カミングアウトコンビニ
文化祭の出し物はお化け屋敷になった。
「お店やさんが良かったのに男子って本当に勝手だよねぇ!」と私がぼやくと
早苗も「好きな女子とお近づきになりたいんでしょ」と憤怒しつつ答えた。
「あっ、私名案を思いついたかも!?」早苗は私の耳元であるアイディアを囁いた。
準備に参加する男子は案の定殆んどおらず、前日の放課後に残ってまで作業しているのは女子ばかりだった。
「お化け役はするけど準備には協力しないなんて本当に頭に来る!」
──文化祭当日。
受け付けにはお岩さんに扮した女子が数名座った。
「中に入るのめっちゃ楽しみ!」男子たちはホクホク顔だ。
私と早苗は中で待機することに。
早速カップルたちが、腕を組みながら恐る恐る入り口から中へ入ってきた。
「「マジでぇ?勘弁してー!」」
直ぐに轟く悲鳴。
実は中はコンビニになっていて、千円以上購入しないと閻魔様が見張っているので決して外には出られないのだ……。
(了)
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