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シリーズ:コロナと激動の消費者心理【10-12月期調査④】プレッシャー世代は外に出かけている時間がついに反転増加へ

企画・製作 株式会社矢野経済研究所 未来企画室

このシリーズでは、WEBアンケート定点観測調査(年4回実施)をもとに、日本の消費者の消費・心理・生活がコロナ禍でどのように変化したのかについて、気になるトピックを調査ごとにお届けしています。

当シリーズ投稿の趣旨や出典元の消費者調査につきましては、初回の記事でご紹介しておりますのでご覧ください。

<シリーズ説明>

調査概要
世代区分

プレッシャー世代は外に出かけている時間がついに反転増加へ

「外に出かけている時間」の四半期前(3か月前)からの増減とその見通しを、「増えた」「変わらない」「減った」の3段階で調査し、時間の使い方のDI値を算出した。下図は世代の結果を示している。

外に出かけている時間【世代別】(n=3600)

外に出かけている時間のDI値は、今回10-12月期に、全世代でさらに上昇した。特に、プレッシャー世代については、50.2となり、コロナ禍が始まって以来、初めて50を超え、外に出かけている時間が増えた人の割合が、減った人の割合を上回った。ゆとり世代も49.9と、50に近いとなっており、若年世代を中心に、外出している時間を増加させる人が優勢になっている。ワクチン接種が普及し、第5波が収束したことで、外出を自粛する必要がなくなったため、外出が徐々に活発化している。

今後は若者世代を中心に外出時間増加トレンドへ

今後、感染状況が悪化しなければ、若年世代を中心に、外に出かけている時間がこれまでの減少傾向から反転し、今度は増加傾向になっていくことが期待される。

その場合、外出に伴う消費支出も増加すると想定され、経済活動の更なる回復につながっていくと考えられる。その消費においては、最初期には上述の理由から、若者が中心的な役割を担っていくことがわかる。

また、前回7-9月期の外に出かけている時間のDI値について、プレッシャー世代は直線的に上昇しているのに対し、ゆとり世代とポスト団塊ジュニア世代は一旦横ばいに近くなっているという違いが出ている。前回のシリーズ:コロナと激動の消費者心理【10-12月期調査③】では、プレッシャー世代だけ順調に転職実施率を改善させた一方、ゆとり世代とポスト団塊ジュニア世代は、この外出時間のDIと同様に、7-9月期に転職実施率が低下し、今回10-12月期に大きく増加したことを述べた。外に出かけている時間が短くなったゆとり世代とポスト団塊ジュニア世代は、転職の実施率が低くなっているということである。このことからもやはり、この2世代は8月の第5波において、コロナに対する警戒感が強まり、外出を控えたと同時に、転職活動の実施も控えたといえるだろう。

出典:「コロナ禍の消費者心理・消費・生活を捉える定点調査2021」

※本シリーズの投稿内容はすべて執筆者の個人的な見解を示すものであり、執筆者が所属する団体等を代表する意見ではありません。また、投稿内容はいかなる投資を勧誘もしくは誘引するものではなく、また、一切の投資の助言あるいはその代替をするものではなく、また、資格を要する助言を行うものではありません。


今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。