Momentor坂井風太

株式会社Momentorの代表をしております。組織効力感などの理論を元にした、人材育成/基盤の構築支援をしています。

Momentor坂井風太

株式会社Momentorの代表をしております。組織効力感などの理論を元にした、人材育成/基盤の構築支援をしています。

最近の記事

会社を動かす人事は何をやっているのか?(カプコン社編)

目次を見ていただければ分かるが、とんでもなく長い記事である。文字数にして1万文字となってしまったが、内容は相当濃いものになったと思う。目次を見て、気になったところから読んでいただけるとありがたいです。 現在、様々な組織課題の分析系コンテンツは普及してきているが、実際に社内で人材育成・マネジメント施策を推進している人からすると「実際、他社はどういうことをやっているのか?」の方が気になるのではないだろうか。 坂井自身、自分のプログラムの導入先の企業の「その後」をお伺いすること

    • 「中間管理職の限界」と「マネジメント民主化モデル」について

      中間管理職は限界なのか?本記事は、本日2024年7月1日21:00にNewsPickで放映される【2Sides:中間管理職は不要か?】という番組に関連した記事となります。 動画については、『罰ゲーム化する管理職』など、数々の名著を生み出していらっしゃる、パーソル総合研究所の小林祐児さんとMCの加藤浩次さんとのセッションであり、最終的には明るい内容でまとまっています。 本記事については、本動画で提唱している「マネジメント民主化モデル」について解説しつつ、坂井の会社でエンジ

      • 「キャリア論の変遷」と「答えはあなたの内側にある」の欺瞞性について

        近年、「市場価値を上げるためには、こういう経験をするべき」などの論調を聞くことがありますが、いつの間にか「人生価値が市場価値に侵食される現象」や「自分の市場価値を最大化させるために、会社を使う」というキャリアテイカー的な側面が強くなりすぎていないだろうか?という違和感があり、本稿で思考をまとめました。 「お金がない不幸」も当然あるが、「市場価値という仮想概念に翻弄される不幸」もあるのではないだろうか?という話でございます。 ※動画版もあります。 ①キャリア論の整理+ニュ

        • 「エンゲージメントサーベイ」に翻弄される社会と企業について

          日本の従業員のエンゲージメントレベルは最低水準? 「日本企業は、エンゲージメントの高い従業員比率が極めて低い!」「5%しか存在せず、125カ国で最低レベル!」というGallup社の調査を元に、「日本の従業員のエンゲージメントを上げよう!」という流れが強まっている また、『労働経済の分析』厚労省(2018)、『経営労務政策特別委員会報告』経団連(2020)においても、エンゲージメントの重要性が強調され、さらに「錦の御旗化」してきている。 ただし、そもそも西欧諸国と日本とで

          「強いカルチャー」を作っているつもりが、むしろ「 脆いカルチャー」を生み出す構造について

          Ch1.強いカルチャーの意義とは何か? ・強いカルチャーの意義を定義すると、「各事業の勝ちパターンとなる行動を特定し、行動ルーティン化することで、実行水準を上げ、業績向上に繋げること」である ・強さについて、①実行密度×②事業接続度の2つに分けて考えた時に、①の実行密度に注意が向きがちである ・つまり、「あの会社は強いカルチャーを持っているよね」が、「同じような行動規範・水準を持っている人が揃っているよね」を表しているということである ・一方で、②の事業接続度が低い場

          「強いカルチャー」を作っているつもりが、むしろ「 脆いカルチャー」を生み出す構造について

          「◯◯ガチャ論」に依存することの危険性+「ワークライフバランス」というか「ワークライフコントローラビリティ」の方が大事なのではないかという話

          最初にまとめると、「若手のうちは量を積むことが大事!」という主張をよく聞きますが、量」の部分だけを強調してしまうと、「質」の部分がお座なりになるので「質」を意識することが重要と思っています。 一方で、この主張の根幹は一理あり、「若手のうちは量というか、スタートダッシュを切れて累乗的に有利になるキャリア資産を積んでおけ」という話なのかなと考えています。この概念について、「ワークライフバランス」ではなく、「ワークライフコントロラビリティ」という概念を元に説明していきます。 そ

          「◯◯ガチャ論」に依存することの危険性+「ワークライフバランス」というか「ワークライフコントローラビリティ」の方が大事なのではないかという話

          【完全版】なぜ組織は衰退していくのか?(7500文字)

          2023年12月は、『TBS NEWS DIG』や『PIVOT』なので動画が立て続けに出るのですが、動画だけでは話しきれなかった部分があるので、今年1年間で考えてきたテーマについて、本記事で書いていきます。 問いとしては、下記の5つを網羅したものとなります。 ① なぜ働かない社員が生まれるのか?(静かな退職/逃げ切り社員問題) ②「多様性」を推進しても、逆に亀裂が生じるのはなぜか?(フォールトライン問題) ③ メガベンチャーやブランド化した企業はなぜ衰退するのか?(◯◯W

          【完全版】なぜ組織は衰退していくのか?(7500文字)

          なぜ成長企業の歯車は急に噛み合わなくなってしまうのか? ~100話で心折れるスタートアップを考察してみた~

          3連休に思うところがあったので、久々にnoteを書きます。テーマは、『100話で心折れるスタートアップ』となります。 話題や議論を呼んだ本作ですが など、組織運営のリアルが描かれており、企業の歯車が噛み合わなくなり、急激に衰退していく様子は、胸にくるものがありました。 また、ウサギさんは、何か意図を持って悪い判断をしたというわけではありません。 その時々で事業の生存のために合理的な判断をしただけであり、誰よりも真剣に事業に向き合っていたはずです。 なお、起業家のメン

          なぜ成長企業の歯車は急に噛み合わなくなってしまうのか? ~100話で心折れるスタートアップを考察してみた~

          【完全版】DeNAで20代を過ごして学んだ5つのこと

          退職エントリを書こうと思ったのですが、個人の回想録よりも、学んだことをシェアした方が有益かなと思ったので、20代の学びBEST5を書きます。 その時々の危機を乗り越えるために、心に刻んでいた学びを書いている感じなので、『スラムドッグ・ミリオネア』だと思って楽しんでもらえると嬉しいです。 注意点としては、インド映画にならい、1万文字を超えてますが、読み応え抜群ということでお許しください。 ただ、記載する学びについては、社会人が直面するリアルな悩みを書いているので、どなたで

          【完全版】DeNAで20代を過ごして学んだ5つのこと