タイムスリップコップ
帰宅してポストを覗いたのは19時頃だった。
いつものように郵便物と数枚のチラシが入っていたが、その中の一枚に目が釘付けになった。
「駐車場タイムス8月20日オープン!」
なんと今日ではないか。善は急げだ。私はニッと口角を上げると彼にLINEで連絡をした。
「お疲れ様!突然だけど今からこっちに来てくれない?うちのすぐそばに新しい駐車場が出来たから車を停めるのはそこにしたらいいよ」メッセージと一緒にチラシの写真を添付した。
いつも私のことを最優先にしてくれる彼は、即OKのスタンプを返してくれた。
急いで車を飛ばしてきてくれたのだろう。30分も経たないうちにチャイムが鳴った。
私は彼を部屋に上げるとコップ一杯の麦茶を出し、そして一本のリップスティックを目の前に置いた。
それを見た彼の表情がみるみる曇っていく……。
「これ、一昨日あなたの部屋で拾ったの。どうして今まで黙ってたの?」
私は詰問すると、クローゼットを全開にし彼の着ている洋服を脱がし始めた。
「まさかあなたに女装の趣味があったなんて!あなたは顔が凄く綺麗だからきっと私好みだわ♡ねぇ、どの洋服が着たい?」
(了)
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