると捉えられています。
例えば、告白された「回数」、バレンタインでもらったチョコレートの「数」、あるいは性的な関係になった相手の「人数」。
基本的に、これらは量が多いほど、モテ宗教においてはランクが高いとされています。
「オレは毎年、バレンタインの日に母親からしかチョコレートをもらったことがない。よって、たくさんの女子からもらっているオマエより、オレは人として数段優れている!」
という自慢をしている人に、私は会ったことがありません。
(ちなみにレイジさんは、学校におけるバレンタインは、モテ宗教の信仰を押し付ける罪深いイベントだと言っています(笑))

このようにモテ宗教では「愛」の問題が「量」の問題としてすり替わっています。
では、なぜ「量」が多いほど良いと考えられているのでしょうか?

それはモテ宗教の信者たちが、
「たくさんの異性から求められる」
ことが、
「自分には価値がある」
とイコールだと固く信じているからです。

先ほども例に出しましたが、たくさんの女性と性的な関係を持ったことを自慢する男性がいます。
その男性がどうしてそれを自慢したくなるのかというと、簡単に言ってしまえば「スゲー」と言ってほしいからです。
そして、それを「スゲー」と言う人が一定数いるとわかっているから、その男性はそういう自慢をするのです。

20世紀有数の名著『人を動かす』を書いたカーネギーの研究によると、人は「自己の重要感(「自分は重要な人だ」という実感)」を渇望していると言います。
ですからモテ宗教の人は、たくさんの女性と性的関係を持った、あるいはたくさんの異性と付き合ったという事実を持って、「自分はすごい」と思おうとするのです。

他にも、恋愛において自己の重要感を高めようとする行動の傾向があります。
それはどういうものか。
あなたの周囲にもいませんでしたか?部活のキャプテンとか、生徒会長とか、そういった「肩書」を持っている人とばかり付き合っていた人が。

会社の社長と付き合いたがる女優や、逆にモデルと付き合いたがる大手会社の若手重役もいます。
その人たちのねらいは何かというと、ステイタスの高い人と付き合うことで自分のステイタスをあげたい、ということです(もちろん、純粋に愛情で付き合っている人もいますよ)。
この場合、付き合った相手は自分にとっての「トロフィー」になるわけですね。
自分がどれだけいいトロフィーを持っているかで、自分を「すごい人間」に見せているわけです。

「量」で自分を誇るにしろ、「トロフィー」で自分を誇るにしろ、そのどちらにも共通している、人を不幸にする傾向があります。
それは、そのどちらも、心のベクトルが「自分」に向いているということです。

自分をよく見せようとするのは、自分を認めてほしいからです。
そこには、「この人のことを愛しているから」とか「この人のことを幸せにしたいから」という動機がありません。
あったとしても、割合としてメインになっている感情は「自分を認めてほしい」というものです。

「量」や「トロフィー」を見せびらかすことで他人に認められようとすると、そこには必ず「競争」が生まれます。
また、自分自身が重要かどうかの判断基準を他人に委ねることにもなってしまいます。
競争に勝って、他人にすごいと言ってもらえるまでずっと満足することはできませんから、ほとんどの場合この人は幸せになれません。

本来、自分のことは自分で認めればいいし、ミスチルが「友人の評価はイマイチでもShe So Cute」と歌っているように、周りがなんと言おうと自分が好きな人と付き合えばいいのです。

「いい女を連れて歩きたい」という願望が、決して「ダメ」なわけではありません。
ですが人は、「この人をGETしたらオレは周りからすごいと言われる」という下心で近づいてくる人とは、あまりお付き合いしたいとは思わないものです。
恋愛の本質は人と人が愛し合ってくっつくということであって、ステイタスとステイタスで付き合うわけではありません。

でも、そのままで愛される自信がないから、ステイタスに自分を守ってもらい、テクニックを学んで恋愛に挑んでいるのが、多くの人の状況です。
だけど、それでは「愛され」ないですよ、ということです。

本当に彼氏彼女が欲しいのであれば、自分のことばっかり考えていてはいけません。
どうせ、日本の価値観では一度に一人しか付き合えないのですから、好きな相手のことをしっかりと見るべきです。

