春 また会えるだろうか

あの人と路でバッタリ再会…

そんな夢を見た。

今あなたに再会したい誰かはいますか。

今は逝かれたあの人。
すれ違ってしまった恋人。
喧嘩別れをしてしまった友。
自分を導いてくれた恩師。

実は、夢の中での再会は、あまり良いものではなかった。
あんなにも会いたいと願っていた人との再会だっただけに、夢の中とはいえ…

今も変わらず再会を望んでいる、のだと思う。
でも、以前よりその再会が、少し怖くなってしまった。

「人生、思ったように行ったためしなんてないじゃないか。ひょっとするとその再会が、ほろ苦いものになるかもしれないんだぞ」

そんな心の声が聞こえてくるのだ。

今日どこかで見掛けることがあったなら、その出会いから逃げ出してしまうかもしれない。
そうなる確率などゼロに等しいのに、そんなありもしない物思いにふけるのだ。
鏡の中の自分に苦笑いの朝だ。

『春』それは、出会いと別れの季節だ。

どの出会いと別れが、これから先の自分にとって大きなものとなるのだろう。
それは誰にも分からない。
今日の出会いが、10年後のおれにとってかけがえのないものになっているかもしれない。
そして明日の別れを一生、受け入れられずに生きることになるかもしれないのだ。

だからこそ出会いと別れはいつも特別な意味を持つ。
いくつかの別れを知ることで、次の出会いを大切に思い。
いくつもの出会いを知ることで、新しい喜びにまた巡り合えることを信じられる。
その時がいつ訪れるかも分からぬ出会いと別れが、人生を彩って行く。

あんなこんなを考えて過ごす朝。
少し熱めのシャワーを浴び、気持ちをシャキッとさせる。
今日の通勤は、詞の無い曲を聴くことにしよう。
これ以上、出会いと別れについて考えない為にも。
さて、何にするか…

ケミカル・ブラザーズに決定。

#エッセイ #出会い #別れ #春