朝ごはんに飽きてしまった全ての人へ。～ごはんでつなげる夜と朝～

朝起きて、まだ寝ぼけまなこのままで冷蔵庫を開ける。
そこにあるのは、昨日の私を温めてくれたトマトスープの入ったお鍋。
実は、この夜の間に私の頭の中にはある一つのアイディアが浮かんでいて。

ということで、頭の寝ぐせは一旦置いておいて...。

ボールに卵を割って、カチャカチャと溶いた卵に、その昨日の夜ごはんの残りのトマトスープの具を入れる。（小声で）チーズも入れちゃう。
それから、少し多めの油をひいてよく熱したフライパンに、ジュッと卵を入れて、ヘラで大きく２，３周かき回したら、するりとお皿にうつす。

そう、私がやりたかったのは、たったこれだけのこと。
これだけのことなんだけれど...、でも...。

 トマトスープスクランブルエッグ&胡麻パン

さっきまでトマトスープの一員だった、にんじん、ウインナー、玉ねぎ、豆、コーンが、何の違和感もなくふわふわとろーりの卵にゴロゴロと合わさっている。
昨晩の残りのトマトスープと卵で、今まで作ったことのない新しいスクランブルエッグが誕生した朝。

今回のクフウは、 Quu&Fuu 編集長にもふーのある日の朝ごはんの投稿から、「前日の夜ごはんの残りや材料を、朝ごはんに取り入れる」です。

　

 

「夜と朝が手をつなげると、とたんに生活がぐるぐるまわりだす。」というにもふーの実感が素敵で、夜と朝が両手をつないで楽しそうにくるくる回っている絵が頭に浮かんだ。

以前から、朝ごはんのメニューがパターン化していて物足りないなあと思っていた私。
夜ごはんの残りのおかずを取り入れたら、今まで考えつかなかった新しいレシピが生まれそうないい予感がしていた。

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夜ごはんを変身させたい

冒頭の「トマトスープを使ったスクランブルエッグ」のポイントは、トマトスープをそのままスープとして使うのではなく、具のみを使って卵と合わせたところ。
チーズの力もお借りして、味はもちろんおいしく、見た目もおしゃれに仕上がって、たぶんこの時の私は得意気な顔をしていた気がする。

また別の日。
「よーし今日も夜と朝をつなげるぞー！」

鼻息を荒くして冷蔵庫を開けて目をつけたのは、昨晩の残りのコールスローサラダ。君に決めた。

今回ももちろん、そのままでは食べない。
変化をつけたい。
さてどうしようかと考えて、８枚切りの食パンにのせて、チーズをパラパラとかけてトースト。
仕上げにパセリをふりかけて、あとは半分に折って食べれば「コールスローホットサンド」の完成！
コールスローサラダと食パンが手をつないだ。

コールスローホットサンド〜オレンジを添えて〜

火が通ったことで甘みが引き出されたキャベツ。ほんのり残ったシャキシャキ感がとろっとしたチーズと合う。
これも今まで作ったことも、考えたこともなかったレシピ。

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突然出会ってしまった運命の朝ごはん

夜ごはんの残りや余った材料で作る朝ごはんの最高なところ。
それは、新たなレシピが自然と生まれること。
２つのレシピはどちらも、夜ごはんの残りがなかったら思いつかなかっただろう。

スクランブルエッグはチーズを入れるかケチャップをかけるくらいしかしたことがなかったし、コールスローサラダを温めたこともなかった。

「いちから新しいスクランブルエッグを作ろう」と考えると、どうしてもスクランブルエッグに絶対合いそうな材料を合わせるので、「おいしいけど想像通り」の味になる。
けれど、夜ごはんの残りを使うことで、スクランブルエッグとの相性なんて一切考えていないおかずを組み合わせることになり、想像を超えた朝ごはんが生まれる。

どうやら新たなレシピが生まれるポイントは「夜ごはんは、朝ごはんに使うことを見越して作っていない」ということにあるようだ。

私はこれを”突然出会ってしまった運命の朝ごはん”と呼びたい。

食材がすでに切られていて味付けもされた完成形を使うので、楽に作れて失敗が少ない。
ちょっとちょっと、いいことずくめじゃないか。

夜ごはんの残り物をそのまま食べるのではなく、ひと工夫して新しいメニューに生まれ変わらせることがゲームみたいで楽しくてしかたなかった。

残り物を、何とどんな風に合わせようか考える。
いいアイディアが思いついて、明日の朝が楽しみになる。
朝、思いついたままに作っているときのワクワク感と気持ちよさ。
新しく生まれた朝ごはんは、お皿の上でキラキラして見えてうれしくなる。
期待をふくらませて食べる。
「おおっ。いいじゃない！」　

また新しいメニューできちゃった〜と調子にのる。
朝から偉業を成し遂げたような誇らしい気持ち。

明日はどんな風に夜と朝をつなげよう。
どんな朝ごはんが生まれるだろう。
夜と朝が手をつないで楽しそうにくるくる回りますように。