遠回りのようですが、「急がば回れ」で、これが一番王道かつ「幸せ」な道のりです。
ステイタスやテクニックで恋愛しようとすると、いつボロが出るのかと怖くてたまらないですが(それも醍醐味のひとつかもしれませんが)、相手の幸せを願って歩んでいく道は、きっと楽しい道のりになりますよ。

モテ信仰の美化

そもそも、なぜ私たちはこんなにも「モテる」ことに価値を見出してしまうのでしょうか。
レイジさんは、この社会にはモテ信仰を美化するための装置が存在すると言います。

その代表的なものは何でしょうか。
レイジさんは、はっきりと名指ししていました。
それは「ディズニー」です(笑)。

最近のディズニーは変わってきていますが、昔のプリンセスは
「不幸からの脱却」
「生存のための救済」
としての恋愛を描くケースが多くありました。

いじめられていた女の子が王子様に見初められて幸せになる、という『シンデレラ』はその典型的なものですよね。
豪華なドレスもガラスの靴も、すべてはステイタスの高い人に見られようという作戦です。
魔法で靴や馬車を出しているから、そのシーンが劇的で美しく見えているのであって、自分で大金を出して買いに行っていたら、何か残念です(笑)。

そして、多くの人は『シンデレラ』のような作品を観て、
「ステイタスの高い人に愛されたら幸せ」
と思います。
これは「モテ」の方の価値観であって、そこには
「王子様を幸せにしてあげたい」
という「愛」の方の価値観がありません。

じゃあ仕事してない男でいいのかと言われると、それはそれで違うよねと言わざるを得ないのですが、とはいえお互いに収入が少ない同士がくっついて、その上に子どもまで育てている人もいるので、やはり愛の力はすごいです。

富も地位もあるプリンセスが、そのすべてをかなぐり捨ててどうしようもない男に気前よく愛を注ぎまくる、というディズニー映画も見てみたいです(笑)。

とにもかくにも、動機が「自分を承認してもらうため」なのか、それとも「好きな人を幸せにしたい」なのかは一度確認してみた方がよいでしょう。
一方の道は茨の道です。
もう一方の道は、たとえその恋愛が上手くいかなかったとしても、非常に多くの学びを得ることができるので、その道は輝く未来につながります。
(一応言っておきますが、「自分のため」に恋愛をしてはいけないわけではないですよ。すべては自分の欲求からはじまりますからね。その気持ちは大切にしてください。自分にも良くて、相手にも良い、これがコツです。)

実際に好かれるために

心の針路が決まったところで、実際にその道を進んでいきましょう。
土台となるのは心の持ち方ですが、土台の上には建物を建てる必要があります。
その建物となるのが方法です。

ではここからは、『人は話し方が9割』(永松茂久 すばる社 2019年)という本から、好かれるための方法を3つご紹介したいと思います。

前提~コミュニケーションの「3つの大原則」

コミュニケーションが上手な人は、そうでない人の100倍努力をしてきたのでしょうか?
そうではないと、著者の永松茂久さんは言います。
あなたがコミュニケーションに悩んでいるとしても、コミュニケーションが上手な人とあなたとの差はほんの僅かです。
上手な人はただ、コミュニケーションを取る上で「大切なこと」を知っているだけです。
その大切なことは以下の3つです。

  1. 人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である(p40)

  2. 本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している(p41)

  3. 人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる(p42)

これらは、コミュニケーションにおける三大原則です。
この3つを意識するかしないかで、コミュニケーションに大きな差が出てくるのです。
この3つを、もう一度よ~く読んでください。すると、たったひとつの重要なことが見えてきませんか?

そうです。それは、「"相手"にコミュニケーションの主役になってもらう」ということです。
では、どうすれば相手に主役になってもらえるでしょうか。
それは、「相手に関心を向ける」ことで達成されます。

人間、誰しも自分のことが一番気になります。
自分が自分を気にしているのと同じように、相手からも気にかけてもらえたら嬉しいですよね。
ですから、相手に好かれたかったら、こちらから相手に関心を寄せます。

まずはこの原則を押さえることです。

①笑顔でうなづく

私は今、『人は話し方が9割』という本を素材にして、コミュニケーションが上達する方法をあなたに伝えようとしています。
ですが、人に好かれるために大切なことは、実は「うまく話すこと」ではありません。
なぜなら、あなたが噺家のようにおもしろおかしく話ができたとしても、相手に好かれるとは限らないからです。
それに、そもそも噺家のようにおもしろおかしく話ができるようになるまで、一体何年かかることやら、です。
そんなに長い時間をかけてスキルを高めることに没頭できるなら、あなたは人間関係で悩むことすらないかもしれないですね。

