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何でもありな時代 フールズメイト編

大量の書籍、雑誌の類を整理していたところ、
「おや、Fool's Mate 」

後悔してもしたりないが、音楽雑誌であるフールズメイトとクロスビートを、実家で大量に処分されてしまった事は、返す返す残念である。

そうそう、思い出した。
たまたま数冊、紛らこでいたものがあったのだった。

改めて見ると懐かしい… (少し遠い目)
表紙は『ノイバウテン』
インタビュー特集は『エイリアン・セックス・フィーンド』

しかしながら、この頃の音楽シーンはまさにカオスだな。面白いっちゃ面白かった。
日本でも山塚アイが『ハナタラシ』として、ライブハウスを破壊しまくっていたし。
文字通り、電動ノコギリなどで実際に破壊しまくっていたのだ。
ユンボに乗って、ライブハウスの壁を破壊するって今では考えられない事態だ。
いや、当時としても考えられないか。笑
破壊されまくったライブハウスの写真を、よくこのフールズメイトの記事で読み、想像すら出来ない世界に興奮したものだ。

方や後半の記事、ヒットチャートを見てみると、そこには『コクトーツインズ』『ニューオーダー』『アズディックカメラ』など、未だ色あせることのない音楽を、若き才能が開花させていた時代でもある。
ニューオーダーなんて、今でも頻繁に聴くものなあ。本人たちは、もうおじいちゃんと言える歳だけど。

でも当時、どちらかと言えば、その時代でなきゃ生きて行けない音楽。いや、その時代だからこそ生まれた音楽。
その息吹を感じたくて、この『フールズメイト』楽しみにしていたように思う。

因みに、初代編集長の北村昌士が率いた『YBO2』もまた、その時代だからこその寵児と言えるだろう。その詞はなかなか文学的ではあるけれど、かなり猟奇的なものだった。

今より圧倒的に情報がない時代。
想像がもはや妄想に近くなり、こうしたマイナーなメディアから得られる情報がどんどん肥大化して行った。ライブの様子が伺える写真などを見ながら、時にワクワクし、時にビビりまくり、一人でヒィヒィと言っていたわけだ。
でもそれはそれで、良き時代でもあるのだろう。

今のように、youtubeで色々と見られる時代は時代で大変便利。
当時のおれが聞いたら、鼻血を出して倒れてしまうだろう。
昔のおれに聞いたら「絶対そっちの方がいい」と即答する筈だ。

それでも、これだけ情報が駆け巡る世界の中では、その時代だからこそ生きられた音楽たちは、生まれ辛くなったようにも思う。

これからも素晴らしい音楽は生まれ、あるものは忘れ去られ、またあるものは受け継がれてゆくだろう。そらはいつの時代も変わらない。

ただ、その時代だからこそ生きられる音楽には、限られた情報の中で、その時代と共に醸成される時間が必要なのだと思うのだ。今は醸成されるほどの時間は用意されていない。

すこしノスタルジックになったので、これから何を聴こうかな。
Bauhausでも聴くか。
それとも…

電気グルーヴのビタミンにしよう!


#エッセイ #日記 #音楽 #雑誌 #時代

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