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読んだ本『会って、話すこと。』

透明書店の現場奮闘記」で、本の選び方に編集者で選ぶ方法があることを知った。

好きな作家ならいるけど、今まで編集者で本を選んだことはない。でも、編集者は自分が読みたいと思った本を作っているはずだから、その人と好みが合えば面白い本に出会える可能性が高くなるかも。

そこで紹介されていた『ていねいな文章大全 日本語の「伝わらない」を解決する108のヒント』が面白そうだけど、めっちゃ分厚い本らしい。そんな厚いのを今読める気がしない。

で、早速実践。
編集者は『0メートルの旅』と同じらしい。他にはどんな本を作っている人なんだろう?
調べてみると、田中泰延さんの本も作った人だとわかった。じゃあまずはそっちを読んでみよう、というのが『会って、話すこと。』にたどり着いた経緯だ。

田中泰延さんのことも実はほとんど知らない。本を出されていることも初めて知った。
以前ほぼ日をよく読んでいた時によく登場していた人、としてしか知らない。それでも、そこに登場する田中泰延さんは物知りで面白くて、この人が書いた本ならきっと面白いだろうなと思えた。

サブタイトルに「人生が変わるシンプルな会話術」とあるとおり、この本は会話のしかたを指南する本だ。ダイヤモンド社から発売されているんだからビジネス書でもある。はず。
確かにビジネスの場でも役に立つことも書かれている。でも、もっと「人が人と話すこと」の基本について語られている本だった。

なにを話すか
どう話すか(とっかかり編)
どう話すか(めくるめく編)
だれと話すか
なぜわたしたちは、会って話をするのか?

『会って、話すこと。』目次

まず、会話しているお互いは相手に興味がない、という前提で始まる。
ここで自分のことを振り返る。相手のことを知りたくて話しかけてることって、今までにどれぐらいあっただろう。
相手のことではなく、相手が持っていると思われる、自分に必要な情報を手に入れるために話しかけてることがほとんどだ。

自分が他人に関心がないことは、職場で公言するぐらい自覚がある。それは少数派で、よろしくないことだと思っていたけど、むしろこっちが当たり前だったのか。薄々はそうじゃないかと思ってたけど、そう書いてあって気が楽になった。

話す内容は、自分のこととかではなく「外部のこと」を話すのがいいらしい。その「外部のこと」を話すには、ベースに知識が必要だ、と。

私は雑談が苦手で、あまり親しくない人と何を話していいかわからなくて困ることが多いし、友人とでも会話に入らないことが結構ある。
原因は、私の知識不足にあったんだ。ドラマや音楽の話をされて、わからないから続けようがない。当たり前のことだった。

私が話したいと思う人たちと今まで交わしてきたのは、ここに書かれている「会話」だった。
無闇に踏み込まず、適切な距離をとってこれからも「外部のこと」を話そうと思う。


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