さて、私たちの目的は「愛される」ことでした。
そのために最も重要なこと、それは・・・
聞くこと」です。

「話し方の本なのに、聞くこと!?」
と思われたと思います。
この疑問は本にも書いてありましたが、ちゃんと理由があります。

先ほども確認したように、人は誰しも一番自分に関心があり、認めてほしいと強く願っています。
聞くことで相手を会話の主役にすることができますし、相手が話してくれた内容から相手への関心を深めていくことができます。
よく聞くということは、相手を認めるということでもあります。それによって、相手の自己重要感を高めることができます。
そして人は、自己重要感を高めてくれた相手を好きになるものなのです。
ですから、人から愛されたかったら、「聞くこと」を大切にしなければなりません。

では、人から愛される「聞き方」とは、いったいどのようなものでしょうか。
まずは聞き方のいろはの「い」からお伝えします。
それは「笑顔でうなづく」ということです。

え!?これだけ?もっとハイレベルなやつを教えてよ!
と思う方もいるかもしれません。
しかしそういう人は、これさえもできていないから、彼氏・彼女ができないのです。

「これさえも」と書きましたが、これをしっかりやっている人は意外と少ないです。
少ないからこそ、笑顔でうなづく人には希少価値があります。
笑顔でうなづく人は多くの人の愛情をかっさらっていきます。
そして、真顔で首も表情も固まった状態で聞いている人には何も残らない、ということになるのです。
私も、笑顔でうなづきながら聞いてくれる人はつい食事や飲みに誘ってしまいます。

だから、笑顔でうなづきます。これによって、「私はあなたに関心を持ってるよ」と、無言のうちに伝えることができるからです。

「笑顔でうなづく」ができたら、聞き方をさらに発展させ、魅力的なものにしましょう。
永松さんは、"好かれる人がやっている「3つのリアクション」"(p60)があると言います。
それは
笑顔で聞き、自分の感情を言葉に乗せ、身振り手振りを使って相手にリアクションする
というものです。
これを「顔の表情」「声の表情」「体全体の表情」とまとめてくださっています。

笑顔でうなづきながら聞くようになったあなたは、「顔の表情」はクリアです。
次は「声の表情」「体全体の表情」を使うようにしてみましょう。

「声の表情」は、相槌に感嘆符を入れるイメージです。

(相手)「こんなことがあったんだよ」→(自分)「へー♪」「ほー!」「えー!?」「うわあー!!」「わー♡」「そーなんですかー(笑顔マーク)」

『人は話し方が9割』p66

すべての反応に「ー」と伸ばし棒が入っています。
永松さんは、この「ー」の部分に感情が入り込む、と言っています。
苦手な人は10倍くらい感情を込める気持ちで、感嘆符をつけてみてください。
きっと相手も、あなたに話をするのが楽しくなるはずです。
感嘆符をつけて相槌を打つのは、自分とお話をしてくれる相手へのギフトです。

「体全体の表情」は、「なるほどー!」と言いながらポンと手を叩いたり、衝撃的な話を聞いたら頭を抱えてみるなど、ちょっと愛嬌がある素振りをしてみるとよいでしょう。

いきなり本番で使うとぎこちなくなってしまうと思いますので、まずはYouTubeやラジオで人が話しているところを聞きながら、笑顔でうなづきつつ、「なるほどー!」「はー!」と相槌を打つ練習をしてみてください。

好きな人と楽しく話しているところをイメージしながらね^^

②一緒に笑う

「女性にかけると効果てきめんのキラーワード」が2つあります。
知りたいですか?

