【対談vol.4 前編】レターギフトサービス「RETTEL(レッテル)」はこうして生まれた
今回は複数人がWeb上で制作でき、大切な人に対して紙の本で贈れる寄せ書きサービス「RETTEL(レッテル)」について、ネイチャーオブシングス代表 濱本さんとフューチュレック代表 神田にお話しを伺いました。(以下、敬称略)
1.紙の本で贈れる寄せ書きサービス「RETTEL」とは
--レターギフトというアイデアは、どのように着想しましたか?
濱本:
今回リリースしたRETTEL以前から、弊社ではシカケテガミというレターギフトサービスを運営しています。このサービス、実は僕自身に娘が生まれたことがきっかけで開発を決意したんです。
唐突ですけど、日本人って相手が身近であればあるほど、関係が深ければ深いほど、逆に素直な気持ちを伝えにくい特性があると思いませんか?(笑)僕自身がまさにそうでした。子どもが生まれて妻や両親に対する畏敬の念や娘への感謝の気持ちが溢れ出してくるのに、「ありがとう」っていうシンプルな言葉が照れくさくてちゃんと伝えられなかったんです。じゃあ文章にでもすればって話ですけど、それはそれでいい歳してラブレターを書くようなもので…(苦笑)
でもちょっとしたチャットに絵文字やLINEのスタンプが絶妙なニュアンスを与えてくれるように、ともするとシリアスになりがちな文章にコミカルなビジュアルが合わさることで、良い意味で「ごまかし」を効かせられるんじゃないかと思ったんです。そうしてたどり着いた「絵本 × 手紙」という形態が、弊社のレターギフト(プレゼントになる手紙)の原点になります。
--新サービス「RETTEL」と「シカケテガミ」の違いはどういったところになりますか?
濱本:
シカケテガミはパートナーやわが子など、身近にいる大切な人に向けた1:1のレターギフトとしてこれまで商品ラインナップを広げてきました。これに対してRETTELはN:1、つまり複数人で贈れるレターギフトになっています。
たとえば会社の誰かが退職するとき、みんなで寄せ書きを贈ったりしますよね。でもあれ、記入スペースは限られているし、早く次の人に回さなきゃいけないし、感謝の気持ちを伝えるというより、もはや儀式化してしまっていると思いませんか? そもそも贈る側が楽しんでメッセージを届けられていないんですよね。もちろんもらった人は嬉しいですけど、色紙の寄せ書きってずっと飾っておけるものでもないですし。
せっかくなら、メッセージを贈るプロセスをみんながちゃんと楽しめて、贈られた人にとって一生の宝物になるようなモノがいいなと。コロナ禍以降、働き方が大きく様変わりしたこともあって、非対面での共同作業をいかに簡便化できるのかといった点もRETTELでは強く意識しています。
2.「クライアントと外注先」の関係を超えたパートナーシップ
--システム開発をフューチュレックに依頼した経緯を教えていただけますか。
濱本:
RETTELに限らず、シカケテガミについても新サービスの開発やメンテナンスなど、今は全面的にフューチュレックさんにサポートいただいていますが、シカケテガミを立ち上げた当初はそうではありませんでした。
当時は僕自身の無知が原因で、制作パートナー選びには本当に苦労しました。恥ずかしながら、何を基準にフィルタリングすべきかの判断がつかなかったんです。でも実はシステム制作会社もそれぞれに強みって全然違うんですよね。
僕は出自が広告業界なんですが、広告の世界ではどうしても「表現」としてのインパクトやかっこよさに重きが置かれがちです。誤解を恐れずに言うと、期間限定の(終わりがある)キャンペーンという単位で動く広告の世界では、ケースバイケースではあるものの、システムを支える土台や仕組みの部分ってそこまで複雑である必要がなかったりするんです。
でも一方で、事業としてのサービスには終わりなんてないですよね。終わられたら困りますし(笑)シカケテガミもRETTELも、お客様自身に「商品をつくる」体験をしていただくので、そういった体験を支える裏側の仕組み(バックエンド)がとても大事なんです。
ところが残念なことに、どんな業界でもロジカルシンキングとクリエイティビティって二者択一になりがちなんですよね。システム制作会社もまさにそんな印象で、フロント側の表現に強い会社はバックエンドの仕組みの部分に明るくなかったり、反対もまた然りといった感じで…。
デザインと仕組みのバランス感覚に優れた制作会社はないものかと途方にくれていたときに、たまたま人づてに紹介してもらったのがフューチュレックさんだったんです。
--プロデューサーとしての神田の印象はいかがでしたか?
濱本:
神田さんはバックエンドエンジニアのキャリアを持つテクニカルディレクターであり、同時に経営者でもあるという異色の経歴の持ち主です(笑)でもだからこそ、僕みたいな畑違いのプレイングマネージャーにとっては頼りになる存在なんです。
実装レベルのエンジニア視点と事業者視点を翻訳できる高いコミュニケーションスキルを備えていて、何よりも”ユーザビリティ”を前提にシステムのあるべき姿を議論できる、非常にありがたいビジネスパートナーですね。
--フューチュレックの会社としての強みはなんですか?
神田:
先ほど濱本さんが、デザインと仕組みのバランス感覚みたいな話をされましたけど、まさにその部分だと思います。SIerのような堅牢なシステムを作れるところと、ユーザーのためにサービスの使い勝手や見た目にもこだわれる、その両方ができるところが弊社の強みですね。
またフューチュレックはフットワークが軽くて意思決定がスムーズというところも特徴です。
例えば、週に一度の定例会議の最中にその場でソースコードの微修正をすることもありますし、ときには社内のエンジニアを含めたSlackに濱本さんにも一緒に入ってもらってやり取りすることもあります。もちろん濱本さんをお客様だと思ってはいるんですけど、目指すべきゴールが決まったところからは仲間だと思っています。
濱本:
サービス開発って事業者側も孤独を伴う部分が多いですし、未知なところで意思決定を繰り返していくので不安になることも多いです。
クライアントだからと耳障りの良いことばかり言うのではなく、専門性のないカテゴリーだからこそ、自社にとって良いことも悪いことも忌憚なく正確に伝えてもらえた方が圧倒的に意思決定しやすいんです。そういう意味でもフューチュレックさんはパートナーという言葉が一番しっくりくる感じですね。
後半では、システム開発で苦労したところやコスト面、サービス開発の楽しさに迫ります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
・サービスやシステムを相談したい企業の方
・フューチュレックで働きたい、挑戦してみたいという方
是非、弊社WEBサイトよりお問い合わせください。