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雪に咲いた花

家路をサクッサクッと歩いていた。

二月ともなれば、もう雪にもうんざりして来るものだ。これでもかこれでもかと雪が連日のように降り続いき、仕事への行き帰りも足元を取られつつだ。
大して煩わしくもないけれど、まあ、やれやれといったことこか。

そろそろ春が恋しくなっている。

あの、雪解け水が日差しにキラキラと揺れるアスファルト。
薄手のコートを、まだ少しだけ冷たい風がすり抜けて行く。襟を立て深く息を吸い込むと、澄んだ空気が春を告げる。
長い長い冬の終わりをちっとだけ寂しく思ったりもしながら、重たい雪からの解放感が気持ちをフワリとさせてくれるのだ。
コートを翻し、足取りも自然と軽やかになる。

それも、もうすこし。

早く春が来ないかなあ、と思いながら歩いていると、一足先に子どもたちが春を運んでくれたようだ。

大きくすてきな花が三つ。
チューリップだろうか。

よもやエイリアンの卵…ではあるまい。

何はともあれ、皆が春を待っている。

振り返ってみるとそこにはモチモチの木の様な影が。
やはり、春はもう少しだけ先のようだな。

#エッセイ #日記 #春 #花 #雪

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