教えましょう。それはこの2つです。

(ビジネス関係の場合)「あははは。それは面白いですね! それでどうなったんですか♪?」
(友人や恋人などの場合)「あははは。うける。もっと聞かせてよ」

『人は話し方が9割』p129

「あなたの話を、もっと聞かせてほしい」
このように言われたら、誰でもうれしいのではないでしょうか。
でも、それ以上にうれしいのは、
「一緒に笑ってくれる人がいる」
ということです。
自分がおもしろいと思うことを一緒に笑ってくれるというのは、とってもうれしいし、楽しいし、しかも安心感がありますよね。
特に女性は、共感してもらうことに喜びを感じる傾向があります(もちろん個人差はあります)。
なので、相手が楽しんで話していたら、こちらも相手の身になって、一緒に楽しみましょう。

逆に、こういうときに「何くだらないことで笑ってるんだ」という顔をされたらどうですか?
そんな顔をする人を、あなたは愛せますか?好きになりますか?仲良くしたいですか?
それがいやなら、自分も相手にはそれをしないことです。

さきほど、大切なことは「笑顔でうなづく」ことだとお伝えしました。
笑顔でいることのメリットは、「一緒に笑う」にもつながってきます。
というのも、笑顔でいると、真顔でいるときよりも簡単に笑えるからです。
もちろん、相手が楽しく話しているときに笑顔を見せるだけでもかなり上等ですが、やっぱり「あっはっは♪」と笑えた方が魅力的です。
あなただって、自分が楽しいと思って伝えたことに対して「あっはっは♪」と笑ってほしいでしょう。

だから「笑う」ということはとても大切です。
でも、大人になると笑いにくい身体になってしまう人も多いです。
なので、「笑いのスタートダッシュ」を決めやすいように、顔の表情をゆるめておくとよいです。
全身の筋肉はつながっていますから、顔の筋肉がゆるめば、「あっはっは♪」という笑いに関連する肋骨の間の筋肉や横隔膜もゆるみます。

私は、
すごくおもしろいことを言う努力をして人を笑わせるよりも、くだらないことで笑えた方が幸せ
だと思っています。

だから、相手にも、もちろん自分にも、高い笑いのハードルを課さないようにしています。
「この人は笑いのハードルが低い」と思ってもらえれば、相手にも安心感を与えることができますし、その方が一緒にいて幸せを感じてもらえるからです。

それでもどうしてもハイレベルな笑いがほしい人もいると思います。
そういう人は、お笑いライブに行くかお笑いのテレビや動画を観ましょう。
目の前の人にハイレベルな笑いのセンスを求めるのは酷というものです。あきらめましょう。

③クエスチョン:相手があまり話してくれない人だったら?

ここまで相手に好かれる「聞き方」を見てきました。
しかし大きな問題がひとつあります。

それは、
相手が自分から話すのが苦手な人だったら、せっかく磨いた聞き方を活かすことすらできない
ということです。

そんなときの対処法は、『人は話し方が9割』には書いてないのでしょうか。
いいえ、書いてあります!
なんて親切な本なのでしょう!(笑)

著者の永松さんは、自然と会話が始まる鉄板のネタが3つあると言います。

人間には、誰しも趣味嗜好があり、それを人と共有したいという願いを持っています。
初対面だとしても、たまたま互いの共通点があると会話が盛り上がり、一気に打ち解けたりします。
この「たまたま」を意図的に起こすことができれば、よく知らない人と話す際に生じる「何を話したらいいのかわらかない」「場が持たない」という恐れを半減させることができます。

ではどんな話題でもいいかというと、それもまた違います。
例えば、人のナイーブな面に触れる可能性のある政治や宗教、氏素性などに関する話題は、相手を傷つけることもあるので、最初の内は避けるべきでしょう。
では、どのような話題なら、相手を傷つけることなく話が盛り上がるのでしょうか?

では、永松さんが言う3つの鉄板ネタを紹介しましょう。それは、

「食べ物」「出身地」「ペット」

この3つです。
ひとつずつ見ていきましょう。

まずは食べ物。
人間には食欲・性欲・睡眠欲の三大欲求がありますが、その中でも食欲については話しが広がりやすく、かつ誰でも明るく話せます。
性のことについてはまだ仲良くない人と話すにはかなり難しいですし、睡眠については寝ている間のことなのでよくわからないでしょう。

『人は話し方が9割』には立食パーティーでの例があります。

「(立食パーティーで、ローストビーフをたくさん取っている人に)おお……ローストビーフ美味しそうですね。お肉がお好きなんですか?」
「はい、お肉大好きなんです」
「私も好きです! 例えば焼肉店で、どこかおすすめのお店ってありますか?」
「ありますよ。私はそこに焼肉店に出会ってから、他に行かなくなりました」
「さぞ美味しいんでしょうね。良かったら、教えていただいていいですか?」
「もちろんです。お店の名前は……」

