親孝行✈️

私の両親は、派手に贅沢することはなく日々しっぽりと暮らす堅実な人たち。
子どもの目から見ていても、良いものと悪いものをきちんと判断するタイプだった。

話し始めるとノンストップでちょっと心配性だが、何でもそつなくこなす面倒見のいい母。

30年以上静岡から東京まで毎日通っているが、どんなに朝早く夜遅くて疲れていても愚痴ひとつ言わない父。

普段は母が強いけど、いざ何か大きなことを決めるときは、父を立て最終的な判断を委ねていて、バランスの取れた夫婦だと思う。

子どもの頃は、裕福だったわけではないけど、学校で必要なものは不自由なく揃えてもらい、習い事も色々な事に挑戦させてもらっていた。

さらに幼少期の私は、身体が弱く1年の半分は学校を休んでいるような子だった。

熱を出すと5日間は40度台が続くことなんてざらだったが、母はいつも付きっきりで看病してくれていた。

普段は照れもあり、なかなかストレートに感謝の気持ちを伝えられないが、そんな両親に社会人になったら親孝行したいとずっと考えていた。

就職して驚いたのは、収入の少なさ。
世間からのイメージは、給料が良い看護師。

しかし現実は、夜勤をやらなければ手当はつかないし、経験年数が上がってもそこまで伸びしろはない。

このままでは、自分が思っていたような親孝行はできない、とじわじわと思うようになった。

今では働き方も変えているが、将来はあまり欲のない母が言っていた、鎌倉に別荘がほしいという要望を叶えてあげられるくらいにはなりたい。