グレート-O-カーン選手とソヨンボ

新日本プロレスの今シーズンはBOSJとWTLの同時開催で全試合ワールドを通して視聴しています。とりわけO-カーン選手が気になってどうしようもないのですが、もう1つ見つけてしまいました。
いつもはこんなに細かく選手のコスチュームを凝視することはないのですが、本能的にモンゴルに関わることがないのか探してしまいます。

モンゴル国旗には左側にソヨンボと言われる不思議なデザインがあるのですが、私の解釈だとモンゴルの偉大な自然とアミニズム(自然崇拝)を炎・太陽・月で表現し、チベット仏教の宗教観が陰と陽、そして戦闘に強いモンゴル民族の象徴を矢じりで表現されていると言われています。
正確な解釈については諸説あるので触れませんが、ソヨンボはモンゴルを象徴するシンボルと考えることができます。
余談ですが、現代のモンゴル語はロシア語と同じキリル文字が使われていて、Cの音は英語だとSの音(日本語だとサ行)と同じ感じです。久しぶりにキリル文字を書いてみたら結構忘れていました。

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O-カーン選手のショートタイツ正面部にこのソヨンボが描かれていることが確認できるのですが、最初見たときは嘘でしょ!とモニターの前で叫んでしまいました。

1つはここまでちゃんとリサーチしてキャラの作り込みをしているんだなという印象で、ブレずに徹底されていて素晴らしいと思います。
もう1つはソヨンボってこんなところにつけていいのか?という疑問でした。昔新日で活躍したブルーウルフ(朝青龍の兄)は普通の青いタイツみたいな感じでしたし、ここまでモンゴルアピールしているレスラーは初めてなのではないでしょうか(ブルーウルフもモンゴル人の祖先が蒼き狼と白い牝鹿であることに由来しているはずなので、ネーミングとしてはとてもキャラクターに合っていました)

矢野選手に急所攻撃された時に「うわ、ソヨンボが・・・」と思ってしまったのですが、こんな楽しみ方ができるのもプロレスの醍醐味です。
何が正しいか間違っているかは特に気になりません、物事の答えは1つではないという解釈の余地が与える世界観の広がり、そして1人の選手が試行錯誤して何かを成し遂げようとしている過程が想像でき真剣さが伝わります。
そこにはベビーフェイスやヒールといったカテゴリーを超えた人間のドラマが詰まっています。




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