『人は話し方が9割』p120

このような感じで、好きな食べ物の話題は前向きな雰囲気が生まれやすいです。
同じ料理でもどんな系統が好きか、おすすめの店はどこかなど、簡単に話を発展させられます。

私は、もう少し打ち解けてきたら「好きな食べ物トップ3は何?」と聞いたりします。その人のランキングの発表を聞くのも楽しいですし、意外なものが上位に来たときに、「顔の表情」「声の表情」「体全体の表情」のすべてにおいて良いリアクションが自然と出てきます。

次は出身地。
多くの人が、自分の出身地のことはよく知っていると思います。
相手と同郷ならそれだけでも盛り上がるきっかけになりますし、そうでなくても、その人の出身地の名物を聞いたり、自分がそこに行ったときの話をすればよいのです。

「(相手の出身地が)〇〇なんですか!いつか行ってみたいと思っていたんですよねー♪ あなたが好きな場所やおススメのスポットはありますか?」
「(相手に説明してもらったら)そうなんですねー!ぜひそこに行ってみたいです」
という感じです。
自分の出身地を褒められてイヤな気分がする人はいないはずです。「相手の出身地をステキな場所だと思っている」ということが伝われば、その人もきっと喜んでくれるはずです。

最後にペットです。
これも本の中に書いてあるのですが、ある保険会社が500人を対象に行った調査によると、ペットを飼っている人は30パーセント強いるそうです。
さらに別の調査では「ペットは飼っていないけど動物が好き」「いずれ飼いたいと思っている」と言う人を合わせると、なんと70%にもなるそう。

つまり、日本人の7割はペットあるいは動物に興味を持っているということになります。
あなたはどうですか?

私はペットを飼っていたことはないのですが、水族館でシャチとトレーナーさんが仲良くしている様子を見たりするのが好きです。
もしあなたがペットを飼っているなら、最近のご自身のペットの様子を伝えてあげると、会話のきっかけになるかもしれません。
その打率は7割なのですから、試してみる価値は大いにあるはずです。

もしあなたがペットも飼っておらず、動物に全く興味がないなら無理に話をする必要はありませんが、相手が話していたら関心を持って、ステキなリアクションで聞いてあげましょう。

もしあなたがペットを飼っていなくとも、動物やあるいは小さい子に対して愛情がある人は魅力的なような気が、私はします(もちろん無理に好きになる必要はありませんよ)。

ちなみに・・・
この『人は話し方が9割』は全体的に非常に良い本でした。内容もよ~く噛み砕いてあるのでとても読みやすいですし、すぐに実践できるハードルの低さが魅力です。
説明も「なるほど!」と「確かに!」と思う瞬間が何度もあり、読んでいておもしろいです。
さらに、この本は2020年、21年、22年と3年連続でビジネス書部門の売り上げNo.1という驚異的な記録を樹立しています。
2019年9月の発売から2年5ヵ月で100万部の売り上げを達成したということで、コミュニケーションに悩む非常に多くの人から支持を得ていますので、よかったらぜひお買い求めください。
あなたの力で出版業界を救いましょう!(笑)

さて、ここまで愛されるための実践編でしたが、いかがだったでしょうか。
「笑顔でうなづく」「一緒に笑う」「鉄板ネタ3種で会話を広げる」をぜひ実践して、愛される人になってください。

ここでもう一度、一番大切なことをお伝えしておきます。
それは、最重要なのはテクニックではない、ということです。

もし、実際の会話の場で、緊張のあまりあなたがここに書いてあるテクニックを忘れてしまったとしても、
「目の前の人が幸せでありますように」
という気持ちで聞く、もしくは話すことです。
この気持ちがあれば、「この人、理由はわからないけど、とてもいい印象」と思ってもらえるということが起こり得ます。

自分の幸せを願ってくれる人を、あなたは嫌いになれるでしょうか。
もしそう思うなら、よっぽど相性が悪い(笑)。

とにもかくにも、コミュニケーションにおいて中心に据えるべきは、まず気持ちです。その気持ちがあれば、スキルは後からついてきます。
ですから、目の前の相手の幸せを願いながら、相手と向き合ってください。

人の幸せを願うあなたには、その想いが波動となって放たれ、幸せな現実として返ってきます。

ぜひ、楽しんで取り組んでくださいね。
きっと大丈夫です。
では、がんばって!

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