30年越しで山寺に行ったら、35年前の疑問も解決した【仙台一泊旅行・前編】
仙台を旅行するとして、少し足を伸ばすならどこへ行く?
松島や秋保温泉、作並温泉辺りがメジャーなようだけど、「山寺」はいかがでしょうか。
長い間手をつけていなかった宿題のように思っていた山寺にやっと行けたのでご紹介します。
宝珠山立石寺。通称山寺。
『奥の細道』にある「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」 が詠まれた場所として知っている人は多いと思う。
仙台からなら仙山線で約40分で行けるから、松島よりも近い。
新卒で入った会社で仙台に配属先され、3年間をそこで過ごした。
その間に松島や平泉には行ったのに、それより近い山寺には行かないまま仙台を離れてしまった。
11月の3連休にその時の人たちと仙台で会うことになったので、当時行けなかった山寺にも行くことにした。
まずは新幹線で山形へ。
そこから仙山線で約20分で山寺駅に到着。
家を出る時から降っていた雨がここでもしっかり降っている。
例年なら11月初旬は紅葉が見ごろらしいけど、今年は暑かったせいか色づき始めたぐらい。
さすが「山」寺、寺域の入口に「登山口」表示されている。そこから50段ほどの石段を上がった先に本堂がある。
日枝神社を抜けて山門を潜ると受付があり、そこで拝観料300円を払っていよいよ山を登り始める。
歩くことを考えて長靴にレインコートで来たけど、そんなかっこうをしているのは私だけ。他の人たちはみんな普通に傘をさして歩いている。
雨でけむった緑が美しい。
山門から15分ほどで開山堂・五大堂に到着。
公式サイトによると、石段は1,015段、奥之院までの往復の所要時間は約1.5時間とのこと。
特に急がずに歩いて登山口から奥之院まで往復で1時間ほどだった。
下山して麓の「滝不動生蕎麦」へ。
冷たい肉そばとかいもち揚げを注文。
冷たい肉そばは、元は山形の河北町の食べ方だそうで、今では県内のあちこちで食べられる。
そばの具が鶏肉なのは珍しくはないけど、季節に関係なく冷たいおつゆなのが珍しい。
かいもち揚げは、メニューで見つけて心の中で大騒ぎしていた。あの「稚児とかいもちひ」の「かいもちひ」が目の前に!
『宇治拾遺物語』にある話で、高校の古文で習ってから稚児が恥を忍んででも食べたかった「かいもちひ」とは?と疑問に思っていた。
疑問に思ったこと自体忘れていたけど、「かいもち」を見て突然思い出した。
調べてみると、「かいもちひ」にはおはぎ説とそばがき説があり、最近はそばがき説が有力とのこと。
30年越しの懸案事項を片付けたら、昔の疑問も偶然解消してしまった。
それを抜きにしても自然と文化が味わえておそばもおいしい山寺はお勧めです。
旅の後半はこちら。